12 / 36
第二章:新しい環境
第12話 説得再び
アイシャが目覚めたとき、既に寝台にはカルラートの姿はなかった。
アイシャは安堵か落胆なのか分からない溜息をつくと、支度をするためにライサを呼び出す。
「アイシャ様、お体は大丈夫でございますか? 陛下はお優しくされたのでしょうか?」
期待を込めて見つめてくるライサには申し訳なかったが、アイシャは正直に事の次第を話した。
「まあっ、それでは寝所を共にしてなにもなかったと……?」
愕然としたようにライサが呟いたのに対して、アイシャは苦々しい気分で頷いた。
あそこまで期待していたライサに応えられなくて彼女は申し訳ない気分になる。
それ以上に兄王の意向に添うことが出来なくて、なんのための王妹の身分かとアイシャは沈みこんだ。
それでもアイシャは、未だに清い身の自分に安堵している己自身に気が付いていた。
しかし、カルラートは兄王になにか言われて、アイシャの寝室に本人は仕方なくでも、ともかく現れたのだ。それでなにもなかったなどと、安易に安心などしている場合ではないと、アイシャは己を恥じた。
「それではなお、悪いではありませんか。寝所を共にして抱かないなどと、侮辱以外の何物でもありません!」
またしてもカルラートのところへ抗議に行こうとしていたライサをアイシャはなんとか引き留めて言った。
「……陛下にはわたしが直接お話しします。このままでは、嫁いできた者の責務を果たせないままだもの」
王家の姫ならば本意でない結婚をする者がほとんどなのだ。
だから、たとえ心に想う人がいても、自分はそれを振りきらなければいけないのだ。
代々の姫君達は、国のためにその責務を果たしてきたのだから。
そしてアイシャはとある決意をすると、カルラートの執務室へと向かった。
もしかしたらカルラートは会ってくれないかもしれないとアイシャは懸念していたが、そこは宰相のオルグレンが間に入ってくれたらしく、彼女はすぐに入室を許された。
「陛下、それではわたしは席を外しますので」
気を利かせたオルグレンが二人を残して、すぐさまその場を後にした。
その背中をカルラートはむっとして睨んだが、もちろん相手には見えていない。
アイシャは果たして彼を説得出来るのだろうかと少し不安な気持ちでその様子を見ていた。
「……それでなんの用だ」
カルラートがアイシャに向き合って、うんざりというような顔で尋ねる。
「本日は陛下にお話があって参りました。……陛下はおっしゃいましたよね、兄王とわたしがただならぬ関係でないということを信じさせてみろと」
「ああ」
アイシャの言葉にカルラートがぞんざいに返事をする。
しかし、アイシャはそれを気にした様子も見せずに続けた。
「なぜそんな噂が出たのか、それ自体わたしには分かりかねます。なぜなら、それは絶対にありえないからです」
アイシャがそう断言すると、カルラートが不思議そうに首を傾げた。
「……なぜだ。血が繋がらない者同士、いつそうなっても不思議ではないではないか」
しかしアイシャにはカルラートがそう思う方が不思議だった。
血が繋がっていないとはいえ、いわば天敵である妃同士の子なのだ。それで仲が良くなる訳がない。
もしかしたら、カルラートは妃同士の争いを目にしたことがないのかもしれないのかもしれないとアイシャは思った。
「……トゥルティエールの醜聞になるのでこの前は申しませんでしたが、わたしの母が先王の寵愛を受けたせいで、兄の母は城から身を投げたのです。そのことでわたしは兄にずっと憎まれています。ですから、わたしと兄王がそういう関係になることはまずありえません」
アイシャがきっぱりとそう断言すると、カルラートは息をのんだ。
「そんなことがあったとは、我が国には知らされていないぞ」
「ですから醜聞を防ぐために箝口令をしいたのです。今も先の正妃の死因は対外的には病死となっているはずです」
……もっともトゥルティエール王宮内では有名無実となってしまっているが、国としては幸いなことに、ハーメイにまでは届かなかったらしい。
「しかし、そなたをトゥルティエール王が憎んでいると言っていたが、あの王はそなたと寝所を共にしていないと知って直々に抗議文を送りつけて来たぞ。それはどう説明するつもりだ」
「……それは大国の尊厳に関わるからだと思われますが。どんなに憎い者でも王妹として嫁がせたからには面目もあるのでしょう」
アイシャがあくまで真摯にカルラートを見つめていると、彼は少し息を付いてから言った。
「……そうか。ならばその噂があり得ないことも理解した」
「! 誠でございますか!」
これで王妹としての責務が果たせるとアイシャが喜んだのもつかの間、カルラートは片手を前に出して彼女を制した。
「慌てるな。まだ話は終わっていない。しかし、わたしは威圧的に話を進めたあの王のやり方が気に入らない。……だが、そなたがそれを謝罪するのなら許してやろう」
それは、カルラートにとっては破格な扱いだったのだろう。アイシャにもその彼の思惑が理解できて息をのんだ。
ここで謝罪さえすれば名実共にハーメイの王妃になれるのだ。なにを迷うことがあるだろう。
しかし──
「──申し訳ございません。それはできかねます」
少しばかりの逡巡の後、アイシャの口から出てきたのは断りの言葉だった。
カルラートはアイシャが謝罪するものだと思っていたらしく一瞬絶句する。
「なぜだ、ここでそなたが謝れば、すべてが丸く収まるのだぞ」
「兄が決めたことは国が決めたことです。それなのに王妹であるわたしが勝手に謝罪してしまえば、トゥルティエールの権威は地に墜ちてしまいます。ですから、わたしにはできません」
たとえ血は繋がっていなくても、自分は王妹。トゥルティエール王族として、アイシャは王の決定を無視して謝罪することがどうしてもできなかった。
アイシャが昂然と頭を上げてそう言うと、カルラートは信じられないものを見るような目で見てきた。
「……そなたは、かの王に憎まれていると言っていたが、そなた自身は随分とかの王を信頼しているのだな」
ルドガーは自分には冷たいが、成人前から取り仕切っていたその政務は、素晴らしいものであると、トゥルティエール宰相のディルスは言っていた。
ライサから聞いた話でも、国民達も彼を賢王と褒め讃えているらしい。
「はい、王として尊敬しております」
アイシャがカルラートから目を逸らさずに告げると、なぜか彼は苛立ちを表情に表した。
「──大国の権威を笠に着るあの男のどこがいいんだ」
それはごく小さな呟きで、アイシャにはよく聞き取れなかった。
「はい? なにかおっしゃいました?」
アイシャが聞き返したが、しかしカルラートは彼女から目を逸らして無言で通した。
「──とにかく謝罪がないのなら、わたしはそなたを抱かない。心しておけ」
「そんな、それでは話が違います。前には噂の内容を嘘だと信じさせればいいとおっしゃっていたではないですか」
アイシャはドレスのスカートを思わずぎゅっと握りしめてしまいながら、カルラートの理不尽な言い分に抗議する。
「気が変わった。そなたがかの国のやり方を謝罪すれば、いくらでも抱いてやろう」
「! 馬鹿にしないでください!」
くつくつ笑いながらのカルラートのその言葉に、アイシャは真っ赤になって叫ぶと、衝動的に執務室を飛び出していた。
アイシャは安堵か落胆なのか分からない溜息をつくと、支度をするためにライサを呼び出す。
「アイシャ様、お体は大丈夫でございますか? 陛下はお優しくされたのでしょうか?」
期待を込めて見つめてくるライサには申し訳なかったが、アイシャは正直に事の次第を話した。
「まあっ、それでは寝所を共にしてなにもなかったと……?」
愕然としたようにライサが呟いたのに対して、アイシャは苦々しい気分で頷いた。
あそこまで期待していたライサに応えられなくて彼女は申し訳ない気分になる。
それ以上に兄王の意向に添うことが出来なくて、なんのための王妹の身分かとアイシャは沈みこんだ。
それでもアイシャは、未だに清い身の自分に安堵している己自身に気が付いていた。
しかし、カルラートは兄王になにか言われて、アイシャの寝室に本人は仕方なくでも、ともかく現れたのだ。それでなにもなかったなどと、安易に安心などしている場合ではないと、アイシャは己を恥じた。
「それではなお、悪いではありませんか。寝所を共にして抱かないなどと、侮辱以外の何物でもありません!」
またしてもカルラートのところへ抗議に行こうとしていたライサをアイシャはなんとか引き留めて言った。
「……陛下にはわたしが直接お話しします。このままでは、嫁いできた者の責務を果たせないままだもの」
王家の姫ならば本意でない結婚をする者がほとんどなのだ。
だから、たとえ心に想う人がいても、自分はそれを振りきらなければいけないのだ。
代々の姫君達は、国のためにその責務を果たしてきたのだから。
そしてアイシャはとある決意をすると、カルラートの執務室へと向かった。
もしかしたらカルラートは会ってくれないかもしれないとアイシャは懸念していたが、そこは宰相のオルグレンが間に入ってくれたらしく、彼女はすぐに入室を許された。
「陛下、それではわたしは席を外しますので」
気を利かせたオルグレンが二人を残して、すぐさまその場を後にした。
その背中をカルラートはむっとして睨んだが、もちろん相手には見えていない。
アイシャは果たして彼を説得出来るのだろうかと少し不安な気持ちでその様子を見ていた。
「……それでなんの用だ」
カルラートがアイシャに向き合って、うんざりというような顔で尋ねる。
「本日は陛下にお話があって参りました。……陛下はおっしゃいましたよね、兄王とわたしがただならぬ関係でないということを信じさせてみろと」
「ああ」
アイシャの言葉にカルラートがぞんざいに返事をする。
しかし、アイシャはそれを気にした様子も見せずに続けた。
「なぜそんな噂が出たのか、それ自体わたしには分かりかねます。なぜなら、それは絶対にありえないからです」
アイシャがそう断言すると、カルラートが不思議そうに首を傾げた。
「……なぜだ。血が繋がらない者同士、いつそうなっても不思議ではないではないか」
しかしアイシャにはカルラートがそう思う方が不思議だった。
血が繋がっていないとはいえ、いわば天敵である妃同士の子なのだ。それで仲が良くなる訳がない。
もしかしたら、カルラートは妃同士の争いを目にしたことがないのかもしれないのかもしれないとアイシャは思った。
「……トゥルティエールの醜聞になるのでこの前は申しませんでしたが、わたしの母が先王の寵愛を受けたせいで、兄の母は城から身を投げたのです。そのことでわたしは兄にずっと憎まれています。ですから、わたしと兄王がそういう関係になることはまずありえません」
アイシャがきっぱりとそう断言すると、カルラートは息をのんだ。
「そんなことがあったとは、我が国には知らされていないぞ」
「ですから醜聞を防ぐために箝口令をしいたのです。今も先の正妃の死因は対外的には病死となっているはずです」
……もっともトゥルティエール王宮内では有名無実となってしまっているが、国としては幸いなことに、ハーメイにまでは届かなかったらしい。
「しかし、そなたをトゥルティエール王が憎んでいると言っていたが、あの王はそなたと寝所を共にしていないと知って直々に抗議文を送りつけて来たぞ。それはどう説明するつもりだ」
「……それは大国の尊厳に関わるからだと思われますが。どんなに憎い者でも王妹として嫁がせたからには面目もあるのでしょう」
アイシャがあくまで真摯にカルラートを見つめていると、彼は少し息を付いてから言った。
「……そうか。ならばその噂があり得ないことも理解した」
「! 誠でございますか!」
これで王妹としての責務が果たせるとアイシャが喜んだのもつかの間、カルラートは片手を前に出して彼女を制した。
「慌てるな。まだ話は終わっていない。しかし、わたしは威圧的に話を進めたあの王のやり方が気に入らない。……だが、そなたがそれを謝罪するのなら許してやろう」
それは、カルラートにとっては破格な扱いだったのだろう。アイシャにもその彼の思惑が理解できて息をのんだ。
ここで謝罪さえすれば名実共にハーメイの王妃になれるのだ。なにを迷うことがあるだろう。
しかし──
「──申し訳ございません。それはできかねます」
少しばかりの逡巡の後、アイシャの口から出てきたのは断りの言葉だった。
カルラートはアイシャが謝罪するものだと思っていたらしく一瞬絶句する。
「なぜだ、ここでそなたが謝れば、すべてが丸く収まるのだぞ」
「兄が決めたことは国が決めたことです。それなのに王妹であるわたしが勝手に謝罪してしまえば、トゥルティエールの権威は地に墜ちてしまいます。ですから、わたしにはできません」
たとえ血は繋がっていなくても、自分は王妹。トゥルティエール王族として、アイシャは王の決定を無視して謝罪することがどうしてもできなかった。
アイシャが昂然と頭を上げてそう言うと、カルラートは信じられないものを見るような目で見てきた。
「……そなたは、かの王に憎まれていると言っていたが、そなた自身は随分とかの王を信頼しているのだな」
ルドガーは自分には冷たいが、成人前から取り仕切っていたその政務は、素晴らしいものであると、トゥルティエール宰相のディルスは言っていた。
ライサから聞いた話でも、国民達も彼を賢王と褒め讃えているらしい。
「はい、王として尊敬しております」
アイシャがカルラートから目を逸らさずに告げると、なぜか彼は苛立ちを表情に表した。
「──大国の権威を笠に着るあの男のどこがいいんだ」
それはごく小さな呟きで、アイシャにはよく聞き取れなかった。
「はい? なにかおっしゃいました?」
アイシャが聞き返したが、しかしカルラートは彼女から目を逸らして無言で通した。
「──とにかく謝罪がないのなら、わたしはそなたを抱かない。心しておけ」
「そんな、それでは話が違います。前には噂の内容を嘘だと信じさせればいいとおっしゃっていたではないですか」
アイシャはドレスのスカートを思わずぎゅっと握りしめてしまいながら、カルラートの理不尽な言い分に抗議する。
「気が変わった。そなたがかの国のやり方を謝罪すれば、いくらでも抱いてやろう」
「! 馬鹿にしないでください!」
くつくつ笑いながらのカルラートのその言葉に、アイシャは真っ赤になって叫ぶと、衝動的に執務室を飛び出していた。
あなたにおすすめの小説
愛とオルゴール
夜宮
恋愛
ジェシカは怒っていた。
父親が、同腹の弟ではなく妾の子を跡継ぎにしようとしていることを知ったからだ。
それに、ジェシカの恋人に横恋慕する伯爵令嬢が現れて……。
絡み合った過去と現在。
ジェシカは無事、弟を跡継ぎの座につけ、愛する人との未来を手にすることができるのだろうか。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
次こそあなたと幸せになると決めたのに…中々うまくいきません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のシャレルは、第二王子のジョーンによって無実の罪で投獄されてしまう。絶望の中彼女を救ってくれたのは、ずっと嫌われていると思っていた相手、婚約者で王太子のダーウィンだった。
逃亡生活を送る中、お互い思い合っていたのにすれ違っていた事に気が付く2人。すれ違った時間を取り戻すかのように、一気に距離を縮めていく。
全てを失い絶望の淵にいたシャレルだったが、ダーウィンとの逃避行の時間は、今まで感じた事のないほど、幸せな時間だった。
新天地マーラル王国で、ダーウィンとの幸せな未来を思い描きながら、逃避行は続く。
そしていよいよ、あと少しでマーラル国というところまで来たある日、彼らの前にジョーンが現れたのだ。
天国から地獄に叩き落されたシャレルは、絶望の中生涯の幕を下ろしたはずだったが…
ひょんなことから、ダーウィンと婚約を結んだ8歳の時に、戻っていた。
2度目の人生は、絶対にダーウィンと幸せになってみせる、そう決意したシャレルだったが、そううまくはいかず、次第に追い詰められていくのだった。
※シャレルとダーウィンが幸せを掴むかでのお話しです。
ご都合主義全開ですが、どうぞよろしくお願いします。
カクヨムでも同時投稿しています。
誰にも言えないあなたへ
天海月
恋愛
子爵令嬢のクリスティーナは心に決めた思い人がいたが、彼が平民だという理由で結ばれることを諦め、彼女の事を見初めたという騎士で伯爵のマリオンと婚姻を結ぶ。
マリオンは家格も高いうえに、優しく美しい男であったが、常に他人と一線を引き、妻であるクリスティーナにさえ、どこか壁があるようだった。
年齢が離れている彼にとって自分は子供にしか見えないのかもしれない、と落ち込む彼女だったが・・・マリオンには誰にも言えない秘密があって・・・。
【完結】彼を幸せにする十の方法
玉響なつめ
恋愛
貴族令嬢のフィリアには婚約者がいる。
フィリアが望んで結ばれた婚約、その相手であるキリアンはいつだって冷静だ。
婚約者としての義務は果たしてくれるし常に彼女を尊重してくれる。
しかし、フィリアが望まなければキリアンは動かない。
婚約したのだからいつかは心を開いてくれて、距離も縮まる――そう信じていたフィリアの心は、とある夜会での事件でぽっきり折れてしまった。
婚約を解消することは難しいが、少なくともこれ以上迷惑をかけずに夫婦としてどうあるべきか……フィリアは悩みながらも、キリアンが一番幸せになれる方法を探すために行動を起こすのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載しています。
初恋の還る路
みん
恋愛
女神によって異世界から2人の男女が召喚された。それによって、魔導師ミューの置き忘れた時間が動き出した。
初めて投稿します。メンタルが木綿豆腐以下なので、暖かい気持ちで読んでもらえるとうれしいです。
毎日更新できるように頑張ります。