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第87話 10001人目の転移者 ①
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滅亡したエウロペの城下町の南、商店街のはずれに、ひとりの少年が立っていた。
茶色に染めた短髪をワックスで無造作に遊ばせ、両耳や唇にはいくつもピアスがついていた。
背は180センチほどあり、ブレザーの制服にパーカーを合わせお洒落に着崩していた。
そこは、一週間ほど前に、リバーステラからの一万人目の来訪者がやってきた場所であり、一万人目の来訪者を持って閉じられたゲートが存在した場所であった。
無論そのことを、少年は知らない。
ゲートは、扉の形をしていない。
ゲートとは、ゆらぎだ。
少年はその日、体育の授業に出るのが嫌で、体調が悪いと言って保健室で一時間仮眠をするか、適当な理由をつけて早退するか悩んでいた。
そして、どちらにせよ理由を考えるのは面倒だと気づき、無断で早退した。
電車通学だった彼は、家の最寄り駅に着いた後、徒歩で帰宅する途中、真夏に景色がゆらいで見えることがあるように、真冬の景色がゆらいで見えていたのがとても不思議で、誘(いざな)われるようにして、そのゆらぎを通り抜けた。
そして、通り抜けた先は、彼が住んでいた日本の町並みとは明らかに違う、中世ヨーロッパのような街並みが広がっていた。
しかし、その街並みには無数の死体が転がっていた。
人の死体だけではない。
動物の死体や、魔物や化け物としか呼びようのない存在の死体がところせましと並んでいた。
「なるほどね。
これが日本だけで一年に数万人もいるらしい行方不明者の、大多数を占めると言われている『神隠し』の正体ってところか」
彼の小学生時代の友人は、一週間ほど前に行方不明になっていた。
その友人だけではなく、その父親もまた11年前に行方不明になっていた。
彼は、中学からは私立のエスカレーター校に通っていたため、その友人とはすっかり疎遠になってしまっていたが、数日前にテレビのニュースで行方不明になっていることを知った。
警察は、家出の可能性と、事件や事故に巻き込まれた可能性があるとし、捜査をしているということだった。
しかし、家出の可能性は絶対にないと、少年は思っていた。
その友人には、目に入れてもかわいくないほどに溺愛していた、5つ年下の妹がいたからだ。
彼にも2つ年下のガッツリ腐女子な妹がいたから、断言できた。
彼にはオタク趣味はなかったが、一緒にアニメを観るくらいには仲が良かったからだ。
BL同人誌を買いに行く際に、荷物持ちとしてコミケに連れていかれたり、それを勧めてくるだけでなく感想まで求めてくるのは困ったものだったが、かわいい妹だった。
いくら友人の家庭環境が若干複雑とはいえ、まだ小学6年の妹を残して家出をするとは、同じ兄としてどうしても思えなかったのだ。
「どう見ても異世界だな。
よくある、剣と魔法のファンタジーの世界ってところかね……
異世界転移ってやつか? リゼロ? ってアニメみたいに」
レムちゃんやラムちゃんみたいなかわいいメイドとの出会いは大歓迎だっちゃが、何回も死んでは戻って、なんてのを繰り返したりしなくてすむといいんだけど、と彼は思った。
しかし、少年の目の前には、どう見てもATMにしか見えないものが存在した。
もっとも彼はATMを利用できるカードを持ちあわせてはいなかったが。
「ただの異世界ってわけじゃなさそうだ。
こんなものがあるってことは、おそらくは過去に相当な数の人間がこの世界に迷い込んだか、召喚されたかってところかね」
きっと、引き出したお金を、この国や世界の通過に換金できたりもする店があるんだろう、と思った。
さすがに、ATMから引き出したお金が、換金された状態で出てくる仕組みになっていることまでは彼にはわからなかったが。
「異世界か……
アニメや漫画じゃ簡単に異世界とひとくくりにされてるみたいだが、あれって、かなり、いや結構やんちゃな気もするよな……」
彼は、この世界が、自分のいた世界にとって何なのかについて考えていた。
彼は、神の存在や宗教、それに超能力といったものは信じてはいなかったが、広大な宇宙のどこかには、地球と同等かそれ以上の文明を持つ、知的生命体が存在する惑星はきっとどこかにあるだろうとは考えていた。
わざわざUFOに乗って、地球に偵察に来ている可能性は少ないだろうとは思っていたが。
しかし、ピラミッドやナスカの地上絵のような、当時の文明では到底作り得ないものが存在する以上、古代宇宙飛行士と呼ばれる、外宇宙の高度な文明を持つ惑星から古代の地球にやってきた者がいた可能性は否定できない。
それを考えればUFOの存在も否定できない。
だから、まず最初に考えたのは、そこが外宇宙の別の惑星だということだ。
そして次に考えたのは、マルチバース。多元宇宙だ。
手っ取り早く説明するなら、ドラゴンボール超のような、宇宙は悟空たちがいる地球がある宇宙ひとつだけではなく、複数の宇宙が存在する、という考え方だ。
似たような宇宙もあれば、全く異なる宇宙もある。
この世界が別の宇宙の地球という可能性は十分にあるように思えた。
そして次に考えたのは、彼がいた宇宙が一度終わりを迎え、新たな宇宙が始まり、今彼がいるのは新たな宇宙の新たな地球という可能性だった。
これも手っ取り早く説明するなら、六部までのジョジョと七部からのジョジョのような関係だ。
この場合、逆の場合も十分にありえると思った。
そして最後に考えたのは、この世界が科学文明ではなく魔法文明が発達したパラレルワールドかもしれない、という考えだった。
そうなると、おそらく他にも錬金術や蒸気機関などが発展したパラレルワールドが無数に存在する可能性が出てくるわけだが。
「レンジの奴もここにいるのかね……
どう見てもこの町にはいなさそうだけど」
少年の名は、大和ショウゴ(やまと しょうご)といった。
「化け物がいるってことは、とりあえず何か武器になるもんが必要だな」
ショウゴは、町中に転がる死体をさほど気にせず、踏みつけて歩いた。
しかし、お気に入りの靴なのか、靴が汚れると舌打ちをした。
その靴は、流行りの Supreme というブランドのものに形がよく似てはいたが、Super me というロゴが入っている安物だった。
そして、彼は、偶然か必然か、1週間ほど前に彼の友人も訪れた魔装具店へと入った。
店の壁に貼られていた、写真のようでもあり絵のようである奇妙な貼り紙に描かれた人物に、彼は見覚えがあった。
この店の店主は、よほどその貼り紙の男が嫌いだったのだろう。
その顔には、額に「にく」と描いたり、チャップリンのようなヒゲの落書きがされていた。
貼り紙の男は、大賢者ブライ・アジ・ダハーカであるという。
ショウゴが生まれ育った世界では、つい先日まで行われていた合衆国の大統領選挙で、次期(第56代)大統領が決まったばかりだった。
現職のマクドナルド・トランポリン大統領を圧倒的な大差で破った、その次期大統領の名前が、ブライ・アジ・ダハーカ。
ふたりのブライは、全く同じ顔、同じ名前であった。
茶色に染めた短髪をワックスで無造作に遊ばせ、両耳や唇にはいくつもピアスがついていた。
背は180センチほどあり、ブレザーの制服にパーカーを合わせお洒落に着崩していた。
そこは、一週間ほど前に、リバーステラからの一万人目の来訪者がやってきた場所であり、一万人目の来訪者を持って閉じられたゲートが存在した場所であった。
無論そのことを、少年は知らない。
ゲートは、扉の形をしていない。
ゲートとは、ゆらぎだ。
少年はその日、体育の授業に出るのが嫌で、体調が悪いと言って保健室で一時間仮眠をするか、適当な理由をつけて早退するか悩んでいた。
そして、どちらにせよ理由を考えるのは面倒だと気づき、無断で早退した。
電車通学だった彼は、家の最寄り駅に着いた後、徒歩で帰宅する途中、真夏に景色がゆらいで見えることがあるように、真冬の景色がゆらいで見えていたのがとても不思議で、誘(いざな)われるようにして、そのゆらぎを通り抜けた。
そして、通り抜けた先は、彼が住んでいた日本の町並みとは明らかに違う、中世ヨーロッパのような街並みが広がっていた。
しかし、その街並みには無数の死体が転がっていた。
人の死体だけではない。
動物の死体や、魔物や化け物としか呼びようのない存在の死体がところせましと並んでいた。
「なるほどね。
これが日本だけで一年に数万人もいるらしい行方不明者の、大多数を占めると言われている『神隠し』の正体ってところか」
彼の小学生時代の友人は、一週間ほど前に行方不明になっていた。
その友人だけではなく、その父親もまた11年前に行方不明になっていた。
彼は、中学からは私立のエスカレーター校に通っていたため、その友人とはすっかり疎遠になってしまっていたが、数日前にテレビのニュースで行方不明になっていることを知った。
警察は、家出の可能性と、事件や事故に巻き込まれた可能性があるとし、捜査をしているということだった。
しかし、家出の可能性は絶対にないと、少年は思っていた。
その友人には、目に入れてもかわいくないほどに溺愛していた、5つ年下の妹がいたからだ。
彼にも2つ年下のガッツリ腐女子な妹がいたから、断言できた。
彼にはオタク趣味はなかったが、一緒にアニメを観るくらいには仲が良かったからだ。
BL同人誌を買いに行く際に、荷物持ちとしてコミケに連れていかれたり、それを勧めてくるだけでなく感想まで求めてくるのは困ったものだったが、かわいい妹だった。
いくら友人の家庭環境が若干複雑とはいえ、まだ小学6年の妹を残して家出をするとは、同じ兄としてどうしても思えなかったのだ。
「どう見ても異世界だな。
よくある、剣と魔法のファンタジーの世界ってところかね……
異世界転移ってやつか? リゼロ? ってアニメみたいに」
レムちゃんやラムちゃんみたいなかわいいメイドとの出会いは大歓迎だっちゃが、何回も死んでは戻って、なんてのを繰り返したりしなくてすむといいんだけど、と彼は思った。
しかし、少年の目の前には、どう見てもATMにしか見えないものが存在した。
もっとも彼はATMを利用できるカードを持ちあわせてはいなかったが。
「ただの異世界ってわけじゃなさそうだ。
こんなものがあるってことは、おそらくは過去に相当な数の人間がこの世界に迷い込んだか、召喚されたかってところかね」
きっと、引き出したお金を、この国や世界の通過に換金できたりもする店があるんだろう、と思った。
さすがに、ATMから引き出したお金が、換金された状態で出てくる仕組みになっていることまでは彼にはわからなかったが。
「異世界か……
アニメや漫画じゃ簡単に異世界とひとくくりにされてるみたいだが、あれって、かなり、いや結構やんちゃな気もするよな……」
彼は、この世界が、自分のいた世界にとって何なのかについて考えていた。
彼は、神の存在や宗教、それに超能力といったものは信じてはいなかったが、広大な宇宙のどこかには、地球と同等かそれ以上の文明を持つ、知的生命体が存在する惑星はきっとどこかにあるだろうとは考えていた。
わざわざUFOに乗って、地球に偵察に来ている可能性は少ないだろうとは思っていたが。
しかし、ピラミッドやナスカの地上絵のような、当時の文明では到底作り得ないものが存在する以上、古代宇宙飛行士と呼ばれる、外宇宙の高度な文明を持つ惑星から古代の地球にやってきた者がいた可能性は否定できない。
それを考えればUFOの存在も否定できない。
だから、まず最初に考えたのは、そこが外宇宙の別の惑星だということだ。
そして次に考えたのは、マルチバース。多元宇宙だ。
手っ取り早く説明するなら、ドラゴンボール超のような、宇宙は悟空たちがいる地球がある宇宙ひとつだけではなく、複数の宇宙が存在する、という考え方だ。
似たような宇宙もあれば、全く異なる宇宙もある。
この世界が別の宇宙の地球という可能性は十分にあるように思えた。
そして次に考えたのは、彼がいた宇宙が一度終わりを迎え、新たな宇宙が始まり、今彼がいるのは新たな宇宙の新たな地球という可能性だった。
これも手っ取り早く説明するなら、六部までのジョジョと七部からのジョジョのような関係だ。
この場合、逆の場合も十分にありえると思った。
そして最後に考えたのは、この世界が科学文明ではなく魔法文明が発達したパラレルワールドかもしれない、という考えだった。
そうなると、おそらく他にも錬金術や蒸気機関などが発展したパラレルワールドが無数に存在する可能性が出てくるわけだが。
「レンジの奴もここにいるのかね……
どう見てもこの町にはいなさそうだけど」
少年の名は、大和ショウゴ(やまと しょうご)といった。
「化け物がいるってことは、とりあえず何か武器になるもんが必要だな」
ショウゴは、町中に転がる死体をさほど気にせず、踏みつけて歩いた。
しかし、お気に入りの靴なのか、靴が汚れると舌打ちをした。
その靴は、流行りの Supreme というブランドのものに形がよく似てはいたが、Super me というロゴが入っている安物だった。
そして、彼は、偶然か必然か、1週間ほど前に彼の友人も訪れた魔装具店へと入った。
店の壁に貼られていた、写真のようでもあり絵のようである奇妙な貼り紙に描かれた人物に、彼は見覚えがあった。
この店の店主は、よほどその貼り紙の男が嫌いだったのだろう。
その顔には、額に「にく」と描いたり、チャップリンのようなヒゲの落書きがされていた。
貼り紙の男は、大賢者ブライ・アジ・ダハーカであるという。
ショウゴが生まれ育った世界では、つい先日まで行われていた合衆国の大統領選挙で、次期(第56代)大統領が決まったばかりだった。
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