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第25話 テラとリバーステラの暦、聖書、年表など、現在判明していることについて。
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テラでは、リバーステラにも存在する(していた?)「神が7日間かけて天地創造を行ったとされる年を元年とする」、「世界創造紀元」という暦が用いられている。
リバーステラの日本の高校生、秋月レンジが異世界テラに転移したのは、世界創造紀元7529年(西暦2020年)11月11日のことであった。
ふたつの世界は、神が7日間かけて世界を作ったという、同じ神話(リバーステラで旧約聖書と呼ばれるもの)を共有していた。
しかし、旧約聖書はテラでは「救厄聖書」と呼ばれており、ふたつの聖書に記されたエピソードや固有名詞にはかなりの差異が存在していた。
ふたつの神話は似て非なるものであった。
どちらの聖書も、第一章「天地創造」において、神は自らの姿に似せて人を創造したとある。その際に男と女を同時に創造したとはっきりと記されている。
はじまりの男の名はアダムであり、はじまりの女の名はリリスである。
しかし、旧約聖書の第二章「エデンの園」には、神はアダムがひとりでいるのは良くないと考え、彼のために、彼から取ったあばら骨で二人目の女を造り、そしてアダムはその女をイブと名づけたとある。
そのエピソードは、救厄聖書には存在しない、旧約聖書だけのエピソードであった。
つまり旧約聖書における神は、最初に男と女を同時に造ったが、それにもかかわらず、男の肋骨から女を造ったことになる。
はじまりの男アダムとはじまりの女リリスの間に何か不都合なことがあり、アダムは男やもめになってしまい、それを憐れんだ神が、彼のあばら骨から彼にふさわしい再婚相手として、2人目の女イブを造ったという事になっている。
しかし、救厄聖書にはイブは登場すらしていなかった。
あくまで神話の上での話ではあるが、リバーステラの人類はアダムとイブの子孫であり、テラの人類はアダムとリリスの子孫であった。
旧約聖書のアダムとイブは蛇にそそのかされ、禁断の果実を口にしたために楽園から追放された。
救厄聖書のアダムとリリスは、禁断の果実から産まれた竜にまたがり、自らの意思で楽園を飛び出していた。
それ以外にも、人類史上最初の殺人事件とされるカインとアベルのエピソードは、神の寵愛を一身に受ける弟アベルに嫉妬した兄カインによる弟殺しでなく、才能に溢れる弟アベルが無能な兄カインを邪魔に思い殺害するという、選民意識からくる兄殺しのエピソードになっていた。
大洪水と方舟のエピソードは救厄聖書には存在しなかった。
バベルの塔は、神の怒りを買うことも、雷によって破壊されることもなかった。
神は、その塔が自らのもとへたどり着くことはないとわかっていたのだろう。
また、アダムとリリスを楽園から追放したわけでもなかったため、たとえ自らのもとにたどり着いたとしても何ら問題はなかったのだと思われる。
それらしき塔は、テラに未完成のまま放置されていた。
そのため、人が神によって言語をわけられることもなく、テラは世界中で共通の言語が用いられている。
国や地方によってなまりや方言はあるがこの世界の言語はひとつしかない。
その文法は英語や中国語のようではなく、日本語に限りなく近いものであった。
旧約聖書におけるイブの存在は、女は男から作られたため、男女は対等の存在ではないという男尊女卑思想の根拠であると同時に、神が人を作ったのではなく、神や神話を人が作ったという根拠のひとつであると言えるだろう。
言語は神によって分かたれたのではなく、あらかじめ分かれていた。それにもっともらしい理由をとってつけたのが、バベルの塔のエピソードだ。
大洪水と方舟のエピソードを境に、人の寿命は千年から100年にまで短くなっている。これもまた神話が神の時代から人の時代から移り変わるため、現実の人の寿命にあわせたのだろう。
しかし、救厄聖書では男女は平等な存在であり、テラもまた男女は平等である。
バベルの塔は破壊されず、未完成のまま今も存在し、テラにはひとつの言語しか存在しない。
テラには魔人が存在し、数百年から1000年の時を生きている。
これらのことから推測できるのは、救厄聖書こそが正しい神話であり、世界がテラとリバーステラのふたつに分かたれたあとに書き換えられたものが旧約聖書ではないか、ということだった。
救厄聖書の最後には、厄災から世界を救う存在が示唆され、その者の誕生によって幕を閉じる。
リバーステラには旧約聖書の地続きに新約聖書があるが、テラには新約聖書に代わるものは存在しなかった。
すでに神の時代から人の時代に移り変わり、人の歴史がそれに当たっていただろう。
世界創造紀元4755年 (紀元前753年) 、エウロペは国家として誕生したとされている。
5502年(紀元前6年)、イエス・キリストと同一人物と思われる、アルビノの魔人が誕生している。
しかし、その名は、神の名と同様に、みだりに口にしてはならないとされており、どの書物にも記されていない。
7319年(1808年)、エウロペの第254代国王の末子として、ラーガル・フリョ・トルムリン・エウロペが誕生。
同年、ブライ・アジ・ダハーカもまた誕生する。ふたりは共に魔人であった。
7322年(1811年)、レオナルド・ダ・ヴィンチ・イズ・ディカプリオ誕生。彼もまた魔人であった。
7346年(1837年)、エウロペの第255代国王として、ラーガル・フリョ・トルムリン・エウロペが即位。
ブライ・アジ・ダハーカもまた初代大賢者を就任し、魔道学院を設立。
魔法文明の著しい発達が始まる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ・イズ・ディカプリオ、魔装具鍛冶職人となる。
7373年(1864年)、飛空艇完成。
魔法文明の著しい発達により、エーテルの枯渇が問題視されはじめる。
7388年(1879年)、エウロペは枯渇しつつあるエーテルを独占するため、同盟関係にあった隣国ランスと共に近隣諸国に対し宣戦布告。
ランスの隣国ペインは、ネクロマンサーによる死者の軍隊「ファントム」で対抗するも敗北。
戦争は世界規模のものにまで発展する。
7390年(1881年)、エーテルの枯渇が深刻化したため、世界大戦終結。
7426年(1917年)、エウロペは人工的にエーテルを生み出す実験を行い、ダークマターを産み出す。
魔物は混沌化し、カオスとなる。
7429年(1920年)、テラとリバーステラを繋ぐゲートが開通。
リバーステラの2009年より、最初の転移者、富嶽サトシが来訪する。
7434年(1925年)、魔王誕生。
7512年(2003年)、魔人ステラ・リヴァイアサンとアルビノの魔人ピノア・カーバンクル誕生。
リバーステラでは富嶽レンジ(後の秋月レンジ)が誕生する。
7517年(2005年)、ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルが、魔術学院にて巫女としての修行を開始する。
リバーステラでは富嶽レンジの妹、リサが誕生。
7518年(2006年)、リバーステラより富嶽レンジの父、富嶽サトシが7429年のテラへ転移する。
7529年11月11日(西暦2020年11月11日)、通算一万人目の来訪者、秋月レンジ来訪。
リバーステラの日本の高校生、秋月レンジが異世界テラに転移したのは、世界創造紀元7529年(西暦2020年)11月11日のことであった。
ふたつの世界は、神が7日間かけて世界を作ったという、同じ神話(リバーステラで旧約聖書と呼ばれるもの)を共有していた。
しかし、旧約聖書はテラでは「救厄聖書」と呼ばれており、ふたつの聖書に記されたエピソードや固有名詞にはかなりの差異が存在していた。
ふたつの神話は似て非なるものであった。
どちらの聖書も、第一章「天地創造」において、神は自らの姿に似せて人を創造したとある。その際に男と女を同時に創造したとはっきりと記されている。
はじまりの男の名はアダムであり、はじまりの女の名はリリスである。
しかし、旧約聖書の第二章「エデンの園」には、神はアダムがひとりでいるのは良くないと考え、彼のために、彼から取ったあばら骨で二人目の女を造り、そしてアダムはその女をイブと名づけたとある。
そのエピソードは、救厄聖書には存在しない、旧約聖書だけのエピソードであった。
つまり旧約聖書における神は、最初に男と女を同時に造ったが、それにもかかわらず、男の肋骨から女を造ったことになる。
はじまりの男アダムとはじまりの女リリスの間に何か不都合なことがあり、アダムは男やもめになってしまい、それを憐れんだ神が、彼のあばら骨から彼にふさわしい再婚相手として、2人目の女イブを造ったという事になっている。
しかし、救厄聖書にはイブは登場すらしていなかった。
あくまで神話の上での話ではあるが、リバーステラの人類はアダムとイブの子孫であり、テラの人類はアダムとリリスの子孫であった。
旧約聖書のアダムとイブは蛇にそそのかされ、禁断の果実を口にしたために楽園から追放された。
救厄聖書のアダムとリリスは、禁断の果実から産まれた竜にまたがり、自らの意思で楽園を飛び出していた。
それ以外にも、人類史上最初の殺人事件とされるカインとアベルのエピソードは、神の寵愛を一身に受ける弟アベルに嫉妬した兄カインによる弟殺しでなく、才能に溢れる弟アベルが無能な兄カインを邪魔に思い殺害するという、選民意識からくる兄殺しのエピソードになっていた。
大洪水と方舟のエピソードは救厄聖書には存在しなかった。
バベルの塔は、神の怒りを買うことも、雷によって破壊されることもなかった。
神は、その塔が自らのもとへたどり着くことはないとわかっていたのだろう。
また、アダムとリリスを楽園から追放したわけでもなかったため、たとえ自らのもとにたどり着いたとしても何ら問題はなかったのだと思われる。
それらしき塔は、テラに未完成のまま放置されていた。
そのため、人が神によって言語をわけられることもなく、テラは世界中で共通の言語が用いられている。
国や地方によってなまりや方言はあるがこの世界の言語はひとつしかない。
その文法は英語や中国語のようではなく、日本語に限りなく近いものであった。
旧約聖書におけるイブの存在は、女は男から作られたため、男女は対等の存在ではないという男尊女卑思想の根拠であると同時に、神が人を作ったのではなく、神や神話を人が作ったという根拠のひとつであると言えるだろう。
言語は神によって分かたれたのではなく、あらかじめ分かれていた。それにもっともらしい理由をとってつけたのが、バベルの塔のエピソードだ。
大洪水と方舟のエピソードを境に、人の寿命は千年から100年にまで短くなっている。これもまた神話が神の時代から人の時代から移り変わるため、現実の人の寿命にあわせたのだろう。
しかし、救厄聖書では男女は平等な存在であり、テラもまた男女は平等である。
バベルの塔は破壊されず、未完成のまま今も存在し、テラにはひとつの言語しか存在しない。
テラには魔人が存在し、数百年から1000年の時を生きている。
これらのことから推測できるのは、救厄聖書こそが正しい神話であり、世界がテラとリバーステラのふたつに分かたれたあとに書き換えられたものが旧約聖書ではないか、ということだった。
救厄聖書の最後には、厄災から世界を救う存在が示唆され、その者の誕生によって幕を閉じる。
リバーステラには旧約聖書の地続きに新約聖書があるが、テラには新約聖書に代わるものは存在しなかった。
すでに神の時代から人の時代に移り変わり、人の歴史がそれに当たっていただろう。
世界創造紀元4755年 (紀元前753年) 、エウロペは国家として誕生したとされている。
5502年(紀元前6年)、イエス・キリストと同一人物と思われる、アルビノの魔人が誕生している。
しかし、その名は、神の名と同様に、みだりに口にしてはならないとされており、どの書物にも記されていない。
7319年(1808年)、エウロペの第254代国王の末子として、ラーガル・フリョ・トルムリン・エウロペが誕生。
同年、ブライ・アジ・ダハーカもまた誕生する。ふたりは共に魔人であった。
7322年(1811年)、レオナルド・ダ・ヴィンチ・イズ・ディカプリオ誕生。彼もまた魔人であった。
7346年(1837年)、エウロペの第255代国王として、ラーガル・フリョ・トルムリン・エウロペが即位。
ブライ・アジ・ダハーカもまた初代大賢者を就任し、魔道学院を設立。
魔法文明の著しい発達が始まる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ・イズ・ディカプリオ、魔装具鍛冶職人となる。
7373年(1864年)、飛空艇完成。
魔法文明の著しい発達により、エーテルの枯渇が問題視されはじめる。
7388年(1879年)、エウロペは枯渇しつつあるエーテルを独占するため、同盟関係にあった隣国ランスと共に近隣諸国に対し宣戦布告。
ランスの隣国ペインは、ネクロマンサーによる死者の軍隊「ファントム」で対抗するも敗北。
戦争は世界規模のものにまで発展する。
7390年(1881年)、エーテルの枯渇が深刻化したため、世界大戦終結。
7426年(1917年)、エウロペは人工的にエーテルを生み出す実験を行い、ダークマターを産み出す。
魔物は混沌化し、カオスとなる。
7429年(1920年)、テラとリバーステラを繋ぐゲートが開通。
リバーステラの2009年より、最初の転移者、富嶽サトシが来訪する。
7434年(1925年)、魔王誕生。
7512年(2003年)、魔人ステラ・リヴァイアサンとアルビノの魔人ピノア・カーバンクル誕生。
リバーステラでは富嶽レンジ(後の秋月レンジ)が誕生する。
7517年(2005年)、ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルが、魔術学院にて巫女としての修行を開始する。
リバーステラでは富嶽レンジの妹、リサが誕生。
7518年(2006年)、リバーステラより富嶽レンジの父、富嶽サトシが7429年のテラへ転移する。
7529年11月11日(西暦2020年11月11日)、通算一万人目の来訪者、秋月レンジ来訪。
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