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第5章 外国編
外国で警戒
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部屋の中で緊張する二人。だが、相手が一人と聞いてローグは少し困惑した。
「他に不審な反応はないか? 離れたところに魔法持ちが待機してるとか、他に大勢待機してるとかは?」
「そういうのは感じない。本当に一人みたいだけど……」
「…………?」
(一人しかいないだと? そんな馬鹿なことがあるか?)
王国は長年、魔法の真実をうまく隠してきた。自然発生しているのではなく、意図的に作り出してきたという事実を。そんな都合のいいことが可能だったのは、王国にそれだけの組織力があったことを意味する。ローグとしてはその辺も考慮していたため、近いうちに居場所が特定されるだろうと予測していた。だが、差し向けられてきた追手がたった一人というのはおかしい。あの王国が、あれだけのことをしでかしたローグを侮るとは思えない。
(たった一人だけよこしてくるなんて、余程の実力者ということなのか? 戦う前にもう少し情報がいるな)
対面する前に相手の情報を少しでも知っておく必要がある。そこで今のミーラが持っている【解析魔法】(過去にローグが奪った魔法)が役に立つ。今のミーラは【解析魔法】を十分使いこなせるようになっている。【解析魔法】を通せば、対象となる相手のことがある程度わかるのだ。特に、その相手が魔法持ちなら分かる情報が多い。
「ミーラ、そいつの魔力量は? どんな魔法か特定できるか?」
「……う~ん。魔力量は私の半分ぐらいかな」
「は? 半分?」
「どんな魔法かは、ちょっと分からない。感じたことのない魔力だからね」
「…………」
ローグは更に困惑した。ミーラがローグに嘘を言うはずがない。だが、王国側が魔力量が少ない者を一人だけ差し向けてくるのもあり得ない。どういうことだろうか?
(……王国側の人間じゃない? 王国とは無関係? もしかして、『天然』か?)
ローグの言う天然とは、王国が裏で行っている大魔術のようなものではなく、何らかの要因で生まれた時から魔法をもっている者のことを指す。ただし、それはかなり稀なケースであり、魔法をもって生まれたことに本人が気づかない限り、発覚することすら難しい。
(いや、あり得ないな。この時代でそんなものがいて、出会うことは……なくもないか?)
ローグは天然の存在について今まで深く考えてはいなかった。そのため、一瞬だけ否定しかけたが、すぐに逆の考えが浮かんだ。9割の人間が魔法持ちの王国が存在している以上、その子孫が他国に渡り、天然の魔法持ちを生み出すきっかけを作っていてもおかしくはない。ましてや敵国とはいえ隣国なのだ。
(……流石にそこまではないか。もしかして同じように王国出身者ってだけということもあるかもしれん。会ってみれば分かることだしな)
「どうするの? 今日は部屋から出ない?」
「外には出よう。向こうから話しかけてきたら応じるよ」
「王国の人かもしれないよ?」
「魔力がミーラの半分しかないんだろ? しかも一人、追手とは考えにくい」
「なるほど」
「それに興味もある。感じたことのない魔力らしいしな」
ローグとミーラは、とりあえず部屋から出てみることにした。ミーラは不安だったが、ローグのほうは少し期待していた。
(万が一、敵だったとしても逆に利用するぐらいしてやろう。貴重な情報源としてな)
相手にどんな思惑があろうと、ローグにとっては敵対者も利用する駒でしかないのだ。
「他に不審な反応はないか? 離れたところに魔法持ちが待機してるとか、他に大勢待機してるとかは?」
「そういうのは感じない。本当に一人みたいだけど……」
「…………?」
(一人しかいないだと? そんな馬鹿なことがあるか?)
王国は長年、魔法の真実をうまく隠してきた。自然発生しているのではなく、意図的に作り出してきたという事実を。そんな都合のいいことが可能だったのは、王国にそれだけの組織力があったことを意味する。ローグとしてはその辺も考慮していたため、近いうちに居場所が特定されるだろうと予測していた。だが、差し向けられてきた追手がたった一人というのはおかしい。あの王国が、あれだけのことをしでかしたローグを侮るとは思えない。
(たった一人だけよこしてくるなんて、余程の実力者ということなのか? 戦う前にもう少し情報がいるな)
対面する前に相手の情報を少しでも知っておく必要がある。そこで今のミーラが持っている【解析魔法】(過去にローグが奪った魔法)が役に立つ。今のミーラは【解析魔法】を十分使いこなせるようになっている。【解析魔法】を通せば、対象となる相手のことがある程度わかるのだ。特に、その相手が魔法持ちなら分かる情報が多い。
「ミーラ、そいつの魔力量は? どんな魔法か特定できるか?」
「……う~ん。魔力量は私の半分ぐらいかな」
「は? 半分?」
「どんな魔法かは、ちょっと分からない。感じたことのない魔力だからね」
「…………」
ローグは更に困惑した。ミーラがローグに嘘を言うはずがない。だが、王国側が魔力量が少ない者を一人だけ差し向けてくるのもあり得ない。どういうことだろうか?
(……王国側の人間じゃない? 王国とは無関係? もしかして、『天然』か?)
ローグの言う天然とは、王国が裏で行っている大魔術のようなものではなく、何らかの要因で生まれた時から魔法をもっている者のことを指す。ただし、それはかなり稀なケースであり、魔法をもって生まれたことに本人が気づかない限り、発覚することすら難しい。
(いや、あり得ないな。この時代でそんなものがいて、出会うことは……なくもないか?)
ローグは天然の存在について今まで深く考えてはいなかった。そのため、一瞬だけ否定しかけたが、すぐに逆の考えが浮かんだ。9割の人間が魔法持ちの王国が存在している以上、その子孫が他国に渡り、天然の魔法持ちを生み出すきっかけを作っていてもおかしくはない。ましてや敵国とはいえ隣国なのだ。
(……流石にそこまではないか。もしかして同じように王国出身者ってだけということもあるかもしれん。会ってみれば分かることだしな)
「どうするの? 今日は部屋から出ない?」
「外には出よう。向こうから話しかけてきたら応じるよ」
「王国の人かもしれないよ?」
「魔力がミーラの半分しかないんだろ? しかも一人、追手とは考えにくい」
「なるほど」
「それに興味もある。感じたことのない魔力らしいしな」
ローグとミーラは、とりあえず部屋から出てみることにした。ミーラは不安だったが、ローグのほうは少し期待していた。
(万が一、敵だったとしても逆に利用するぐらいしてやろう。貴重な情報源としてな)
相手にどんな思惑があろうと、ローグにとっては敵対者も利用する駒でしかないのだ。
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