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2章
5話 学園は思ったよりも厳しい
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門を過ぎ、学園の敷地内に入り辺りを見回すと視界の遠くに学園を包む大森林が見える。俺の千里眼で遠くと感じるくらいだ、相当の距離だろう。
「そういやサリュ、お前騎士科に入るのは良いがちゃんと学費はあるのか?」
「うん、一緒に狩りに行ったお金で充分足りると思うよ!」
サリュはそう言うと俺が教えてやった親指を立てるポーズを見せてくる。まあ、確かに週ベースで金貨2枚の稼ぎ。2年半で白金貨2枚以上は稼いだ。サリュには1年ぶんのブランクがあるがその内の3分の1程度はサリュの取り分だ。1つの家庭で月に金貨1枚で生活出来るくらいだから、まあ余裕はある。
学園の中央の建物まで門から一直線に階段状の緩やかな坂道になっており。その中心を石作りで整備された人工的な小川が門の方に向かって流れている。俺達は今、その小川の両脇に沿った整備された階段状の道を歩いているのだ。
前世で入院していた時に読んだ風景写真の本、母さんと父さんが病院は暇だからと買ってきてくれた本だった。ドイツにあるカッセルのカスカーデンの様だ。あの本の写真を見る度に病気が治ったら一度は行きたいと思っていた場所だ。本物は見る事が出来なかったが。1つ夢が叶ったと言っても良いかも知れないーーー
「くろとっ!凄いねっ、学園の中に川があるんだよ!」
「ああ、凄いな・・・」
「見学に来た時に聞いたんだけど、この滝はこの学園の学長が1から魔法で作り上げた物らしいよ。まったく、どうやったらこんな物を作り出せるんだろうね・・・」
俺達は会話をしながら中央の建物に向かって進む、15分程歩きやっと学園へと着いた、これは自分の住まいから、通うのは相当大変だな・・・なんて事を考える。学園の入り口には案内板と受付の係員が待機していた。受付は今来た入学希望者に順に札を配り。一定数が集まると建物の中に案内されていった。ロシェルやサリュと話をしながら待つと数分後俺達のグループが呼ばれる。建物の中は思ったよりも簡素なものだった。調度品や額入りの絵等は無い。とにかく広いホールに中央には大階段だ、俺達は其処を通り抜けると建物の奥、大階段の真下にある扉に通される。するとまた外へと出た。
「ん?建物の裏側に出たのか?」
「そうみたいだね、試験はココでやるみたいだ」
建物の裏手は、広い敷地が広がる。目の前には建物では無く。地面が下がったタイプの円形の闘技場。どうやら、ココで試験を行う様だ。試験の開始時刻になると魔石を持った試験官が現れる。
「今年度の入学試験を受けに来た諸君、私は試験官のカラードだ。まず総合科、騎士科、魔法科の諸君の試験はこのドックタグにて行う!このドックタグを握り魔力を込め名を名乗る、それで測定試験は終わりだ。魔石による魔力のブースト行為などは出来ないようになっている。不正をした者はその時点で失格。上位10名が総合科に合格、その中に入れなかったものから、得意分野において騎士科か魔法科か、どちらかはドックタグが判定する。勿論学園側の不正は一切ない!職人科及び商業科のみ独自に試験を行う!これに文句のある者は試験開始前に学園から出て行くように!」
魔石には音声拡張魔法が込められているようで1番後ろの方までしっかりと聞こえる様な声量だった。
先へ進むと大きめの机がドンと広場に3つ程並んである。
俺とサリュ、ロシェルは、真ん中に並ぶ。真ん中が総合科、騎士科、魔法科の判別をする。両脇は商業科と職人科、近くに並んだ者達の話し声を聞くとどうやら商業科は主に賢さを、職人科は主に器用さをベースに判定するらしい。そして各クラスをドックタグが判別した後ペーパーテストに入る。完全な実力主義のテストの様だ、テクニック等は入学してから身に付けろって事だろうな。
「うぅ、くろとーサリュ魔法科になったらどうしよう・・・」
「いや、安心しろ、サリュが魔法科になる事はあり得ない。お前は騎士科に入れるか落ちるかのどっちかだ」
10分程で俺たちの番が来る。俺の前でロシェルが黒いドックタグの様な物を手に持っている。ロシェルが自分の名を名乗るとドックタグが光を帯びるがすぐ消える。試験官の追加の説明によればすべての受験者の試験が終わってからタグが順位を判断しクラス分けを行うらしい。
「ふう、緊張したけど結果はすべての試験が終わってから、という事だね」
そして、俺の番、黒色のドックタグが渡される。俺はどちらの名を名乗るか迷って居た、自分で能力値確認をかけるとワヒト・クロガネ。クロト・デュアリスとどちらも出るからだ。どちらでも良いとすれば、クロト・デュアリスにしておこう。王から魔石の事で連絡も来るかもしれないしな・・・
「クロト・デュアリス」
そう声に出しタグに魔力を込める。タグが閃光を発し元に戻る。タグの表面にはこの世界の文字でクロト・デュアリスと刻まれて居た。よし、取り敢えず光った様だし不正扱いにはならない様だ。俺はその場を退くと今度はサリュの番だ。
無事にサリュも測り終わり、後は結果を待つばかりだ。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
数十分程待っただろうか、試験官に整列する様に言われる。そしてガヤガヤとした雑音の中、整列が終わり試験官が先ほどの様に魔石を手に持ち声を上げた。
「それでは結果の発表になる。諸君等はタグを手に取りたまえ、後少しで一斉にタグの色が変わる筈だ。総合科は白色、魔法科は金、騎士科は銀。商業科は銅、職人科は鉄だ!その色が諸君等の価値を表しているのでは無い!金が鉄より良いわけでも無い。各々の素材には各クラスの特性に合わせた価値があるのだ!それを充分に理解したうえでタグを見たまえ!」
俺達は掌に握られたタグを見る。ガヤガヤとしていた筈だったがそれが嘘の様にしんと静まりかえる。手元のタグが淡い光を帯び始める・・・
俺の手元には無事に真白なタグがキラリと光っていた。
周りではやった!やら、チクショウやら。喜びとがっかりとした声が混ざる。俺の隣でフードを被った女の子が今にも泣きそうな声を出しているのが聞こえる、俺はチラリと彼女の手元だけを見ると、黒いドッグタグを握って居た。そしてポンと俺の肩が叩かれるとロシェルが笑顔で話しかけて来る。
「クロト、君も総合科に受かったみたいだね!僕も無事受かった様だよ。これで僕らは同じクラスだ、改めてよろしくクロト」
「ああ、よろしくロシェル」
俺はロシェルに言葉を返した後に、サリュを探す。サリュはふるふると震えながら俺と瞳を合わすと、
「やったよー!わひっ、くろと!サリュも騎士科にうかったよ!」
「おお、やったなサリュ!おめでとう。これでサリュとも同級生だな」
「そうだね、僕とも仲良くしてくれると嬉しいよサリュ、よろしくね!」
俺とロシェル、サリュは3人で喜びを分かち合う、周りの複数人も似た様な感じだった・・・が、そこで声が響いた。
「そんな馬鹿な訳があるかっ!僕はザルガン公爵の息子だぞ!その僕が総合科じゃ無く魔法科だって?そんな訳あるか!僕は周りに今まで天才と言われてきたんだ!ふざけるな!こんなの不正に決まってる!ザルガン家を陥れる為の陰謀に決まってる!」
誰かがそう叫び始めた、まあ、ありがちなパターンだ。自分が落ちてしまったのが受け入れられないんだろう。チラリと試験官の方を俺は見る。試験官はハアとため息を吐くと魔石を使い声を張り上げる。
「そこのザルガン家の御子息とやらをつまみ出せ!この学園に王都での地位や名誉は全くといって良い程に関係が無い!私は文句があるのなら出て行けと言った筈だ。係員は彼のタグを回収しろ!そして彼にはこの学園から出て言ってもらえ、門まで連れて行け!」
近くに待機していた係官が彼を押さえ付け、無理矢理に連れて行こうとする。彼は何やらしょうがないから魔法科でも良いだの何だの喚いて居たが、彼のドックタグが係員に回収されるとタグは元の黒いタグに戻った。その瞬間、あっーーと隣で声が聞こえた。
「やった!やったよー!私のタグぅう!金色になったよぉお!やったよぉ!」
あまりの喜び様に俺は隣で先程まで泣いて居たであろう彼女の方を振り向くーーと彼女が喜びのあまりフードを外した。ピンと横に伸びた耳に浅黒い肌、太陽光を反射する美しい銀の髪。彼女はそう、ダークエルフだった。
「そういやサリュ、お前騎士科に入るのは良いがちゃんと学費はあるのか?」
「うん、一緒に狩りに行ったお金で充分足りると思うよ!」
サリュはそう言うと俺が教えてやった親指を立てるポーズを見せてくる。まあ、確かに週ベースで金貨2枚の稼ぎ。2年半で白金貨2枚以上は稼いだ。サリュには1年ぶんのブランクがあるがその内の3分の1程度はサリュの取り分だ。1つの家庭で月に金貨1枚で生活出来るくらいだから、まあ余裕はある。
学園の中央の建物まで門から一直線に階段状の緩やかな坂道になっており。その中心を石作りで整備された人工的な小川が門の方に向かって流れている。俺達は今、その小川の両脇に沿った整備された階段状の道を歩いているのだ。
前世で入院していた時に読んだ風景写真の本、母さんと父さんが病院は暇だからと買ってきてくれた本だった。ドイツにあるカッセルのカスカーデンの様だ。あの本の写真を見る度に病気が治ったら一度は行きたいと思っていた場所だ。本物は見る事が出来なかったが。1つ夢が叶ったと言っても良いかも知れないーーー
「くろとっ!凄いねっ、学園の中に川があるんだよ!」
「ああ、凄いな・・・」
「見学に来た時に聞いたんだけど、この滝はこの学園の学長が1から魔法で作り上げた物らしいよ。まったく、どうやったらこんな物を作り出せるんだろうね・・・」
俺達は会話をしながら中央の建物に向かって進む、15分程歩きやっと学園へと着いた、これは自分の住まいから、通うのは相当大変だな・・・なんて事を考える。学園の入り口には案内板と受付の係員が待機していた。受付は今来た入学希望者に順に札を配り。一定数が集まると建物の中に案内されていった。ロシェルやサリュと話をしながら待つと数分後俺達のグループが呼ばれる。建物の中は思ったよりも簡素なものだった。調度品や額入りの絵等は無い。とにかく広いホールに中央には大階段だ、俺達は其処を通り抜けると建物の奥、大階段の真下にある扉に通される。するとまた外へと出た。
「ん?建物の裏側に出たのか?」
「そうみたいだね、試験はココでやるみたいだ」
建物の裏手は、広い敷地が広がる。目の前には建物では無く。地面が下がったタイプの円形の闘技場。どうやら、ココで試験を行う様だ。試験の開始時刻になると魔石を持った試験官が現れる。
「今年度の入学試験を受けに来た諸君、私は試験官のカラードだ。まず総合科、騎士科、魔法科の諸君の試験はこのドックタグにて行う!このドックタグを握り魔力を込め名を名乗る、それで測定試験は終わりだ。魔石による魔力のブースト行為などは出来ないようになっている。不正をした者はその時点で失格。上位10名が総合科に合格、その中に入れなかったものから、得意分野において騎士科か魔法科か、どちらかはドックタグが判定する。勿論学園側の不正は一切ない!職人科及び商業科のみ独自に試験を行う!これに文句のある者は試験開始前に学園から出て行くように!」
魔石には音声拡張魔法が込められているようで1番後ろの方までしっかりと聞こえる様な声量だった。
先へ進むと大きめの机がドンと広場に3つ程並んである。
俺とサリュ、ロシェルは、真ん中に並ぶ。真ん中が総合科、騎士科、魔法科の判別をする。両脇は商業科と職人科、近くに並んだ者達の話し声を聞くとどうやら商業科は主に賢さを、職人科は主に器用さをベースに判定するらしい。そして各クラスをドックタグが判別した後ペーパーテストに入る。完全な実力主義のテストの様だ、テクニック等は入学してから身に付けろって事だろうな。
「うぅ、くろとーサリュ魔法科になったらどうしよう・・・」
「いや、安心しろ、サリュが魔法科になる事はあり得ない。お前は騎士科に入れるか落ちるかのどっちかだ」
10分程で俺たちの番が来る。俺の前でロシェルが黒いドックタグの様な物を手に持っている。ロシェルが自分の名を名乗るとドックタグが光を帯びるがすぐ消える。試験官の追加の説明によればすべての受験者の試験が終わってからタグが順位を判断しクラス分けを行うらしい。
「ふう、緊張したけど結果はすべての試験が終わってから、という事だね」
そして、俺の番、黒色のドックタグが渡される。俺はどちらの名を名乗るか迷って居た、自分で能力値確認をかけるとワヒト・クロガネ。クロト・デュアリスとどちらも出るからだ。どちらでも良いとすれば、クロト・デュアリスにしておこう。王から魔石の事で連絡も来るかもしれないしな・・・
「クロト・デュアリス」
そう声に出しタグに魔力を込める。タグが閃光を発し元に戻る。タグの表面にはこの世界の文字でクロト・デュアリスと刻まれて居た。よし、取り敢えず光った様だし不正扱いにはならない様だ。俺はその場を退くと今度はサリュの番だ。
無事にサリュも測り終わり、後は結果を待つばかりだ。
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
数十分程待っただろうか、試験官に整列する様に言われる。そしてガヤガヤとした雑音の中、整列が終わり試験官が先ほどの様に魔石を手に持ち声を上げた。
「それでは結果の発表になる。諸君等はタグを手に取りたまえ、後少しで一斉にタグの色が変わる筈だ。総合科は白色、魔法科は金、騎士科は銀。商業科は銅、職人科は鉄だ!その色が諸君等の価値を表しているのでは無い!金が鉄より良いわけでも無い。各々の素材には各クラスの特性に合わせた価値があるのだ!それを充分に理解したうえでタグを見たまえ!」
俺達は掌に握られたタグを見る。ガヤガヤとしていた筈だったがそれが嘘の様にしんと静まりかえる。手元のタグが淡い光を帯び始める・・・
俺の手元には無事に真白なタグがキラリと光っていた。
周りではやった!やら、チクショウやら。喜びとがっかりとした声が混ざる。俺の隣でフードを被った女の子が今にも泣きそうな声を出しているのが聞こえる、俺はチラリと彼女の手元だけを見ると、黒いドッグタグを握って居た。そしてポンと俺の肩が叩かれるとロシェルが笑顔で話しかけて来る。
「クロト、君も総合科に受かったみたいだね!僕も無事受かった様だよ。これで僕らは同じクラスだ、改めてよろしくクロト」
「ああ、よろしくロシェル」
俺はロシェルに言葉を返した後に、サリュを探す。サリュはふるふると震えながら俺と瞳を合わすと、
「やったよー!わひっ、くろと!サリュも騎士科にうかったよ!」
「おお、やったなサリュ!おめでとう。これでサリュとも同級生だな」
「そうだね、僕とも仲良くしてくれると嬉しいよサリュ、よろしくね!」
俺とロシェル、サリュは3人で喜びを分かち合う、周りの複数人も似た様な感じだった・・・が、そこで声が響いた。
「そんな馬鹿な訳があるかっ!僕はザルガン公爵の息子だぞ!その僕が総合科じゃ無く魔法科だって?そんな訳あるか!僕は周りに今まで天才と言われてきたんだ!ふざけるな!こんなの不正に決まってる!ザルガン家を陥れる為の陰謀に決まってる!」
誰かがそう叫び始めた、まあ、ありがちなパターンだ。自分が落ちてしまったのが受け入れられないんだろう。チラリと試験官の方を俺は見る。試験官はハアとため息を吐くと魔石を使い声を張り上げる。
「そこのザルガン家の御子息とやらをつまみ出せ!この学園に王都での地位や名誉は全くといって良い程に関係が無い!私は文句があるのなら出て行けと言った筈だ。係員は彼のタグを回収しろ!そして彼にはこの学園から出て言ってもらえ、門まで連れて行け!」
近くに待機していた係官が彼を押さえ付け、無理矢理に連れて行こうとする。彼は何やらしょうがないから魔法科でも良いだの何だの喚いて居たが、彼のドックタグが係員に回収されるとタグは元の黒いタグに戻った。その瞬間、あっーーと隣で声が聞こえた。
「やった!やったよー!私のタグぅう!金色になったよぉお!やったよぉ!」
あまりの喜び様に俺は隣で先程まで泣いて居たであろう彼女の方を振り向くーーと彼女が喜びのあまりフードを外した。ピンと横に伸びた耳に浅黒い肌、太陽光を反射する美しい銀の髪。彼女はそう、ダークエルフだった。
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