未来星人ぷぷるん VS 強襲! スク水星人 , 激神!! ブルマー星人 , 烈戦!!!女児服星人 , 未来星人絶滅計画!!!!

あめの みかな

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第5話「強襲!スク水星人ウル」前編

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 その日は、いつもと変わらない朝だった。

 ぷぷるんがレイタの布団にもぐりこんで、「レイタ~、ぬくぬくするのだ~♡」と甘え、レイタが「だから布団に入るなって言ってるだろ!」と顔を真っ赤にして突き飛ばし、マヒルが朝のチャイムと共に玄関ドアを全力で蹴って登場する、
 そんな、いつも通りのドタバタな朝。

 だが、そんな「いつも」が、一瞬で終わりを告げた。

 ドォーーーーンッ!!

 雷のような轟音とともに、空が引き裂かれたのだ。

「な、なに今の!?」

 マヒルが慌てて窓を開けて空を見上げた。雲を突き抜けて降下してくる、青白い閃光――

「あれ……もしかして、女の子……?」

 その中心にいたのは、ひとりの少女だった。

 茶髪のショートヘア、長いまつ毛に縁取られた大きな瞳、そして小麦色の肌にぴっちりと張り付く……

「なんでスクール水着なの……?」

 そう、その少女はスクール水着を着ていた。
 胸元に白い布が縫い付けられており、名前らしきものが書かれているように見えた。だが、見たことのない文字だった。
 だから、宇宙人だということはすぐにわかった。

「あぁ、あれだけこんがり日焼けしてたら、裸になったときに日焼けしてるとことしてないとこのコントラストがエロいだろな……」

「レイちゃん、今のは絶対おばさんに告げ口するからね?」

「やめてください。お願いします」

 スクール水着を着た少女の背中には、空を飛ぶためのジェットウイングとでも言うべき機械の翼がついていた。
 おそらくただ空を飛ぶためのものではないのだろう。ぷぷるんのナンゴヤージョのような宇宙用の強化外骨格だ。その証拠に腕や脚に装着された機械にはケーブルのようなものがあり、背中の翼に繋がっていた。
 腕の機械には大砲のようなものがついていた。もちろんただの大砲というわけではないだろう。ビーム砲か、あるいはレールガンか。それ以上のレイタには想像もつかないような大量破壊兵器かもしれなかった。
 その少女の表情は冷たく、まるで機械のように無機質だった。

「……発見、未来星人ぷぷるん」

「うっ、ウルなのだ……!?」

 ぷぷるんの顔が強ばる。明らかに、ただ事ではない様子だった。

「知り合いか?」

「ぷぷるんちゃんのお友達?」

「知り合いだけど、友達ではないのだ……あいつは、ぷぷるんの宿敵……スク水星人三姉妹の三女、ウルなのだ!」

「スク水星人!? なにそれ……日常的にスクール水着を着てる星があるの!?」

「あるのだ……スク水星人は女の子もオジサンもみんなスク水着てるのだ……」

「やべー星だな、おい」

「ってか、なんで戦闘態勢なの!?」

 レイタとマヒルのツッコミも追いつかない。

 スク水星人ウルは、音もなくレイタの家へとゆっくりと舞い降りてきた。

「まずいのだ……ぷぷるんの居場所がバレてるのだ……」

 ウルは音もなくレイタの家の庭に降り立つと、窓の向こうから冷たい目でレイタとマヒルを一瞥した。

「排除対象外の地球人が2名。非武装。無視しても構わないと判断」

「おいおい! 俺たちは蚊帳の外ってか!?」

 レイタはぷぷるんをかばうようにして前に立ったが、

「ぷぷるん、ここで決着をつける。あなたは我らの掟を破った。制裁の時」

 スク水星人の視界には全く入っていないようだった。

「制裁って……なにしたの!? ぷぷるんちゃん」

 マヒルが問いかけると、ぷぷるんは涙目になりながら叫んだ。

「ぷぷるん、スク水星人三姉妹との女子会で、ポテチの最後の一枚、勝手に食べたのだぁぁぁ!!」

「理由しょうもな!!」

 だが、スク水星人の目はガチだった。

「掟は掟。覚悟を」

 バシュッ! 腕の大砲から青いレーザーが発射された。

「なっ!? レーザーだと!!?」

 レイタにはすぐに反応することは出来なかった。しかし、ぷぷるんはすかさず「へぶぅっ!」レイタを壁に向かって蹴り飛ばし、スク水星人の攻撃を跳躍してかわした。

「ぎゃあああああっ!」

 かわしたはずなのに、彼女は悲鳴を上げた。

「どうした、ぷぷるん? 今のレーザーにやられたのか?」

 自分のせいで彼女にレーザーが当たってしまったのかもしれない。レイタはそう考えた。だが、ぷぷるんには怪我はなかった。

「レイちゃん、あれ見て……」

 マヒルが指を指した場所を見て、レイタは絶句した。

「レイタのおうちが焦げちゃったのだぁ~!」

 それは焦げているなんていうレベルの話ではなかった。

「ちょっと待て!! 俺の家で戦うなああああっ!! 窓は溶けてるし、家ん中めちゃくちゃじゃねーか!」

 リビングの窓が溶け、家の柱がえぐれ、壁に穴が開き、天井や床が燃えていた。
 レイタは頭を抱えて絶叫したが、しかしスク水星人は攻撃は止まらなかった。

「ぶぅうるるるるらああああああああ!!」

 ぷぷるんは美少女とは思えないそんな叫び声を上げながら、冷蔵庫から取り出した冷凍たこ焼きを投げつけた。だがスク水星人は顔ひとつ動かさず、それを真っ二つに斬り裂く。
 叫び声から一瞬なんだかすごい技を出したような気がしたが、ぷぷるんはただ冷凍たこ焼きを袋ごと投げただけだった。だから、直撃していたとしてもきっとノーダメージだっただろう。

「無意味」

 ビシュンッ! また一発、レーザーが発射される。

「くっ……ぷぷるんの、エネルギーがもう……」

「え? エネルギー? もしかしてお前、充電式なのか?」

「おなかがすいたのだ~!」

「さっき朝飯食べただろ!?」

「未来星人はトースト1枚じゃ足りないのだ……」

 絶体絶命。
 かと思われた、その瞬間。

「どけっ、ぷぷるん!」

 ドンッ!!

 レイタが飛び出して、再びぷぷるんをかばうように立ちはだかった。

「ウル、だったか? こいつは俺ん家の居候だ。勝手に他人の家を壊して、勝手にうちの居候の命狙ってんじゃねえ!」

「排除対象拡大。貴様もそちらの三つ編み眼鏡巨乳も排除する」

「三つ編み眼鏡巨乳……悪口でも褒め言葉でもないはずなのに、なんだかめちゃくちゃ馬鹿にされてる気がする……」

 マヒルがうなだれ、スク水星人の目が光った瞬間、レイタの左目の眼帯が、ふいにほどけて宙を舞った。

 眼帯の下に見えたのは、紋章のような光を宿す奇妙な瞳。

「……な、に……?」

 スク水星人の攻撃が、止まった。
 ただのフェイクで、そういうコスプレ用のカラコンをしていただけだったのだが。
 だが、それで十分だった。
 その隙を逃さず、ぷぷるんがスク水星人の懐に飛び込んでいたからだ。
 そして、彼女は叫んだ。

「ぷぷるんスペシャルぷちバズーカ!!」

 ズドォン!!

 大層な名前がついた技だったが、ナンゴヤージョが壊れてしまっていたぷぷるんの攻撃方法は拳だった。
 要するに「ぷぷるんスペシャルぷちバズーカ」という名のただのパンチだった。
 しかし、その攻撃力はすさまじいものだったらしい。
 スク水星人のみぞおちに拳がめり込んだ。

「グボアーッ!!!」

「今のはナンゴヤージョの分なのだ! そして次は、レイタたちの学校の分なのだーっ!!」

「いや、学校とか街とか壊したのはお前じゃん……」

「ぷぷるんスペシャルぷちタイガーアパカーッ!!!」

 ボディーブローからのアッパーカット。そんな、決してコンボにはならなさそうなコンボが決まり、ぷぷるんの拳は、まるで龍や虎がスク水を切り裂くように登り、スク水星人のアゴに入った。
 そして、その体は天井につくどころか、勢い余って天井を吹き飛ばしていた。

 2階から落下してきたスク水星人は煙の中に倒れ込み、ようやく戦いは終わった。


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