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序章
第0話 伝承
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緑と魔法の国、ガルディア。
かの大国には伝説となっている美しい眠り姫がいる。
それはむかしむかしのおとぎ話。
アークリッド王の妃、イルーシャ姫は月光のような淡い金の髪と、青い月のような瞳をしたそれは美しい姫君だった。
王とイルーシャ姫はそれは仲睦まじく、お互いを思い合って穏やかな時を過ごしていた。
しかしある時、姫君は横恋慕した悪しき魔法使いに呪いをかけられ、長き眠りについてしまう。
どうにかして姫の呪いを解こうとした王だが、その方法を知っているのは呪いをかけた魔法使いだけ。しかし、呪いが成就した魔法使いはそれに満足したのか、それ以来姿をくらましたまま行方が知れない。
王は昏々と眠るイルーシャ姫をかき抱き、絶望に嘆き哀しんだ。
その後、優れた魔法使いでもあったアークリッド王は月読の塔に姫の身を移し、かの王以外誰も近寄ることが出来ないように魔法をかけた。
王は姫が眠りについてからも以前と変わらず足繁く彼女の元へと通い、それは王が退位して死につくまで続いたという。
ガルディア王国の月読の塔に今も姫は眠る。
吟遊詩人達は詠う。
姫君は長い年月をかけて再び半身たる王と出会うことを夢見ているのだと──
かの大国には伝説となっている美しい眠り姫がいる。
それはむかしむかしのおとぎ話。
アークリッド王の妃、イルーシャ姫は月光のような淡い金の髪と、青い月のような瞳をしたそれは美しい姫君だった。
王とイルーシャ姫はそれは仲睦まじく、お互いを思い合って穏やかな時を過ごしていた。
しかしある時、姫君は横恋慕した悪しき魔法使いに呪いをかけられ、長き眠りについてしまう。
どうにかして姫の呪いを解こうとした王だが、その方法を知っているのは呪いをかけた魔法使いだけ。しかし、呪いが成就した魔法使いはそれに満足したのか、それ以来姿をくらましたまま行方が知れない。
王は昏々と眠るイルーシャ姫をかき抱き、絶望に嘆き哀しんだ。
その後、優れた魔法使いでもあったアークリッド王は月読の塔に姫の身を移し、かの王以外誰も近寄ることが出来ないように魔法をかけた。
王は姫が眠りについてからも以前と変わらず足繁く彼女の元へと通い、それは王が退位して死につくまで続いたという。
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姫君は長い年月をかけて再び半身たる王と出会うことを夢見ているのだと──
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