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クラシックをエレキに持ち替えて

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うわぁ、ひでぇ…、こんなのって、と星柳と弦も嘆いているなか、ニヤリと不適な笑みをこぼす者“達”が六人いた。
「やっと生徒会も動いてくれたか」
「案外おそかったなのー!」
「何で皆さん笑ってるんですか!?」
そう言って怒ったのは北上だった。
「私のせいで皆さんの部室が潰されたんですよ!皆さんの集まる大切な場所が…」
「北上さん、別にあなたのせいではない。喜んだのは『準備』が整ったって意味だよ」
「準備?」
「そう、まぁ内容は言えないがな。取り敢えず次の全校集会の時になったらわかる」
それと楽しみは後にとっておいたほうがいいだろ?と付け加えて平井先輩はいった。
「さぁ、歓迎会の続きを始めよう!」
秋空先輩の言葉で歓迎会が再開された。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
三日間(そのうちの一日は歓迎会だったが)に渡る練習を終え、久しぶりのスクールライフが始まった。久しぶりに向けられる侮蔑の目も慣れてくると平気になった。そんな日の六時間目、本来なら国語の筈が急きょ全校集会が開催されることになった。
(そういえば集会の時に何かやるんだっけ?)
なんて思いながら体育館に足を運んだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
緊急の集会と言うのだから、何かやばいことでも起こしたのかとおもったら、そうではなくただ不良に手を出した輩がいるから止めてねという話だった。まぁ、確かにやばいことだが…と思っていたその時!眩魏だけでなく、他の人達の視界が暗転した。キャー!なになに!?強盗?とざわめく中、マイクを通した声がした。
「あー、あー、マイクテストマイクテスト」
眩魏はその声に聞き覚えがあった。
(平井先輩?!)
星柳や弦、北上も気づいたらしく、ポカーンとした顔でステージに目を向けた。
「おーし、OKOK!それじゃ照明をつけてくれ!」
それを合図に黄色っぽい橙色のライトがステージを彩る。そこには六人の先輩とエレキギター、ベース、ドラム、タンバリン、マイク
アコースティックギターがあった。
「皆さん、こんにちは!僕たちはTG6という者です!僕たちギター部は毎日楽しくギターを弾いています。しかし、最近そんな平和を脅かす悪の軍団が手を出しています!今日はその話をするために緊急ライブを開きました!時間の都合上、一曲だけだけど楽しんでくれると幸いです!それでは聞いてください。『放課後ストライド』!」
そう言うと中森先輩のギター、次に長野先輩のドラムと秋空先輩のタンバリンのように順番に弾きはじめ、最終的には全員が一つになった。だが観客は急な状況変化についてこれず、戸惑っている、すると弦が手拍子をし始めた。それにならい星柳も手拍子、勿論眩魏も手拍子を打ち、先輩の演奏のように一つになった。それを見た人々は自分も自分もと、手拍子を始める。いつしか全校生徒が手拍子を打ち、有名アーティストのライブのような状態になった。楽しい気持ちは人から人へ繋がるのだ。それが例え、楽しませてる側だとしても。
ヴォーカルの平井先輩の表情が柔らかくなり、歌い慣れたように歌い上げた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
緊急ライブは大成功に終わった。
「最初に言ったように、ギター部を潰そうとしている人達がいます。それは生徒会です!彼らを止める方法はただ一つ、校則の二条にあるように生徒会への意見は最低五百人の署名を集めなくてはならない。僕たちはまだ活動を続けていたい。このライブがもし、心に響いたなら署名をしてください!お願いします!」
「コラー!お前らなにやっとんや!全校集会の邪魔して!」
「やっべぇ、先生だ、おい眩魏と弦と星柳と北上、逃げるぞ!」
「はぁ?!」
「コラー!待たんか!」
「早くしないと捕まっちゃうよ?」
「そんなぁ…!」
そう言いながら眩魏達は脱兎を追い越すぐらいの猛スピードで逃げていった。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
こんにちは!たらしゅー放送局です!ギター部の行事をしながら書いたのでもしかしたら文がおかしかったり誤字脱字があったりするかもしれませんので見つけたらコメントで教えてください!それでは!
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