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第5章 外国編
謎の女性
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意を決して二人が部屋から出ると、確かに少し離れた位置に誰かがいるようだ。誰かを待つかのように静かに立っている。二人は気付かないふりして宿の出入り口に向かおうとする。その直後だった。
「そこの二人、待ちなさい!」
「え?」
「……」
その人物が二人に声を掛けてきた。ローグは落ち着いて、ミーラは恐る恐る、それぞれ振り向いた。するとそこにいたのは、足元まで届く白い上着が印象的なフードを被った人物だった。フードで顔と髪が見えないが、声と体格で女性だと分かる。実はこの女性、食堂でローグとミーラの会話を聞いて二人に注目していた人物だった。
「あの、何か?」
「……何のようだ」
「お前たちに大事な話がある」
「大事な話?」
「何だと?」
フードで顔を見せない女性に対して、ローグとミーラは警戒を強める。流石にこんな所で戦うことになるとは思わないが……。
「大事な話というのはここでするべきか?」
「いや、ここではマズいな。外で話そう、ついてこい」
「待て、どこへ連れてくつもりだ?」
「私について行けば分かることだ。従ってもらおう」
「…………」
女性は強気な口調で二人に指示してきた。女性は構わす歩きだした。様子を見るためにローグはついて行くことにした。
(やけに偉そうな感じだな。この国で高い身分の者か? 服装からして……)
「ローグ、いいの?」
「ああ、どうかしたか?」
ローグが女性に対して歩きながら考察していると、ミーラが小声で声を掛けてきた。その顔には不満が見られる。
「あんな偉そうな人について行くなんて……」
「仕方あるまい。おそらく、そういう身分の人なんだろう」
「だからって……」
「俺も気に入らないから今は我慢してくれ」
「……分かった」
ミーラは渋々承諾した。ローグの決定には逆らわないのが彼女の基本なのだ。ミーラの中では、彼女自身の意志よりもローグの意志のほうが優先順位が高いのだ。
「何をしている。しっかりついてこい」
「はい?」
「心配しなくてもついてきているが?」
「何故私がお前たちなどを心配する必要がある」
「「え?」」
「ゆっくり歩くなと言っているんだ、行くぞ」
「「…………」」
まるでリーダーであるかのように仕切っている。謎の女性がどれだけ偉そうにしても、二人は今だけはついて行く。だが、
(何なのよ、この女。さっきから偉そうに……)
(この女に価値がないと判断すれば切り捨てよう。あまり気に入らないしな)
二人は女性に対して好印象を持っていない。持てるはずがなかった。しかし、この女性がローグとミーラのの運命を大きく変えるとは、この時は二人も思っていなかった。
「そこの二人、待ちなさい!」
「え?」
「……」
その人物が二人に声を掛けてきた。ローグは落ち着いて、ミーラは恐る恐る、それぞれ振り向いた。するとそこにいたのは、足元まで届く白い上着が印象的なフードを被った人物だった。フードで顔と髪が見えないが、声と体格で女性だと分かる。実はこの女性、食堂でローグとミーラの会話を聞いて二人に注目していた人物だった。
「あの、何か?」
「……何のようだ」
「お前たちに大事な話がある」
「大事な話?」
「何だと?」
フードで顔を見せない女性に対して、ローグとミーラは警戒を強める。流石にこんな所で戦うことになるとは思わないが……。
「大事な話というのはここでするべきか?」
「いや、ここではマズいな。外で話そう、ついてこい」
「待て、どこへ連れてくつもりだ?」
「私について行けば分かることだ。従ってもらおう」
「…………」
女性は強気な口調で二人に指示してきた。女性は構わす歩きだした。様子を見るためにローグはついて行くことにした。
(やけに偉そうな感じだな。この国で高い身分の者か? 服装からして……)
「ローグ、いいの?」
「ああ、どうかしたか?」
ローグが女性に対して歩きながら考察していると、ミーラが小声で声を掛けてきた。その顔には不満が見られる。
「あんな偉そうな人について行くなんて……」
「仕方あるまい。おそらく、そういう身分の人なんだろう」
「だからって……」
「俺も気に入らないから今は我慢してくれ」
「……分かった」
ミーラは渋々承諾した。ローグの決定には逆らわないのが彼女の基本なのだ。ミーラの中では、彼女自身の意志よりもローグの意志のほうが優先順位が高いのだ。
「何をしている。しっかりついてこい」
「はい?」
「心配しなくてもついてきているが?」
「何故私がお前たちなどを心配する必要がある」
「「え?」」
「ゆっくり歩くなと言っているんだ、行くぞ」
「「…………」」
まるでリーダーであるかのように仕切っている。謎の女性がどれだけ偉そうにしても、二人は今だけはついて行く。だが、
(何なのよ、この女。さっきから偉そうに……)
(この女に価値がないと判断すれば切り捨てよう。あまり気に入らないしな)
二人は女性に対して好印象を持っていない。持てるはずがなかった。しかし、この女性がローグとミーラのの運命を大きく変えるとは、この時は二人も思っていなかった。
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