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4章
早く目を開けて
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「ふ、うま・・・?」
乃愛が起き上がった時、少し前に風真が倒れていて__。
腹部には、えいまが投げたチェンソーが刺さっている。
「う、う・・そ・・・。風真!?風真っ!!」
風真を揺すっても、目は閉じたまま。ぼろぼろと涙を零れてくる。
乃愛の頬を伝って、涙が風真にぽろりと落ちた。それが、何滴落ちた頃だろうか。
「う・・・。やっぱ、いてーな・・・」
聞き覚えのある声が、聞こえてきた。驚いて、声が聞こえたほうに顔を向けると、
風真の目が開いていて・・・。
「え、え?風真、な、何で・・・」
驚いている、乃愛に風真は笑顔で言った。
「これ、見てみ」
疑問に思っている乃愛をよそに、風真は服のすそを上げた。
そこには、鉄板がついていた。その鉄板に、チェンソーの刃が刺さっている。
「乃愛を助ける前、見つけたんだ」
でも、つけていたとはいえ、衝撃がすごかったらしい。別に、けがしてないと
いうことを知った乃愛は、安心してまた、涙が出てきた。
それを見て、今度は風真が驚き、目を見開く。
「お、おい、どうしたんだよ・・・」
「ううん。なんでもないよ」
そう言うが、風真の不安の目は、晴れない。なんとか、涙をこらえようとするが、
逆にどんどん溢れ出てくる。服の袖で、拭っても拭いきれない、そんなことを
繰り返していた時だ。乃愛の頭の上に、温かい手が置かれたのは。
「え?」
風真の予想外の行動に、涙が引っ込んだ。
「やっと、止まったな」
喋るとまた涙が出てきそうで、こくんと頷く。そして、風真は乃愛を
立ち上がらせると、腹部に刺さっていた、チェンソーと鉄板を抜き取った。
「舞花を、助けるぞ!」
そう、乃愛に言うと、 武器を持っていない、えいまに向かって駆けて行った。
もうすぐ、日が昇りそうだ___。
乃愛が起き上がった時、少し前に風真が倒れていて__。
腹部には、えいまが投げたチェンソーが刺さっている。
「う、う・・そ・・・。風真!?風真っ!!」
風真を揺すっても、目は閉じたまま。ぼろぼろと涙を零れてくる。
乃愛の頬を伝って、涙が風真にぽろりと落ちた。それが、何滴落ちた頃だろうか。
「う・・・。やっぱ、いてーな・・・」
聞き覚えのある声が、聞こえてきた。驚いて、声が聞こえたほうに顔を向けると、
風真の目が開いていて・・・。
「え、え?風真、な、何で・・・」
驚いている、乃愛に風真は笑顔で言った。
「これ、見てみ」
疑問に思っている乃愛をよそに、風真は服のすそを上げた。
そこには、鉄板がついていた。その鉄板に、チェンソーの刃が刺さっている。
「乃愛を助ける前、見つけたんだ」
でも、つけていたとはいえ、衝撃がすごかったらしい。別に、けがしてないと
いうことを知った乃愛は、安心してまた、涙が出てきた。
それを見て、今度は風真が驚き、目を見開く。
「お、おい、どうしたんだよ・・・」
「ううん。なんでもないよ」
そう言うが、風真の不安の目は、晴れない。なんとか、涙をこらえようとするが、
逆にどんどん溢れ出てくる。服の袖で、拭っても拭いきれない、そんなことを
繰り返していた時だ。乃愛の頭の上に、温かい手が置かれたのは。
「え?」
風真の予想外の行動に、涙が引っ込んだ。
「やっと、止まったな」
喋るとまた涙が出てきそうで、こくんと頷く。そして、風真は乃愛を
立ち上がらせると、腹部に刺さっていた、チェンソーと鉄板を抜き取った。
「舞花を、助けるぞ!」
そう、乃愛に言うと、 武器を持っていない、えいまに向かって駆けて行った。
もうすぐ、日が昇りそうだ___。
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