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第1話
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あれから3日が経った。
東雲からはお見合いが終わった後で、『今日はありがとう』というごく簡潔なLIMEメッセージがあってから、それっきりである。
彩は毎日、何十回も何百回もスマホを確認して、東雲からの連絡がないか確認しているのだが……。
こちらから連絡したほうがいいのだろうか。
何度もそう思ったが、なかなか踏み切れない。
アズサからは、自分から積極的に攻めろ、とアドバイスを貰ったけど……。
そんなぐいぐい行って、クールな東雲さんに引かれてしまったらどうしようかと悩む。
なにせ、男性と付き合うこと自体、本当に久々である。
それに結婚相談所での『真剣交際』という意味合いも、実は良くわかっていない。
ネットで調べたら、『プロポーズに向けて本気でお付き合いすること』と書いてあって、どきっとした。
しかし、これだけ連絡がないと言うことは……。
もしかして東雲さん、やっぱり気が変わっちゃったのかも。
「ふう~」
「ろうしたんでしゅか、杉崎しゃん」
彩のため息を聞いた隣席の竹下が、眉をひそめて声を掛けてくる。
「べ、別に、なんでもないからっ」
「はあ。ところで、杉崎しゃんが作ったこの発注書れすけど……」
「それが、どうかした?」
「金額、間違っれいましぇんか?」
書類を渡されてはっとした。
あやうく備品のトイレットペーパーを、1億円分も発注するところだったのである。
「ひええっ!」
「まったく、杉崎しゃん。なんか、最近おかしいでしゅよ。ミスも多いし」
ああ、ダメ後輩の竹下くんにまで、ダメ出しされるなんて。
東雲さんのことで頭がいっぱいで、なんだかぼんやりしてるなあ。
いかんいかん。もっと仕事に集中しないと!
……ああ、東雲さん。
昼休みとなり、会社の食堂で親子丼の5杯目を食べていると……。
突然、スマホが鳴った。
もしや、東雲さん!?
「ははははいっ! 杉崎ですっ!」
「美希だけど」
なあんだ、美希か。がっかりしてしまう。
「聞いたわよ。イケメンで三高の男と交際するんだって?」
もう美希の耳に入ったんだ。
女子のネットワークは侮れない。
「ま、まあ。そうだけど……」
「いいこと。すぐに断りなさい」
「えっ、なんで?」
「今夜、時間ある? 会って直接アドバイスしたいから!」
美希は場所と時間を勝手に指定すると、一方的に通話を切った。
彩はスマホを耳に当てたまま、呆然とする。
いきなり交際を断れって……どういうこと?
東雲からはお見合いが終わった後で、『今日はありがとう』というごく簡潔なLIMEメッセージがあってから、それっきりである。
彩は毎日、何十回も何百回もスマホを確認して、東雲からの連絡がないか確認しているのだが……。
こちらから連絡したほうがいいのだろうか。
何度もそう思ったが、なかなか踏み切れない。
アズサからは、自分から積極的に攻めろ、とアドバイスを貰ったけど……。
そんなぐいぐい行って、クールな東雲さんに引かれてしまったらどうしようかと悩む。
なにせ、男性と付き合うこと自体、本当に久々である。
それに結婚相談所での『真剣交際』という意味合いも、実は良くわかっていない。
ネットで調べたら、『プロポーズに向けて本気でお付き合いすること』と書いてあって、どきっとした。
しかし、これだけ連絡がないと言うことは……。
もしかして東雲さん、やっぱり気が変わっちゃったのかも。
「ふう~」
「ろうしたんでしゅか、杉崎しゃん」
彩のため息を聞いた隣席の竹下が、眉をひそめて声を掛けてくる。
「べ、別に、なんでもないからっ」
「はあ。ところで、杉崎しゃんが作ったこの発注書れすけど……」
「それが、どうかした?」
「金額、間違っれいましぇんか?」
書類を渡されてはっとした。
あやうく備品のトイレットペーパーを、1億円分も発注するところだったのである。
「ひええっ!」
「まったく、杉崎しゃん。なんか、最近おかしいでしゅよ。ミスも多いし」
ああ、ダメ後輩の竹下くんにまで、ダメ出しされるなんて。
東雲さんのことで頭がいっぱいで、なんだかぼんやりしてるなあ。
いかんいかん。もっと仕事に集中しないと!
……ああ、東雲さん。
昼休みとなり、会社の食堂で親子丼の5杯目を食べていると……。
突然、スマホが鳴った。
もしや、東雲さん!?
「ははははいっ! 杉崎ですっ!」
「美希だけど」
なあんだ、美希か。がっかりしてしまう。
「聞いたわよ。イケメンで三高の男と交際するんだって?」
もう美希の耳に入ったんだ。
女子のネットワークは侮れない。
「ま、まあ。そうだけど……」
「いいこと。すぐに断りなさい」
「えっ、なんで?」
「今夜、時間ある? 会って直接アドバイスしたいから!」
美希は場所と時間を勝手に指定すると、一方的に通話を切った。
彩はスマホを耳に当てたまま、呆然とする。
いきなり交際を断れって……どういうこと?
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