ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第2章 奴隷編

震える少女

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「ミーラ、お前は自分が昔やったことを棚に上げて何を言ってるんだ?」
「な、何を……」
「魔法なしを差別していじめるのなんて、村にいた頃からやってきたことだろ? この僕に対してさあ、忘れちゃったのかな?」
「!? あ、あ、そ、それは……」

 ローグの言葉にミーラは激しく動揺した。というよりも、ローグが意図的に動揺させたのだ。一人称も「僕」にしたのもそのためだった。そこまでしたのは、復讐の対象のはずのミーラがかつての自分『ロー・ライト』と重なったからだ。それが気にくわなかったローグは、徹底的に痛めつけるとは違う形で復讐することに決めた。それは、深く反省した者に対して保留として考えていた計画だった(実は没案だった)。

「思い出しなよ、お前は僕が魔法なしと分かった途端にみんなと一緒になって僕をいじめてたじゃないか、その前は仲良かったのに」
「そ、それは……その……」
「なんだ? 自分は違うなんて言わせないよ。あの頃のことはしっかり覚えてるんだよ。お前たちが村を出る前日にどんな話をしてたのかもな」
「なっ!? あ、あの時の……」
「そうだ。僕は耐えきれなくなって叫んで外に出ていったけどな」
「……!……ロー……」
「坊主……」

 ローの言葉はミーラの心を深くえぐる言葉だった。聞いていたミーラは怒りが収まるどころか言葉を失ってしまった。彼女もまた、あの時のことを思い出していたのだ。自分が放った言葉も含めて。

「本当につらかったよ。世界の全てが信じられなくなった。村を出ようとした矢先に……誰かに井戸に落とされたりしてさあ、……誰かは知らないけど、ミーラなら分かるんじゃないかな?」
「ッ! う、あ、あ……」
(この反応、やっぱりな。この女しか可能な奴はいない)

 ローグは、自分を井戸に落としたのはミーラだと思っていた。あの村で、誰にも気づかれずに近づける魔法を持っているのはミーラ以外に心当たりが無かったからだ。今ここでカマをかけてみたところ、ミーラは足からガクガク震えだした。その様子を見て、ローグは自分の推測が正しかったことを確信した。犯人はこの女だと。

「井戸の奥から生きて出てくるのは大変だったよ。その過程で僕、いや、俺はいろいろと変われることができたんだ。そこで得たものもある、最強の武器と目的だ」
「……え……?」
「見せてやるよ。俺の武器を!」
ビッビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!
「「ッ!!」」

 ローグは手から【外道魔法】を出した。赤紫色の光が、ここにいる三人を照らす。その威力は、人を大やけどさせる程度のものだった。雷魔法にも見えるそれを見たミーラは、信じられないものを見るような目になった。ミーラはローグが魔法なしのままだと思い込んでいただけに、かなり衝撃的だった。

「い、今のローは……」
「ああ、俺はもう魔法なしじゃない。今の俺は昔と変わることができたんだ。そして、俺の目的は復讐だ!」

 ローグは、魔法を消してミーラに宣言する。
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