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第5章 外国編
嫉妬と女性
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「ごちそうさま!」
「ご馳走様」
「これから、すぐに外に行くの?」
「一度部屋で休んで、準備してから出る」
「分かった!」
二人は食事を食べ終わった。その後、部屋に戻っていく。その二人が食堂から出て行った後、このような声が聞こえてきた。
「ちっ……こんな時に外に出ていく? デートのつもりかよ……」
「けっ! 恋人がいる奴はいいよな全くよ!」
「能天気な奴らだよ、全く……今の帝国のことを知ってんのか?」
ローグとミーラ。……本人たちは気付いていないが、この二人は少し目立っていたのだ。特にミーラに関してはそこそこの美少女なので、男の中には注目するものもいたのだ。そんなミーラといつも一緒にいるローグは嫉妬の対象になっていた。
「…………」
ただし、ローグに注目していたのは嫉妬する男たちだけではなかった。
「…………」
それはフードを被り顔を見せないようにしている女性だった。黙々と食事をしながら、目線だけはローグとミーラを離していなかった。余程気になっているようだ。
(……あの二人、女のほうは『王国』と言いかけた。男のほうはそれで話をそらした。もしや、あの二人は……!)
女性は食事を終えるとすぐに食堂を後にした。早歩きで自身の部屋に向かっていったのだ。そして……。
少ししてから、ローグとミーラは出かける準備を整えていた。二人は食堂に来た時とは違う服装に着替えている。冒険者らしい武装が目に付く服装だ。ミーラはともかく、ローグは外に出るということが今どんなに危険か理解はしているのだ。帝国全体がピリピリしている中で、軽装で出会歩くのはあまりに軽率なのだ。
「さて、行くか」
「うん! ……あれ?」
「どうした?」
「部屋の外に誰かがいるみたい。それも……」
「それも?」
「……魔法持ちみたい」
「っ!?」
二人は部屋から出て、そのまま宿を出て外を出歩くはずだったが、ここで思わぬ事態が発生した。二人が出てくるのを待っている人物がいるようだ。
「ミーラ、騒ぐなよ。『奴ら』かもしれん」
「えっ、それって……!」
「騒ぐな」
「……うん」
ローグの言う『奴ら』とは、王国の人間のことを指す。ローグとミーラも元は王国の人間だが、この二人は王国の上層部に狙われる立場にいるのだ。
(魔法持ち……王国っ側の人間か? 遂に追手がきたか?)
魔法持ちとは、思春期の頃に魔法を発現した者のことを指す。ただし、そういう人間はほとんどが王国で生まれる。王国以外の他国で魔法を発現した人間はほとんどいないし、聞いたこともない。何故なら、魔法を発現する条件には大掛かりな魔術が必要なのだ。王国側はその真実を隠してきたが、一か月ほど前にローグ達の手によって王都全土に知れ渡ってしまった。そのため、王国はローグ達を捕らえようとしているのだ。
「待っているのは何人いる?」
「一人ね」
「一人?」
「うん、間違いない」
「?」
部屋の中で緊張する二人。だが、相手が一人と聞いてローグは少困惑した。
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