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記憶喪失ですが、夫に復讐いたします 21 疑惑
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一方、フレデリックもシルビオについて調べていた。
騎士団には青騎士団時代にシルビオと一緒だった者が何人もいる。
(ちょっと、聞いてみるか)
朝の鍛錬後、王宮の鍛錬場の端で、何人か休憩がてら残って談笑している者がいた。
「今、いいか?」
年若い騎士たちは、国王直々の任務についていて、近頃、出世頭と噂のフレデリックに声を掛けられ嬉しそうだ。
「どうされたんですか?」
「今、任務に就いていなくていいんですか?!」
と、口々に質問する。
「ちょっと、聞きたいことが…」
と言いかけるやいなや、食い気味に、「なんでも、聞いてください!!」と元気いっぱいに答える騎士たちだった。
フレデリックは若い勢いに押されつつ、苦笑いをうかべ、
「シルビオ・ヴェルティエ、知っているか?」
数人が、顔を見合わせる中、
「あ、自分同期です」
と、手を挙げたのは若い騎士たちの中でも、一番落ち着いた雰囲気の、黒髪の騎士。
「奴がどうかしたんですか?」
「いや……どういう奴かな、と思って。こないだの夜会にいたような気がしたんだが、声を掛けそびれてな。」
「ああ、来てましたね。俺も久しぶりに会いました。一時大変だったみいですが、元気そうでよかったです。」
「何かあったのか?」
「卒業するかしないか、あたりですかね、実家の公爵家が借金で爵位を売るかどうか、という話になってたみたいで、ずいぶん大変だったようですよ。」
「公爵家なのに?」
「ええ、借金を残したまま、ご両親は行方不明になっているようで、今でも探しているみたいですよ。」
「何故そんなことに?」
「父上のクローデル公は、投資に手を出したらしいんです。そこで、怪しい投資話に引っ掛かってしまったらしくて。かなりの額だったような……」
「騎士団に残る、という選択肢はなかったんだろうか?」
騎士団は、安定した収入が得られ、危険も伴うが、貴族が生活するのに十分な保障が得られるため、人気の職だ。
「俺たちも、そう思ってはいたんですが、卒業と同時に、祖国へ帰りましたよ。」
そう答えたのは、その場にいたもう一人の騎士、金髪の巻き毛、背は小さいが元気なタイプだ。
「ああ、実力があったのにもったいないって、当時みんな言ってましたね」
「なんとか力になりたかったけど、とても助けられる金額じゃなくて……」
若い騎士たちは口々に話し出した。
「今は、もう大丈夫なのか?」
「はい、借金も完済して、新しく事業を起こしたそうで、うまくやってるみたいです」
と、黒髪の騎士。
「「ただ、ローゼンダールの社交界ではいい噂ないですけどね…」
と、巻き毛の騎士。
「いや、それは…」
と、黒髪の騎士が止める。
「なんだよ、詳しく教えてくれよ」
「いや、実は、その借金の返し方なんですけど、資産家の娘を嫁にもらったらしくて。」
「まあ、よくあることだよな」
「その奥さんを…殺したんじゃないかって」
「なんだって?!」
「そんなわけない、と思うんですが、とにかく行方が分からないらしくて。」
黒髪の騎士が、焦ったように続ける。
「社交界にも連れてきたことがないらしいんですよ。誰も見たことがないって」
金髪の巻き毛の騎士が重ねた。
「そんな状況なら、奥方のご実家も黙ってはいないだろう?」
「そうなんですが…そっちも訳ありみたいで……」
と、言葉を濁す金髪巻き毛の騎士。
「実家、どこかわかるか?」
「確か、男爵家だったような…」
うーん、と金髪の巻き毛の騎士が答えると、
「お前、詳しそうだな。」
不敵な笑みを浮かべるフレデリック。
「あ、いえ、姉がローゼンダールに嫁いだものですから、時々遊びに行くんです」
「へえ、それは楽しそうだな。ちょうどいい、ローゼンダールで調べてほしいことがあるんだ、ちょっとこい」
そう言って、フレデリックは金髪巻き毛の騎士を連れて行ってしまった。
残された若い騎士たちは、あっけにとられて二人を見送る。
今まで、黙っていた騎士たちが口々に話し始めた。
「お、おい。シルビオってなんかやったのか?」
「どうだろう…やっぱりあの噂、本当なんじゃ…」
「そんなわけないだろ!あいつがどういう奴か、俺たちはわかってるはずじゃないか」
と、同期である黒髪の騎士がたしなめる。
「でも、ちょっと手段をえらばないとこ、あったよな」
「まあ……っていうか!フレデリックさん、怖え!あんな感じだっけ?」
「いや、今日はめちゃくちゃ怖かったよ!いつもは笑顔しか見たことないのに」
若い騎士たちは、やはりシルビオは何かしたんだ、と心中穏やかでなかった。
騎士団には青騎士団時代にシルビオと一緒だった者が何人もいる。
(ちょっと、聞いてみるか)
朝の鍛錬後、王宮の鍛錬場の端で、何人か休憩がてら残って談笑している者がいた。
「今、いいか?」
年若い騎士たちは、国王直々の任務についていて、近頃、出世頭と噂のフレデリックに声を掛けられ嬉しそうだ。
「どうされたんですか?」
「今、任務に就いていなくていいんですか?!」
と、口々に質問する。
「ちょっと、聞きたいことが…」
と言いかけるやいなや、食い気味に、「なんでも、聞いてください!!」と元気いっぱいに答える騎士たちだった。
フレデリックは若い勢いに押されつつ、苦笑いをうかべ、
「シルビオ・ヴェルティエ、知っているか?」
数人が、顔を見合わせる中、
「あ、自分同期です」
と、手を挙げたのは若い騎士たちの中でも、一番落ち着いた雰囲気の、黒髪の騎士。
「奴がどうかしたんですか?」
「いや……どういう奴かな、と思って。こないだの夜会にいたような気がしたんだが、声を掛けそびれてな。」
「ああ、来てましたね。俺も久しぶりに会いました。一時大変だったみいですが、元気そうでよかったです。」
「何かあったのか?」
「卒業するかしないか、あたりですかね、実家の公爵家が借金で爵位を売るかどうか、という話になってたみたいで、ずいぶん大変だったようですよ。」
「公爵家なのに?」
「ええ、借金を残したまま、ご両親は行方不明になっているようで、今でも探しているみたいですよ。」
「何故そんなことに?」
「父上のクローデル公は、投資に手を出したらしいんです。そこで、怪しい投資話に引っ掛かってしまったらしくて。かなりの額だったような……」
「騎士団に残る、という選択肢はなかったんだろうか?」
騎士団は、安定した収入が得られ、危険も伴うが、貴族が生活するのに十分な保障が得られるため、人気の職だ。
「俺たちも、そう思ってはいたんですが、卒業と同時に、祖国へ帰りましたよ。」
そう答えたのは、その場にいたもう一人の騎士、金髪の巻き毛、背は小さいが元気なタイプだ。
「ああ、実力があったのにもったいないって、当時みんな言ってましたね」
「なんとか力になりたかったけど、とても助けられる金額じゃなくて……」
若い騎士たちは口々に話し出した。
「今は、もう大丈夫なのか?」
「はい、借金も完済して、新しく事業を起こしたそうで、うまくやってるみたいです」
と、黒髪の騎士。
「「ただ、ローゼンダールの社交界ではいい噂ないですけどね…」
と、巻き毛の騎士。
「いや、それは…」
と、黒髪の騎士が止める。
「なんだよ、詳しく教えてくれよ」
「いや、実は、その借金の返し方なんですけど、資産家の娘を嫁にもらったらしくて。」
「まあ、よくあることだよな」
「その奥さんを…殺したんじゃないかって」
「なんだって?!」
「そんなわけない、と思うんですが、とにかく行方が分からないらしくて。」
黒髪の騎士が、焦ったように続ける。
「社交界にも連れてきたことがないらしいんですよ。誰も見たことがないって」
金髪の巻き毛の騎士が重ねた。
「そんな状況なら、奥方のご実家も黙ってはいないだろう?」
「そうなんですが…そっちも訳ありみたいで……」
と、言葉を濁す金髪巻き毛の騎士。
「実家、どこかわかるか?」
「確か、男爵家だったような…」
うーん、と金髪の巻き毛の騎士が答えると、
「お前、詳しそうだな。」
不敵な笑みを浮かべるフレデリック。
「あ、いえ、姉がローゼンダールに嫁いだものですから、時々遊びに行くんです」
「へえ、それは楽しそうだな。ちょうどいい、ローゼンダールで調べてほしいことがあるんだ、ちょっとこい」
そう言って、フレデリックは金髪巻き毛の騎士を連れて行ってしまった。
残された若い騎士たちは、あっけにとられて二人を見送る。
今まで、黙っていた騎士たちが口々に話し始めた。
「お、おい。シルビオってなんかやったのか?」
「どうだろう…やっぱりあの噂、本当なんじゃ…」
「そんなわけないだろ!あいつがどういう奴か、俺たちはわかってるはずじゃないか」
と、同期である黒髪の騎士がたしなめる。
「でも、ちょっと手段をえらばないとこ、あったよな」
「まあ……っていうか!フレデリックさん、怖え!あんな感じだっけ?」
「いや、今日はめちゃくちゃ怖かったよ!いつもは笑顔しか見たことないのに」
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