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第八章:月読の塔の姫君
第94話 繰り言
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「イルーシャ様、防御壁短縮詠唱にだいぶ慣れてこられましたな」
「ありがとう」
あれから治癒魔法を習得し終えたわたしは、今度は防御壁と魔防壁の詠唱短縮をロズアルに教わっている。
こういう防御系の魔法は、いかに早く発動することが出来るかが命題でもあるので、呪文短縮を教われるのは大変ありがたい。
これを完璧に覚えてしまえば、万が一暴漢や誘拐犯に襲われても多少は安心できるかもしれない。……ただ、一般の魔術師に襲われたらどうなるかは分からないけれど、時間稼ぎくらいにはなるだろう。
けれど、あのウィルロー辺りがわたしを狙ってきたら、どうなるかは未知数なのよね。
できれば同じ轍を踏みたくはないけれど、たぶんもうあちらには仮初めのだとしてもわたしがキースの婚約者だということは分かり切っているだろうし。
「……」
「イルーシャ様、なにか?」
ロズアルが黙り込んだわたしを怪訝そうに見てくる。いけない、こんなことは彼らには言えないわ。ロズアル達や近衛騎士達を信じてないと言っているのも同じだし。
「ああ、ごめんなさい。少しぼんやりしてて」
「イルーシャ様、少しお疲れなのでは? ご無理はいけません。今日はこれでおしまいにしましょう」
ロズアルのその言葉で、わたしは自分が結構疲れていることに気が付いた。夜も過去視を使っての移動魔法を覚えることで遅くまで起きていることが多いし。
「……ええ、そうさせてもらうわ。ごめんなさいね、ロズアル」
ロズアルも忙しいのに面倒を見てもらっていて悪いのだけれど、わたしは素直に彼の言うことを聞くことにした。
「いえ、イルーシャ様はわたしのことなどお気になさらないでください。それでは、御前失礼いたします」
「ええ」
わたしは恐縮する彼を部屋の入り口で見送ると、小さく溜息をついた。
すると、その様子を見ていたシェリーが気遣うようにわたしに声をかけてきた。
「イルーシャ様、お茶を淹れますわね」
「ええ、お願い」
わたしは長椅子に腰をかけると、少し痛みを覚えるこめかみを揉みほぐした。
「イルーシャ様、大丈夫でございますか?」
「ええ、少し疲れただけよ。大丈夫だから」
お茶を出しながら心配そうに見つめてくるシェリーに微笑む。するとその時、部屋のドアがノックされた。
「……まあ、なんでしょう。イルーシャ様、失礼いたします」
「ええ」
シェリーが応対に出ると、それはマーティンを引き連れたカディスだった。
「イルーシャ、ロズアルからおまえが疲れているようだと報告があった。大丈夫か」
……心配してくれているのはありがたいけれど、カディスは執務中なのではないかしら。それに、その報告があってすぐに訪ねてくるなんて過保護にも程があるわ。
「ええ、少し疲れただけだから大丈夫よ。ありがとう」
カディスを執務室に帰したほうがいいかとちらりと頭を掠めたけれど、さすがにせっかく心配して来てくれたものをすぐに追い出すのは忍びないわよね。
わたしはカディスを部屋に入れるとシェリーにお茶を出してもらうように言った。
カディスはわたしの向かい側の長椅子に腰をおろすと、わたしをじっと見つめてきた。
「……顔色が少し悪いな」
「え、そう?」
自分ではそう思わなかったので、わたしは思わず頬に手を当てながらカディスに聞き返してしまった。すると、カディスが頷く。
「ああ。大病を患ったばかりなのだから無理はするな。それにかなり痩せてしまったしな」
カディスはなにを思ったか、菓子を盛った皿をわたしへ押し出してきた。どうやら食べろということらしい。
「おまえはもっと食べて、体力をつけないとな」
「……でも、太ってしまいそうだわ」
「なんだ、今まで食事制限をしたことがあるのか?」
意外なことを聞いたとばかりにカディスが眉を上げた。まあ、あれだけカディス達に餌付けされてたのだから驚くのも無理はない。
「いえ、ないけれど」
「それなら食べろ。なんなら俺が食べさせてやろうか」
「いえ、一人で食べるわよ」
すげなくそう返したら、カディスが残念そうな顔をした。
でも、アークにすらされたことないのに、そんなことを認めるわけにはいかないわ。
包み紙をほどいてわたしはしっとりした歯触りのお菓子をいただく。料理長自慢の一品であるこれは確かに絶品と言ってよかった。
「カディスも食べて。わたしだけいただいているのもなんだし」
「ああ、そうだな」
カディスは頷くとお菓子に手を伸ばした。
そしてしばらく二人とも無言でお茶を飲む。
シェリーは邪魔しては悪いと思ったのか、そっと部屋を出て行った。
「イルーシャ、何度も言うようだが、あまり根を詰めるな。……それともなにか心配事でもあるのか?」
内心の不安をカディスに言い当てられて、わたしは思わず彼を見返した。
「心配事……というか、わたしの杞憂かもしれないけれど、トゥルティエールのことが気になってるの」
すると、カディスが嫌なことを耳にしたというように顔をしかめた。
わたしが婚約したという話は諸国にも広まっているにも関わらず、相変わらずトゥルティエールの王太子はわたしに求婚し続けているという。
そこへ十中八九仕官しているであろうウィルローがなにか仕掛けてこないかと本当は心配でたまらなかった。
「……こんな時にキースがいてくれたら良かったのに」
「イルーシャ!」
思わず漏らしてしまった本音に、カディスが苛立ったように声を荒ららげる。それにわたしは思わず首を竦めてしまった。
「こんな時にまでやつの名を出すな。おまえはあいつに騙されたんだぞ」
怒りの表情でカディスが睨んできて、わたしは竦み上がりそうだったけれど、彼に反論した。
「でも、わたしは詳細を覚えていないし」
「望まない婚約誓約書を作らされただけでも充分だろう」
「それについては本人に直接文句を言いたいと思ってたのよ。カディス、キースの居所知らないかしら?」
カディスは一瞬呆気に取られていたけれど、次にはむっとして長椅子にふんぞり返った。
「知らん」
その様子に、カディスがへそを曲げてしまったことを感じて、わたしは小さく溜息をつく。
「あいつの有能さは認める。だが、どんなことがあっても俺はあいつを許さん」
「……あなた達はとても仲の良い従兄弟だったじゃない。それを……んんっ」
わたしは身を乗り出してきたカディスに口づけられて、無理矢理言葉を封じられてしまった。
「や、め……カ、ディス」
そこで一端、カディスは口づけをやめるとわたしの隣へ移動してきた。その目的は明らかだ。
カディスはびくりと身を震わすわたしの肩を押さえつけると長椅子に倒した。
「や……! カディス、なにを!」
「いっそこのままおまえを俺のものにしてしまおうか」
思い詰めたような瞳でカディスがわたしに再び口づけてくる。そしてその唇が首筋を通って、胸元まで降りてきた。
──このままでは本当にカディスのものにされてしまうかもしれない。
そう感じたわたしはとっさに助けを求めてしまった。
「いや! キース、助けて、キース!」
突然カディスの動きがびくりと止まり、彼はわたしを切なげに見つめてきた。
「……こんな時にさえ、おまえはあいつの名を呼ぶのか」
「あ……」
自分の発した言葉が信じられなくて、わたしは唇を両手で覆った。
わたしは今、アークではなくキースを呼んだ。なぜ──?
「──俺は戻る」
カディスは動揺しているわたしの上から退くと、不機嫌そうにそう言った。
「それではな。養生しろイルーシャ」
「カディ……」
部屋を出ていく彼を呼び止めようとして、わたしは止めた。これ以上彼の傷を深くしてどうするつもりなのか。
わたしはカディスを傷つけてしまったことに申し訳なさを感じて、深く溜息をついた。
それからわたしはキースから渡されたあるものの存在を思い出し、寝室に取りに行く。
それはウィルローに壊された後に、新たにキースから渡された呼び出し用の腕輪だった。
あれから使う間もなく、ベッドサイドテーブルの引き出しの奥底にしまわれていたけれど、効力を失っていなければわたしが呼び出したことはキースに伝わるだろう。
そして、わたしはキースに教わった通りの手順で彼を呼びだしてみた。……けれど、彼は現れず、ただ静寂のみが返ってくるのみだった。
やはり、もう駄目なのかしら──
わたしは妙な落胆を感じながらも、腕輪に向かって話し出す。
「キース酷いわ。あの誓約書はどうしたって破れないじゃないの。どうしてくれるの。トゥルティエールはわたしをまだ諦めていないし、カディス達を怒らせてしまうし、わたし、どうしたら──」
そう言っているうちに涙が溢れてきて止まらなくなってしまったわたしは、キースからもらった腕輪に幾粒も涙を落とした。
そして、わたしはその後も泣きながら「キースは酷い」と言い続けていた。
「ありがとう」
あれから治癒魔法を習得し終えたわたしは、今度は防御壁と魔防壁の詠唱短縮をロズアルに教わっている。
こういう防御系の魔法は、いかに早く発動することが出来るかが命題でもあるので、呪文短縮を教われるのは大変ありがたい。
これを完璧に覚えてしまえば、万が一暴漢や誘拐犯に襲われても多少は安心できるかもしれない。……ただ、一般の魔術師に襲われたらどうなるかは分からないけれど、時間稼ぎくらいにはなるだろう。
けれど、あのウィルロー辺りがわたしを狙ってきたら、どうなるかは未知数なのよね。
できれば同じ轍を踏みたくはないけれど、たぶんもうあちらには仮初めのだとしてもわたしがキースの婚約者だということは分かり切っているだろうし。
「……」
「イルーシャ様、なにか?」
ロズアルが黙り込んだわたしを怪訝そうに見てくる。いけない、こんなことは彼らには言えないわ。ロズアル達や近衛騎士達を信じてないと言っているのも同じだし。
「ああ、ごめんなさい。少しぼんやりしてて」
「イルーシャ様、少しお疲れなのでは? ご無理はいけません。今日はこれでおしまいにしましょう」
ロズアルのその言葉で、わたしは自分が結構疲れていることに気が付いた。夜も過去視を使っての移動魔法を覚えることで遅くまで起きていることが多いし。
「……ええ、そうさせてもらうわ。ごめんなさいね、ロズアル」
ロズアルも忙しいのに面倒を見てもらっていて悪いのだけれど、わたしは素直に彼の言うことを聞くことにした。
「いえ、イルーシャ様はわたしのことなどお気になさらないでください。それでは、御前失礼いたします」
「ええ」
わたしは恐縮する彼を部屋の入り口で見送ると、小さく溜息をついた。
すると、その様子を見ていたシェリーが気遣うようにわたしに声をかけてきた。
「イルーシャ様、お茶を淹れますわね」
「ええ、お願い」
わたしは長椅子に腰をかけると、少し痛みを覚えるこめかみを揉みほぐした。
「イルーシャ様、大丈夫でございますか?」
「ええ、少し疲れただけよ。大丈夫だから」
お茶を出しながら心配そうに見つめてくるシェリーに微笑む。するとその時、部屋のドアがノックされた。
「……まあ、なんでしょう。イルーシャ様、失礼いたします」
「ええ」
シェリーが応対に出ると、それはマーティンを引き連れたカディスだった。
「イルーシャ、ロズアルからおまえが疲れているようだと報告があった。大丈夫か」
……心配してくれているのはありがたいけれど、カディスは執務中なのではないかしら。それに、その報告があってすぐに訪ねてくるなんて過保護にも程があるわ。
「ええ、少し疲れただけだから大丈夫よ。ありがとう」
カディスを執務室に帰したほうがいいかとちらりと頭を掠めたけれど、さすがにせっかく心配して来てくれたものをすぐに追い出すのは忍びないわよね。
わたしはカディスを部屋に入れるとシェリーにお茶を出してもらうように言った。
カディスはわたしの向かい側の長椅子に腰をおろすと、わたしをじっと見つめてきた。
「……顔色が少し悪いな」
「え、そう?」
自分ではそう思わなかったので、わたしは思わず頬に手を当てながらカディスに聞き返してしまった。すると、カディスが頷く。
「ああ。大病を患ったばかりなのだから無理はするな。それにかなり痩せてしまったしな」
カディスはなにを思ったか、菓子を盛った皿をわたしへ押し出してきた。どうやら食べろということらしい。
「おまえはもっと食べて、体力をつけないとな」
「……でも、太ってしまいそうだわ」
「なんだ、今まで食事制限をしたことがあるのか?」
意外なことを聞いたとばかりにカディスが眉を上げた。まあ、あれだけカディス達に餌付けされてたのだから驚くのも無理はない。
「いえ、ないけれど」
「それなら食べろ。なんなら俺が食べさせてやろうか」
「いえ、一人で食べるわよ」
すげなくそう返したら、カディスが残念そうな顔をした。
でも、アークにすらされたことないのに、そんなことを認めるわけにはいかないわ。
包み紙をほどいてわたしはしっとりした歯触りのお菓子をいただく。料理長自慢の一品であるこれは確かに絶品と言ってよかった。
「カディスも食べて。わたしだけいただいているのもなんだし」
「ああ、そうだな」
カディスは頷くとお菓子に手を伸ばした。
そしてしばらく二人とも無言でお茶を飲む。
シェリーは邪魔しては悪いと思ったのか、そっと部屋を出て行った。
「イルーシャ、何度も言うようだが、あまり根を詰めるな。……それともなにか心配事でもあるのか?」
内心の不安をカディスに言い当てられて、わたしは思わず彼を見返した。
「心配事……というか、わたしの杞憂かもしれないけれど、トゥルティエールのことが気になってるの」
すると、カディスが嫌なことを耳にしたというように顔をしかめた。
わたしが婚約したという話は諸国にも広まっているにも関わらず、相変わらずトゥルティエールの王太子はわたしに求婚し続けているという。
そこへ十中八九仕官しているであろうウィルローがなにか仕掛けてこないかと本当は心配でたまらなかった。
「……こんな時にキースがいてくれたら良かったのに」
「イルーシャ!」
思わず漏らしてしまった本音に、カディスが苛立ったように声を荒ららげる。それにわたしは思わず首を竦めてしまった。
「こんな時にまでやつの名を出すな。おまえはあいつに騙されたんだぞ」
怒りの表情でカディスが睨んできて、わたしは竦み上がりそうだったけれど、彼に反論した。
「でも、わたしは詳細を覚えていないし」
「望まない婚約誓約書を作らされただけでも充分だろう」
「それについては本人に直接文句を言いたいと思ってたのよ。カディス、キースの居所知らないかしら?」
カディスは一瞬呆気に取られていたけれど、次にはむっとして長椅子にふんぞり返った。
「知らん」
その様子に、カディスがへそを曲げてしまったことを感じて、わたしは小さく溜息をつく。
「あいつの有能さは認める。だが、どんなことがあっても俺はあいつを許さん」
「……あなた達はとても仲の良い従兄弟だったじゃない。それを……んんっ」
わたしは身を乗り出してきたカディスに口づけられて、無理矢理言葉を封じられてしまった。
「や、め……カ、ディス」
そこで一端、カディスは口づけをやめるとわたしの隣へ移動してきた。その目的は明らかだ。
カディスはびくりと身を震わすわたしの肩を押さえつけると長椅子に倒した。
「や……! カディス、なにを!」
「いっそこのままおまえを俺のものにしてしまおうか」
思い詰めたような瞳でカディスがわたしに再び口づけてくる。そしてその唇が首筋を通って、胸元まで降りてきた。
──このままでは本当にカディスのものにされてしまうかもしれない。
そう感じたわたしはとっさに助けを求めてしまった。
「いや! キース、助けて、キース!」
突然カディスの動きがびくりと止まり、彼はわたしを切なげに見つめてきた。
「……こんな時にさえ、おまえはあいつの名を呼ぶのか」
「あ……」
自分の発した言葉が信じられなくて、わたしは唇を両手で覆った。
わたしは今、アークではなくキースを呼んだ。なぜ──?
「──俺は戻る」
カディスは動揺しているわたしの上から退くと、不機嫌そうにそう言った。
「それではな。養生しろイルーシャ」
「カディ……」
部屋を出ていく彼を呼び止めようとして、わたしは止めた。これ以上彼の傷を深くしてどうするつもりなのか。
わたしはカディスを傷つけてしまったことに申し訳なさを感じて、深く溜息をついた。
それからわたしはキースから渡されたあるものの存在を思い出し、寝室に取りに行く。
それはウィルローに壊された後に、新たにキースから渡された呼び出し用の腕輪だった。
あれから使う間もなく、ベッドサイドテーブルの引き出しの奥底にしまわれていたけれど、効力を失っていなければわたしが呼び出したことはキースに伝わるだろう。
そして、わたしはキースに教わった通りの手順で彼を呼びだしてみた。……けれど、彼は現れず、ただ静寂のみが返ってくるのみだった。
やはり、もう駄目なのかしら──
わたしは妙な落胆を感じながらも、腕輪に向かって話し出す。
「キース酷いわ。あの誓約書はどうしたって破れないじゃないの。どうしてくれるの。トゥルティエールはわたしをまだ諦めていないし、カディス達を怒らせてしまうし、わたし、どうしたら──」
そう言っているうちに涙が溢れてきて止まらなくなってしまったわたしは、キースからもらった腕輪に幾粒も涙を落とした。
そして、わたしはその後も泣きながら「キースは酷い」と言い続けていた。
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