未来星人ぷぷるん VS 強襲! スク水星人 , 激神!! ブルマー星人 , 烈戦!!!女児服星人 , 未来星人絶滅計画!!!!

あめの みかな

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第9話「長女、ミズキ襲来!」上

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 快晴の昼下がり。
 レイタの家の前に、静かに立つひとりの少女がいた。
 その少女は肩までの黒髪ボブ、無表情だが美しい顔立ち、そしてやっぱりスク水。カーディガンを羽織り、両手をそのポケットに突っ込んでいた。

 ピンポーン。
 玄関のチャイムが鳴る。ボタンを押したのはもちろんその少女だった。

 金属の板に小さな玉を打ちつけ、かん高い音を出すフレクサトーンという打楽器がある。
 リビングにいたぷぷるんの頭に、キロカロキローン! と、その楽器で鳴らされたような音が鳴り、

「……ついに奴が来たのだ」

 彼女は急に真顔な顔をした。

「なんだ? 一体何の話だ?」

「ぷぷるんは察知したのだ。玄関の前に奴がいるのだ」

「あぁ、昨日ア○ゾンで頼んだやつが来たんだな。ノンカフェインのインスタントコーヒーの詰め替え用のやつ」

 いや、それにしてはおかしいとレイタもすぐに気づいた。数年前からア○ゾンの配送は置き配指定に設定していたからだ。ドアの前の宅配ボックスに、ただ入れるだけでいい。宅配ボックスには鍵などかけたりもしていない。配送業者はわざわざチャイムなど鳴らす必要などないはずだった。

「出ちゃだめなのだ、レイタ。スク水星人三姉妹の長女、『蒼い稲妻のミズキ』が来たのだ……」

「やけに日本人みたいな名前だな……ひとりだけ名前に統一感なくね? しかも二つ名まであるのか。さすが長女だな。てか、ス○ップ?」

「二つ名ならお姉ちゃんだけじゃなくてボクにもあるぞ。『黄身色重いのウル』だ!」

「卵黄の色が濃いんだな、ウルは……」

「ちなみにわたしは、『世界にひとつだけのルゥ』だ」

「それはもう、カレーの話だろ!?」

「三人合わせて、」

「どうせ『紺色の三連星』とか呼ばれてたんだろ?」

「いや、『ズッコケ三姉妹』とか『メイガス三姉妹』呼ばれてた……」

「そうか……それは大変だったな……早くデルタアタックが使えるようになるといいな……」

 レイタが玄関に向かうと、ぷぷるんやウル、ルゥも後ろをついてきた。
 ドアを開けると、そこにいたのはまるで能面のような表情の少女だった。

「こんにちは。スク水星人三姉妹、長女のミズキです」

 ぷぷるんの予想通りミズキと名乗った少女は、ペコリと頭を下げると顔を上げ、

「あなたが在経レイタ(ありふ れいた)さんですね? いつも妹のルゥとウルがお世話になっております」

 もう一度頭を下げた。

「嘘だろ……問答無用で襲いかかってきた妹ふたりと違って、ちゃんと自己紹介するし、めっちゃ丁寧なんだが!? ……あ、いや、はい、俺がレイタです。こちらこそ、妹さんたちにはお世話になって……なかったわ。主に迷惑をかけられてるので、連れ帰ってもらえますか?」

「あはは、やっぱり」

 ミズキはクスクスと笑ったが、次の瞬間には、

「でも、それは無理です」

 また能面のような表情に戻っていた。

「え?」

 自己紹介こそ丁寧だった彼女だったが、「おじゃまします」とも言わず無言のまま家の中に上がってきた。
 しかしなぜか脱いだ靴をきっちりと揃える几帳面さはあった。とてもルゥやウルと同じスク水星人とは思えなかった。
 スク水さえ着ていなければ、だったけれど。
 あと顔がそっくりすぎて、どこからどう見ても姉妹だった。

「こたつ、ありますか?」

「え、今4月だけど……少し前に片付けたよ?」

「………………………………………………………」

 無言の圧が凄かった。まるで、こたつがないことの方がおかしいかのような圧だった。
 丁寧さと失礼さが交互にやってきているあたり、やはり彼女もぷぷるんやウルやルゥと同じで、地球というか、この国のことをまだよく知らないのだなとレイタは思った。特定の分野だけ何故か詳しすぎることもあったけれど。

 今年は1月の始めにはもうスギ花粉が飛び始めており、レイタもマヒルも高校受験前のラストスパートの時期に人生初の花粉症が始まったり、2月や3月にはまるで夏日のような気温になる日もあった。かと思えば次の日には冬の寒さに戻ったりもし、なかなかいつコートや冬物の服を片付けていいのかわからなかった。
 4月も半ばを過ぎ、だいぶ安定して暖かくなってきてはいたが、それでもホットカーペットくらいはつけようかなという日はまだあった。だが、さすがに暖房やこたつはいらないだろうと、こたつ用のふとんやら毛布やらは片付けてしまっていた。

「もう一度お訊ねしますが、こたつはありますか?」

「だから、今はもう4月だから……少し前に片付けちゃったんだって」

「………………………………………………………」

 やはり、無言の圧が凄かった。
 どうやら、こたつを出さないとこの圧とやりとりは永遠に続くらしい。

「出します出します! いますぐ出しますんで!! 皆の者、こたつを出せいっ! スク水星人三姉妹の長女、ミズキ様のご来訪であーる!!」

 ミズキにすっかり気圧されたレイタはぷぷるんたちに指示を出し、リビングにすぐさまこたつを展開した。
 こたつの完成を見届けると、彼女はリビングにスッと入ってきた。
 こたつに入るなりミズキがどこからか取り出したのは──

「将棋、やりませんか?」

 将棋盤と駒のセットだった。


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