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第五章:銀の王と月読の塔の姫君
第66話 赦し
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酷い、酷い、こんなのって──
アークに会える手段を絶たれてしまったわたしは、しばらくの間泣いて過ごした。
見かねたらしいカディスとキースが三日目に訪ねてきたけれど、わたしはその原因を作った二人にとても会いたいとは思えなかった。
ユーニスには二人に引き取ってもらうように言ったけれど、国王権限を使ったカディスに無理矢理押し切られてしまった。
わたしのいる寝室に無遠慮に入ってきたカディスは苛立ちと困惑の間の表情をして言ってきた。
「イルーシャ、いつまでそうしているつもりだ。このままではおまえが衰弱してしまう」
カディスの言う通り、一日のほとんどを寝室で泣きはらしていたわたしは、食事もまともにとってはいなかった。
確かにこうしていてもなんの益もないことは分かっている。
けれど、アークともう会えないかと思うとなにもする気にはなれなかった。
「……だったら、わたしをあの場所に戻して」
わたしがそう言うと、カディスとキースが顔をしかめた。
「それは出来ないよ。あれは奇跡と呼ぶしかない確率で起こったことだ」
「奇跡なんかじゃないわ。あれは必然なの。わたしはアークに会うためにこの世界に戻ってきたの」
「……それはどういうことだ、イルーシャ」
不可思議なことを聞いたという顔で、カディスが尋ねてくる。キースもわたしの次の言葉を促すように見つめてきた。
それでわたしは素直に、わたしが元々この世界の住人であったこと、死に別れた恋人の生まれ変わりがアークであったことを二人に告げた。
それをカディスとキースは驚きを隠せないような面もちで聞いていた。
荒唐無稽な話だとは自分でも思っている。けれど、それを二人に信じて貰えなくても構わなかった。巡り巡ってアークに出会えたことが、わたしにとってはただ一つの真実だったから。
「転生を繰り返して、ようやく会えたのよ。……それがどうして五百年前ではなくて、この時代に舞い戻ってきたのかは分からないけれど──」
わたしはそこまで言って堪えきれなくなり、二人の前で涙を流してしまった。
……本当に戻ってきたのがどうしてこの時代だったのだろう。
普通にアークの時代に帰れていれば、なんの障害もなかったのに。
「……けれど、君が戻ってきたのは紛れもないこの時代だ。君の願いを許したらガルディアの歴史が変わってしまう」
厳しい表情でキースにそう言われて、わたしは断罪されているような気分に陥り、思わずびくりと体を震わせてしまった。
「それは……、分かっていたわ。わたしのしていることがとても罪深いものだということも。それでもわたしはアークとの子を生むつもりだったわ。そうしたら、あなた達の存在を消してしまうことになってしまうのも全部わたしは理解していたの」
「イルーシャ、おまえは……っ!」
自分の罪を告白するわたしにカディスがかっとしたように詰め寄る。それをキースが片手で遮った。
──ああ、この裏切りに、カディスはわたしを殺すかしら。
……いっそ、そうなればいい。そうすればわたしはきっと楽になれる。
死ねばわたしはアークの傍にいけるかしら……?
「わたしは大罪人よ。カディス、わたしに死をもって償わせて」
「イルーシャ!」
「ふざけるな、イルーシャ。そんなことを俺が許すと思うか」
夢見心地でいたわたしに、カディスが呻くように言った。
「来い」
カディスが踏み込んで、わたしの腕をとろうとしたけれど、それはなにかに弾かれた。
……あ、そういえば、カディスがわたしに手を出さないようにキースに防御魔法をかけているんだったかしら。
それに一つ舌打ちすると、カディスはキースに命じた。
「キース、例の場所へ移動しろ。このふざけた女に現実を突きつけてやる」
その口調の荒さにわたしの胸が痛んだ。
「──分かった」
キースも言葉には出さないけれど、きっとカディスと同じ気持ちなのだろう。
さんざん世話になっておきながら、それを仇で返したわたしは最悪すぎるもの。
……けれど、例の場所って……?
そう思う間もなく、キースの移動魔法によって、わたし達はほの暗い場所に出た。
大理石で出来た空間──来たことはなかったけれど、わたしはここがガルディア王族の霊廟だと気が付いた。
「あ……」
痺れるように言葉をなくしたわたしをカディスが相変わらず厳しい目で見つめている。
「アークリッド王の墓標……ああ、ここだね」
キースに強制的に連れてこられて、わたしは耐えきれなくなってわたしは叫んだ。
「やめて! わたしは見たくない!」
あれからのアークの人生が伝承通りになっているかもしれないなんて考えたくもない。
「見るんだ」
キースに無理矢理墓標の前に立たされて、わたしはやむなくそこに刻まれた文字を読んでいく。……ああ──
わたしはとても立っていることが出来ずに、その場にくずおれた。
そして溢れる涙がアークの墓標を濡らしていく。
「……あんなに約束したのに──」
結局アークはわたしを月読の塔に封印したのだわ。
あなたにはもっと生きていて欲しかったのに、守ってくれないなんて酷すぎる。
そして、反故にされた約束の証明は五百年の時を越えて、今わたしの前にある。
「アーク、アーク、アーク……」
わたしは彼の墓標に頬を寄せる。
その冷たさが、アークを本当に喪ったことをわたしに伝えてきた。
──イルーシャ。
わたしをそう呼ぶ愛しい声はもうない。
愛しいあの人がわたしに優しく笑いかけることも。
ここに残っているのは、魂のない彼の遺骸だけ。わたし達はまた離れ離れになってしまったのだ。
わたしはアークの墓標に縋りついて慟哭する。
それをカディスとキースがなにも言わず見守っていてくれた。
あれから数日がたって、わたしはいくらか立ち直ってきたように思う。
彼を喪った哀しみはまだ癒えない。それは、そう簡単に癒えるものでもない。
現実は厳しすぎるけれど、罪を負ったわたしは、それに目を背けてはいけないのよね……?
「イルーシャ様、またあの場所へ行かれるのですか」
白い薔薇の花束を抱えて霊廟へと向かう途中、ブラッドとヒューに出会った。
師団舎から王宮への道とは離れているので、わたしがここを通るのを待っていたのかもしれない。
「……ええ。そういえば、前にお花を貰ったわね。ブラッド、ヒュー、ありがとう」
静かに微笑むと、二人は息を呑んでわたしを見つめてきた。
「……本当に変わられましたね」
やがて気を取り直したように、ヒューがそう言ってきた。ブラッドもなんだか複雑そうな顔をしている。
彼らからしたら、それはそうだろう。
求婚していた女が数日の間にそれまでとまったく違った存在になってしまったのだから。
「──二人とも、ごめんなさいね」
わたしは曖昧な笑みを浮かべて、小首を傾げる。
わたしは、あなた達が愛したあの頃のイルーシャじゃない。
わたしのその言葉の意味を理解したのか、二人が絶句して立ち尽くした。
わたしはその脇を通り抜けると、アークの遺骸を安置している霊廟へと向かった。
「アーク、またあなたに会いに来たわ」
わたしはアークの棺に薔薇の花束を供えると、彼の墓標の前にひざまずき、そこへ頬を寄せた。そこにはこう刻まれている。
第十七代ガルディア国王アークリッド・エリアス・ディレグ・ガルディア、ここに眠る。享年三十四歳──
短い間だったけれど、あなたに会えて嬉しかった。本当はあなたとの子を生みたかったけれど、結ばれることが出来ただけでも良かったのかもしれない。
……けれど、いつかまたあなたと同じ時に転生したらその時こそはあなたの子を授かりたい。でも──
「アーク、あなたの子を生めなくてごめんなさい」
その結果、今の王族の血脈が残ったのだから、わたしは恐ろしいことをしなくて済んだのだけれども、それでもそのことだけは悔やんでやまない。
他でもない、あなたがそう望んだことだから──
涙が墓標を濡らしていく。
いつの間にか、上から柔らかい光が射し込んで、白い花びらがまるでわたしを慰めるかのように降り注いできた。
──ああ、たぶんキースだわ。
わたしの罪深さを清めるように幻想的に光の中を花びらが舞い散る。
赦しのようなそれを受けながら、わたしはしばらくアークを想い、涙を流し続けていた。
アークに会える手段を絶たれてしまったわたしは、しばらくの間泣いて過ごした。
見かねたらしいカディスとキースが三日目に訪ねてきたけれど、わたしはその原因を作った二人にとても会いたいとは思えなかった。
ユーニスには二人に引き取ってもらうように言ったけれど、国王権限を使ったカディスに無理矢理押し切られてしまった。
わたしのいる寝室に無遠慮に入ってきたカディスは苛立ちと困惑の間の表情をして言ってきた。
「イルーシャ、いつまでそうしているつもりだ。このままではおまえが衰弱してしまう」
カディスの言う通り、一日のほとんどを寝室で泣きはらしていたわたしは、食事もまともにとってはいなかった。
確かにこうしていてもなんの益もないことは分かっている。
けれど、アークともう会えないかと思うとなにもする気にはなれなかった。
「……だったら、わたしをあの場所に戻して」
わたしがそう言うと、カディスとキースが顔をしかめた。
「それは出来ないよ。あれは奇跡と呼ぶしかない確率で起こったことだ」
「奇跡なんかじゃないわ。あれは必然なの。わたしはアークに会うためにこの世界に戻ってきたの」
「……それはどういうことだ、イルーシャ」
不可思議なことを聞いたという顔で、カディスが尋ねてくる。キースもわたしの次の言葉を促すように見つめてきた。
それでわたしは素直に、わたしが元々この世界の住人であったこと、死に別れた恋人の生まれ変わりがアークであったことを二人に告げた。
それをカディスとキースは驚きを隠せないような面もちで聞いていた。
荒唐無稽な話だとは自分でも思っている。けれど、それを二人に信じて貰えなくても構わなかった。巡り巡ってアークに出会えたことが、わたしにとってはただ一つの真実だったから。
「転生を繰り返して、ようやく会えたのよ。……それがどうして五百年前ではなくて、この時代に舞い戻ってきたのかは分からないけれど──」
わたしはそこまで言って堪えきれなくなり、二人の前で涙を流してしまった。
……本当に戻ってきたのがどうしてこの時代だったのだろう。
普通にアークの時代に帰れていれば、なんの障害もなかったのに。
「……けれど、君が戻ってきたのは紛れもないこの時代だ。君の願いを許したらガルディアの歴史が変わってしまう」
厳しい表情でキースにそう言われて、わたしは断罪されているような気分に陥り、思わずびくりと体を震わせてしまった。
「それは……、分かっていたわ。わたしのしていることがとても罪深いものだということも。それでもわたしはアークとの子を生むつもりだったわ。そうしたら、あなた達の存在を消してしまうことになってしまうのも全部わたしは理解していたの」
「イルーシャ、おまえは……っ!」
自分の罪を告白するわたしにカディスがかっとしたように詰め寄る。それをキースが片手で遮った。
──ああ、この裏切りに、カディスはわたしを殺すかしら。
……いっそ、そうなればいい。そうすればわたしはきっと楽になれる。
死ねばわたしはアークの傍にいけるかしら……?
「わたしは大罪人よ。カディス、わたしに死をもって償わせて」
「イルーシャ!」
「ふざけるな、イルーシャ。そんなことを俺が許すと思うか」
夢見心地でいたわたしに、カディスが呻くように言った。
「来い」
カディスが踏み込んで、わたしの腕をとろうとしたけれど、それはなにかに弾かれた。
……あ、そういえば、カディスがわたしに手を出さないようにキースに防御魔法をかけているんだったかしら。
それに一つ舌打ちすると、カディスはキースに命じた。
「キース、例の場所へ移動しろ。このふざけた女に現実を突きつけてやる」
その口調の荒さにわたしの胸が痛んだ。
「──分かった」
キースも言葉には出さないけれど、きっとカディスと同じ気持ちなのだろう。
さんざん世話になっておきながら、それを仇で返したわたしは最悪すぎるもの。
……けれど、例の場所って……?
そう思う間もなく、キースの移動魔法によって、わたし達はほの暗い場所に出た。
大理石で出来た空間──来たことはなかったけれど、わたしはここがガルディア王族の霊廟だと気が付いた。
「あ……」
痺れるように言葉をなくしたわたしをカディスが相変わらず厳しい目で見つめている。
「アークリッド王の墓標……ああ、ここだね」
キースに強制的に連れてこられて、わたしは耐えきれなくなってわたしは叫んだ。
「やめて! わたしは見たくない!」
あれからのアークの人生が伝承通りになっているかもしれないなんて考えたくもない。
「見るんだ」
キースに無理矢理墓標の前に立たされて、わたしはやむなくそこに刻まれた文字を読んでいく。……ああ──
わたしはとても立っていることが出来ずに、その場にくずおれた。
そして溢れる涙がアークの墓標を濡らしていく。
「……あんなに約束したのに──」
結局アークはわたしを月読の塔に封印したのだわ。
あなたにはもっと生きていて欲しかったのに、守ってくれないなんて酷すぎる。
そして、反故にされた約束の証明は五百年の時を越えて、今わたしの前にある。
「アーク、アーク、アーク……」
わたしは彼の墓標に頬を寄せる。
その冷たさが、アークを本当に喪ったことをわたしに伝えてきた。
──イルーシャ。
わたしをそう呼ぶ愛しい声はもうない。
愛しいあの人がわたしに優しく笑いかけることも。
ここに残っているのは、魂のない彼の遺骸だけ。わたし達はまた離れ離れになってしまったのだ。
わたしはアークの墓標に縋りついて慟哭する。
それをカディスとキースがなにも言わず見守っていてくれた。
あれから数日がたって、わたしはいくらか立ち直ってきたように思う。
彼を喪った哀しみはまだ癒えない。それは、そう簡単に癒えるものでもない。
現実は厳しすぎるけれど、罪を負ったわたしは、それに目を背けてはいけないのよね……?
「イルーシャ様、またあの場所へ行かれるのですか」
白い薔薇の花束を抱えて霊廟へと向かう途中、ブラッドとヒューに出会った。
師団舎から王宮への道とは離れているので、わたしがここを通るのを待っていたのかもしれない。
「……ええ。そういえば、前にお花を貰ったわね。ブラッド、ヒュー、ありがとう」
静かに微笑むと、二人は息を呑んでわたしを見つめてきた。
「……本当に変わられましたね」
やがて気を取り直したように、ヒューがそう言ってきた。ブラッドもなんだか複雑そうな顔をしている。
彼らからしたら、それはそうだろう。
求婚していた女が数日の間にそれまでとまったく違った存在になってしまったのだから。
「──二人とも、ごめんなさいね」
わたしは曖昧な笑みを浮かべて、小首を傾げる。
わたしは、あなた達が愛したあの頃のイルーシャじゃない。
わたしのその言葉の意味を理解したのか、二人が絶句して立ち尽くした。
わたしはその脇を通り抜けると、アークの遺骸を安置している霊廟へと向かった。
「アーク、またあなたに会いに来たわ」
わたしはアークの棺に薔薇の花束を供えると、彼の墓標の前にひざまずき、そこへ頬を寄せた。そこにはこう刻まれている。
第十七代ガルディア国王アークリッド・エリアス・ディレグ・ガルディア、ここに眠る。享年三十四歳──
短い間だったけれど、あなたに会えて嬉しかった。本当はあなたとの子を生みたかったけれど、結ばれることが出来ただけでも良かったのかもしれない。
……けれど、いつかまたあなたと同じ時に転生したらその時こそはあなたの子を授かりたい。でも──
「アーク、あなたの子を生めなくてごめんなさい」
その結果、今の王族の血脈が残ったのだから、わたしは恐ろしいことをしなくて済んだのだけれども、それでもそのことだけは悔やんでやまない。
他でもない、あなたがそう望んだことだから──
涙が墓標を濡らしていく。
いつの間にか、上から柔らかい光が射し込んで、白い花びらがまるでわたしを慰めるかのように降り注いできた。
──ああ、たぶんキースだわ。
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赦しのようなそれを受けながら、わたしはしばらくアークを想い、涙を流し続けていた。
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