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1章
14話 初めての・・・
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ギルドの治療室、ベッドの上で出産間近の女性が苦しそうに叫んでいる。
「ナデシコさんっど、どうにかなりませんかっ?」
ギルドの男性職員が焦った感じで撫子に助けを求める。
いやしかし、専門外なんじゃないか?と言うか何でこんな所で産気付いたんだ?などと考えていると、後ろの方で女性職員の話し声が聞こえる、何でも旦那である男性職員にお弁当を届けに来たらしい。
成る程、
男性職員は奥さんである妊婦さんの手を握りしめている、撫子は妊婦さんの股の間に回ると腹部を触ったり下着を脱がしスカートの中を確認したりして居る。
「…いつも見てくれて居る産婆さんは?………」
「い、今他の職員が呼びに行ってくれています・・・ど、どうしたんですか?」
少し深刻そうな声で撫子が言う、旦那さんは何かあったのかと、心配そうに撫子に尋ねる。
「逆子、ですね…」
「えっ?逆子!?え?・・・そ、そんな・・・」
恐らくこの世界に帝王切開なんて方法は無い、産婆さんって言ってたくらいだ、産婆が出産の殆どを取り仕切るのだと思う、それ故に、きっとこの世界での逆子の生存率は其れ程高く無いのだろう。
男性職員の顔が青ざめて行く。妊婦さんの汗を拭いたりなどの、手伝いをしていた職員が女性を励ます様に声をかける。
逆子、何か忘れてる様な、何かの本で読んだ様な、誰かから聞いた様な・・・・
「ほら、頑張って下さい!もう少しですよ!いきんでいきんで!」
そうだ思い出した!俺は 撫子の近くに駆け寄る、妊婦さんの方は向かない様にしてナデシコに話しかける
逆子がどんな状況か、確認する為だ。どうやら足ではなく、お尻が先に見えるらしい、最悪の状況では無さそうだ。俺は妊婦さんを励ます職員に声を上げる。
「多分っ!いきませちゃダメだ。色んなところがひっかるから、赤ちゃんが出てくる入口が開ききってからが、1番安全に産める筈なんだ!」
職員や、旦那さんが顔を見合わせたりして居る。どうして良いか解らないようだ、
「で、でも、こんなに苦しそうだし、早く産んだ方が良いんじゃ・・・!」
「いえ、この子の言う通りに、責任は私が取りますから。」
撫子がそう言い切る、俺の顔を見ると次はどうしたら良いかと言う様子で俺の目を見る、俺は頷いて返事をすると、みんなに向かって話す。
「旦那さんと、貴女は、奥さんがいきまない様に話しかけ続けて下さい。ナデシ、姉さんは痛み止め魔法みたいなのが有ればそれを掛け続けて。」
何十分程経っただろうか。
「兄様!充分開きました。」
「旦那さん!いきませて!奥さん頑張って!いきんで!」
「は、はいぃ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産婆が来たのは丁度赤ん坊が出た時だった。後の事は産婆がテキパキと動いて、皆に指示を出して居る。
撫子は母親になった奥さんに治癒魔法をかけて居る。俺はと言うと、近くにあった椅子にグッタリと腰掛け放心状態だ。凄かった、うん、生命の神秘だ。
ちなみに出産中に、撫子が俺を兄様と呼んだのには皆パニックで気がついて居ないらしい。
俺の子でも無いのにちょっと感動しちまった。
盗賊と間違えられて殺された奴らを見て1日しか経ってないのにな、俺も大概だ。
大体の処置が済み、産婆が俺の所にやってくる、
「坊が、指示を出してくれたんだって?小さいのに、やるじゃ無いか!」
年の功、60くらいの婆さんと言うよりは、快活なおばさんが俺の肩を叩く。
そして旦那さんが俺の近くにやってくる。
「お、弟くんっあ、ありがとうぅ!ぶ、無事に産まれたよおおおお!」
「い、いえ、俺は大した事は。」
「ありがとおおおおお!」
旦那さんはもう、号泣だ。まあ、そりゃそうだろうな、
その日のギルドはお祭り騒ぎで、皆浮き足立ちオークの鑑定どころではなかった様で、ギルド職員たちに捕まる前に、館へと戻る事にした・・・
館へと帰り。ソファへと倒れこむと、意識が遠くなる・・・
「ナデシコさんっど、どうにかなりませんかっ?」
ギルドの男性職員が焦った感じで撫子に助けを求める。
いやしかし、専門外なんじゃないか?と言うか何でこんな所で産気付いたんだ?などと考えていると、後ろの方で女性職員の話し声が聞こえる、何でも旦那である男性職員にお弁当を届けに来たらしい。
成る程、
男性職員は奥さんである妊婦さんの手を握りしめている、撫子は妊婦さんの股の間に回ると腹部を触ったり下着を脱がしスカートの中を確認したりして居る。
「…いつも見てくれて居る産婆さんは?………」
「い、今他の職員が呼びに行ってくれています・・・ど、どうしたんですか?」
少し深刻そうな声で撫子が言う、旦那さんは何かあったのかと、心配そうに撫子に尋ねる。
「逆子、ですね…」
「えっ?逆子!?え?・・・そ、そんな・・・」
恐らくこの世界に帝王切開なんて方法は無い、産婆さんって言ってたくらいだ、産婆が出産の殆どを取り仕切るのだと思う、それ故に、きっとこの世界での逆子の生存率は其れ程高く無いのだろう。
男性職員の顔が青ざめて行く。妊婦さんの汗を拭いたりなどの、手伝いをしていた職員が女性を励ます様に声をかける。
逆子、何か忘れてる様な、何かの本で読んだ様な、誰かから聞いた様な・・・・
「ほら、頑張って下さい!もう少しですよ!いきんでいきんで!」
そうだ思い出した!俺は 撫子の近くに駆け寄る、妊婦さんの方は向かない様にしてナデシコに話しかける
逆子がどんな状況か、確認する為だ。どうやら足ではなく、お尻が先に見えるらしい、最悪の状況では無さそうだ。俺は妊婦さんを励ます職員に声を上げる。
「多分っ!いきませちゃダメだ。色んなところがひっかるから、赤ちゃんが出てくる入口が開ききってからが、1番安全に産める筈なんだ!」
職員や、旦那さんが顔を見合わせたりして居る。どうして良いか解らないようだ、
「で、でも、こんなに苦しそうだし、早く産んだ方が良いんじゃ・・・!」
「いえ、この子の言う通りに、責任は私が取りますから。」
撫子がそう言い切る、俺の顔を見ると次はどうしたら良いかと言う様子で俺の目を見る、俺は頷いて返事をすると、みんなに向かって話す。
「旦那さんと、貴女は、奥さんがいきまない様に話しかけ続けて下さい。ナデシ、姉さんは痛み止め魔法みたいなのが有ればそれを掛け続けて。」
何十分程経っただろうか。
「兄様!充分開きました。」
「旦那さん!いきませて!奥さん頑張って!いきんで!」
「は、はいぃ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産婆が来たのは丁度赤ん坊が出た時だった。後の事は産婆がテキパキと動いて、皆に指示を出して居る。
撫子は母親になった奥さんに治癒魔法をかけて居る。俺はと言うと、近くにあった椅子にグッタリと腰掛け放心状態だ。凄かった、うん、生命の神秘だ。
ちなみに出産中に、撫子が俺を兄様と呼んだのには皆パニックで気がついて居ないらしい。
俺の子でも無いのにちょっと感動しちまった。
盗賊と間違えられて殺された奴らを見て1日しか経ってないのにな、俺も大概だ。
大体の処置が済み、産婆が俺の所にやってくる、
「坊が、指示を出してくれたんだって?小さいのに、やるじゃ無いか!」
年の功、60くらいの婆さんと言うよりは、快活なおばさんが俺の肩を叩く。
そして旦那さんが俺の近くにやってくる。
「お、弟くんっあ、ありがとうぅ!ぶ、無事に産まれたよおおおお!」
「い、いえ、俺は大した事は。」
「ありがとおおおおお!」
旦那さんはもう、号泣だ。まあ、そりゃそうだろうな、
その日のギルドはお祭り騒ぎで、皆浮き足立ちオークの鑑定どころではなかった様で、ギルド職員たちに捕まる前に、館へと戻る事にした・・・
館へと帰り。ソファへと倒れこむと、意識が遠くなる・・・
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