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元不良少年の計画
#16
しおりを挟むどう反応したらいいか分からず固まってしまったけど……その沈黙もまた、彼の笑い声で掻き消された。
「なーんてね! そんな意地悪なことを言う人間が世の中にはごまんといるんだよ。俺は君達の純粋なところが大好きだけど……それのせいでいつか君達が再起不能なほど傷つくのが嫌だから、たまには鞭を振るう役に回ろうと思ったんだ。耐性を身につけておくのは大事なことだろ?」
先程の鋭い目付きから打って変わって、矢代さんは弾けんばかりの笑顔を浮かべた。
やっぱりこの人、間違いなくドSだ。
俺も和巳さんも引き攣った笑いしか返せなかったけど、矢代さんの下で秋が苦しそうに動いた。さっきまでは喘ぎ声しか聞こえなかったけど、ちょっと元気を取り戻したらしい。
「なに恩着せがましいこと言ってんだよっ……アンタは常に鞭を振るう側の人間じゃねえか」
「それは心外だな。お前には適度に飴も与えてるだろ?」
「知らな……あっ!」
反論する秋に入れてる指を、矢代さんはさらに深く潜り込ませる。秋は顔を真っ赤になりながら仰け反った。
こんな時に注目して申し訳ないけど、真っ白な肌に赤みを帯びた部分が印象的だった
「あんまり調子に乗るなよ、秋? 焦らした俺も悪いけど、かまってほしいからって関係ない鈴鳴君を巻き込んだ。挙げ句の果てに、さっきは本気で手を出そうとしてただろ。……お前はもう誰かを抱ける身体じゃないんだってことを、もう一度ゼロから教えてやる」
ベッドが激しく軋む。矢代さんは秋から指を引き抜いて、自身のものをズボンから取り出し、
「鈴、見ちゃダメだ! 刺激が強い!」
「うっ、また……っ!?」
和巳さんに後ろから抱え込まれる。でも直後に秋の叫び声が聞こえたから、挿入されたんだと分かった。
「和巳さん、刺激も何も、俺達だっていつも同じことしてるじゃん!」
和巳さんには悪いけど、一旦距離を置いた。
「……秋に協力したことも、その内容も、隠して本当にごめん。どんなに大事な友達の頼みだったとしても、ちょっと異常だった。ごめんなさい……」
例え演技でも、俺はほぼ全裸で秋と過ごしていた。もし自分が和巳さんの立場だったらもっと取り乱していたかもしれない。
そうだ……こんな状況に居合わせて平気でいられる恋人なんてどこにもいないだろう。
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