「君の事は本当に好きだけど、俺ほかにも好きな人いるんだよね」

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    ある晴れた休日、私は別の会社に勤めている彼とデートした。

今日は“次に行こう”と二人で決めていた喫茶店を中心に、ブラブラ歩いた。
そして空に夕日の色が混じった頃、私達はお馴染みの公園のベンチに座った。

「君の事は本当に好きだけど、俺ほかにも好きな人いるんだよね。
さすがに気付いてる……よね。
俺、隠し事ヘタで」

話している途中、彼はニメートルほど先の地面を見ながら急に言った。
さすがに衝撃発言だったけど、私は無理やり平気なフリをした。
ムカついたから。

「それは何となく分かってたけど、隠したかったんだ。
匂わせといて、私が気付くのを待ってるのかなとか思ってたよ」

とは言うものの、現在進行とは考えてなかった。
“元カノとの思い出がよぎったのかな”くらいの事をチラホラ見せてくるな、と思う事はあったけど。

「タンタ、そういうズルいトコあるよね」

私が言うと、彼は少し目を大きくしてこちらを見た。

「え、俺ってズルいとか思われてたんだ。
ホーちゃん、そんな風に思ってたんだ」

私は彼に“ホーちゃん”と呼ばれ、私は彼を“タンタ”と呼んでいる。

「あるじゃん、道を聞くのも食器を洗うのも、っていうか。
問題なのはこっち、同棲しようかって話してたよね。
どっちなの、同棲したいの、したくないの」

「え、したいよ、その話しをするためにココに来たんだし」

とても意外そうにタンタは言った。

「で、そんな時に言うんだ。
普通に考えたら断る時のセリフだよね、さっきの。
あのさ、もしかして私って浮気相手?」

私はもちろん、自分を浮気用に差し出すつもりはない。

「違うよ、そんな事ないよ。
その人、結婚して遠くに居るし。
もちろん真剣に君と付き合ってるよ」

何が違うんだか、私には理解できない事をタンタは言った。

「他に好きな人がいるのに、真剣に付き合ってるって言えるのかな。
それって、何か……変だよね。
好きな人が遠くにいるから、仕方なく近場の私とお茶を濁してるって事?」

「あ、俺の言い方が悪かったよね。
遠くの彼女と俺、もちろん今は付き合ってないから。
一年に一度、彼女が帰省した時に会うだけだから」

タンタはニッコリして言った。
“今は”とか、すごく気になるワード出てきたんだけどっ。

「何、私の勘違いみたいな態度なの?
七夕みたいな会い方して。
まさか一晩しっかり、しっぽりしてるんじゃないよね」

私が言うと、タンタはビクッとして目がバシャバシャ泳いだ。

「で、でも、彼女とは付き合ってないし、昔ちょっとだけ。
て言っても、小学生の時だから。
それに一年に一度の事だし……、昔からの恒例の行事って感じで」

私は呆れすぎて、口をポカーンとして無言で彼を見た。
“昔から”って、いつから?
恒例行事とか、本気で言ってるの?
しかし聞いたら答えるんだな、隠し事がヘタっての本当だった……かも。

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