146 / 156
元不良少年の計画
#25
しおりを挟む身体で始まった関係。秋は自分達のことをそう言っていた。
それって、ある意味すごいことだと思う。その繋がりは切りたい時に切れなくて、切りたくない時に簡単に切れてしまう、頼りないものだ。
でも────何となくだけど、彼らなら大丈夫じゃないかな。
目には見えないけれど、彼らを結び付けてる糸はとても強い気がする。
「俺は秋と、今まで撮れなかった景色を撮りに行きたい。だから君達も、色んな所へ行っておいで。きっと今以上に強く繋がれる」
矢代さんの声は、俺達がいる後ろまで鮮明に届いた。
……安心できる、力強い言葉を掛けてもらった。
「はい!」
元気に返して、隣を見る。和巳さんも笑って、俺の頭を撫でた。
「……帰ろうね。俺達の家に」
「うん」
不良少年の計画に巻き込まれた。総合的に見ると本当に大変な、ぶっ飛んだ夜だったけど。
俺達にとって大切な繋がりができた一夜になった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる