ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第2章 奴隷編

戦いの火ぶた

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 ローグの言葉を聞いたルドガーは何かを察したようだ。嫌な予感がした。

「ぼ、坊主、お前……どうして、ここに来た……」
「魔法で探知したら、ミーラの反応がここにあったからだ」
「ロー……」

 ルドガーは天を仰いでしまった。無理もないだろう。どうやってミーラの居場所を見つけ出したのか詳しく聞かなかったことが悔やまれるのだ。ミーラも同じ気持ちだ。彼女の頭は真っ白になった。一方、「魔法で探知」と言ったローグの言葉に仮面の男たちは少し驚いた。

「ほう、防御と探知もできる魔法か……どんな魔法か知らないが、小僧、貴様には我々とともに来てもらおう。他の二人はいらないがな」 
「それじゃ、女とおっさんは死ね!」
「何だと!? 俺はともかく嬢ちゃんは関係ないだろ!」
「その女はすでに我々のことをある程度知ってしまった。魔法なしでない限り殺すしかない。外町で暮らしているなら魔法なしだろうがな」
「魔法なしなら生きてる価値ねえだろ? 殺すほうが救いだろ! ははははは!」
「なっ……てめえら……!」 
「……う、うう、……!」
(これが魔法協会か……こういう組織か……)

 魔法協会の追手、バルムドとハイドの言葉にルドガーは怒り、ミーラは恐怖とそれ以上に悔しさを感じた。一方、そのやり取りを見たローグは虚しさを感じていた。末端とはいえ魔法協会の者は命を粗末にしようとしている、必要のない犠牲を出そうとしている、裏切り者が出るほどに。ローグはそれが気に食わない。

「魔法協会の追手よ、ちょっといいか?」
「ああ?」
「何か質問か、我々と来るのが嫌だといっても来てもらうぞ?」
「そうじゃない。お前らはそこまで命を粗末にするのか? 魔法なしはそこまで価値が認められないのか?」
「は? 何言ってんだお前?」
「質問の意味が分からん。魔法の発展に比べれば命の価値など無視すべきだ。魔法なしは殺す価値すら怪しい。それくらい分かるだろ?」
「…………………………………………………………………………そうか」
「「…………」」

 ローグの中で魔法協会に対する評価が決まった瞬間だった。まともな線引きがされていないことは魔法の研究機関として危うい。良好な関係にはなれそうにない。最も、ローグの獲物を横取りした時点で第一印象は最悪だったのだが。

「お前らが俺に興味を持つのは当然だ。俺のほうは気に食わないがな、魔法協会は」
「ああ? 拒否するってのか?」
「ふん、やはりそうか。そっちから探っておきながらこんなところに逃げ込むようだからな。ならば、無理やり連れて行くだけだ、覚悟しろよ」
「くっ、坊主……!」
「ロー……!」

 バルムドとハイドが敵意をむき出した。ルドガーはミーラを守るように前に出た。そしてローグは、体全体から赤紫色の光を放ち始めた。

「「「「!」」」」
「悪いが覚悟するのはお前らのほうだ。お前らを倒して俺のほうから乗り込んでやるよ、魔法協会をつぶすためにな!」

 ローが敵意をむき出した。戦いの火ぶたが切って落とされたのだ。
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