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元不良少年の計画

#19

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「ふふっ……和巳君と鈴鳴君、楽しそうだね。気持ちよさそうに腰を振って、完全に二人の世界に入ってる」

激しい律動を続ける二人を、矢代は横から満足げに眺めていた。

「どんな時も、愉悦を覚えた人を見るのは心が躍るよ。なぁ秋?」
「んあっ!」

繋がったままの秋の腰を高く上げて、矢代は体重を乗せていく。突くというよりも、本当に奥まで掘っているような動作に感じた。このまま掘り続ければ、彼の中は大きな空洞が出来るかもしれない。そんな馬鹿げた妄想を楽しんで、矢代はまた口角を上げた。

「で、秋。タチになる夢は諦めたか?」
「ふ、うぅ……っ……クソ、クソったれ……っ」
「全く口が悪いな。お前ももう大人なんだから、そろそろ言葉遣いを直さないと。……教師なんて夢のまた夢になるぞ」

我慢し続けた蜜がお互いの腹を汚している。熱くて粘り気のある、白濁色の蜜。それをすくいとり、目の前で喘ぐ少年の口に含ませた。

「俺達がまだ付き合う前は、セックスは快感を満たす為のものだった。そこに余計な感情なんてなくて、純粋に、快楽だけを追い求めることができた。……あの頃の方が幸せだっだのかもな。お前は」

頭を空っぽにして、“気持ちいい”ことだけ集中していられたら、こんなことで悩まされずに済んだのに。
人は、我儘な生き物だ。
愛されてないかもしれないなんて。それは、愛されたことがなければ抱かない不安だ。
 
「そうだ、和巳君の質問を拝借しよう。秋、世界でお前を一番愛してるのは誰だ?」
「ふっざけんな、この鬼畜……! それより、んっ……俺を焦らしたいから、セックスしなかったのか? 俺に飽きたからじゃないの?」
「お前は本当に頭が悪いな。やっぱり教師は諦めた方がいいんじゃないか」
「はぁっ!? ……んっ!」

憤る秋の唇を、矢代は強く塞いだ。身体を折り曲げられるような無理な体勢に、秋はもがく。ただでさえ挿入されてる部分が潜り込んで辛いのに、もっと上の臓器まで押し上げられている感覚だった。

「洞察力を鍛えろ。どれだけ俺に愛されてるか、いい加減理解するんだな」

唾液の絡まった舌が離れ、快感の熱が籠った吐息が当たる。秋は涙を流していた。それは生理的なものかもしれないし、はたまた全く違う理由からかもしれない。

ただ、虚ろな目で自分を抱く青年を見上げていた。






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