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日常編
ゆみちゃん
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6年1組では、最近ちょっと変わった遊びが流行っていた。
その名も「おへそ当てゲーム」。体操服の上から背中合わせになって、おへその位置で相手を当てるという、単純だけど妙に盛り上がる遊びだ。
「よーし、次はかなこ!」
クラスの女子たちが円になって、わいわいと笑っている。
かなこはくるりと振り返り、向かいに立っているゆみを見てにやっと笑った。
「ゆみ、またすぐばれちゃうんじゃない?」
「も、もうやだよ~……」
ゆみは少し困ったようにお腹を押さえた。
スタイルの良いゆみは、姿勢や立ち方の特徴でなぜかすぐに当てられてしまうのだ。
しかも、みんなそれを面白がっている。
「じゃあいくよー!」
背中合わせになり、そっと体を寄せる。
「うーん……この感じは……」
かなこが少し考えてから、ぱっと手を挙げた。
「ゆみ!」
「ええっ!? また!?」
周りの女子たちが一斉に笑い出す。
「すごい、三回連続!」
「ゆみ、分かりやすすぎ~!」
ゆみは顔を赤くして後ずさった。
「もう無理! 逃げる!」
そう言って教室の端へ走ろうとする。
しかし――
「待った待った~!」
「まだ罰ゲームが終わってないよ!」
「えっ……まさか……」
ゆみの表情が一瞬で警戒モードになる。
「くすぐりの刑でーす!」
「やめてぇぇ!」
次の瞬間、脇腹をちょん、とつつかれる。
「ひゃっ! あははっ!」
思わず高い声が出てしまう。
体をぎゅっと縮めるゆみ。
「ほらほら、ここ弱いでしょ?」
かなこが優しく指先でくすぐると、
「や、やめて……っ、あはははは!」
笑いが一気にこぼれた。
押さえている二人も笑いながら言う。
「ゆみ、すぐ反応する~!」
「逃げようとしてももう遅いよ~」
「ほんとにだめ! くすぐったいってば!」
ゆみは肩をすくめて体をくねらせるが、笑いが止まらない。
「ふふっ、あははっ……や、やめ……!」
かなこは様子を見ながら、くすぐり方を少し弱めた。
「そんなに弱いとは思わなかったなぁ」
「弱くないもん……っ、あはは!」
否定しようとしても、また脇腹をくすぐられて声が跳ねる。
「ほら降参する?」
「する! するからやめて~!」
ゆみは涙目で笑いながら必死にうなずいた。
「ほんと?」
「ほんとに降参!」
その言葉を聞いて、かなこたちはぱっと手を離した。
「はぁ……はぁ……」
ゆみはその場にしゃがみ込み、息を整える。
頬は赤く、まだくすぐったさの余韻で肩が小さく震えている。
「もう~……みんなひどいよ……」
そう言いながらも、口元には笑みが浮かんでいた。
かなこが隣にしゃがんで、少し申し訳なさそうに笑う。
「ごめんごめん。でも逃げるから余計にやりたくなるんだよ」
「それ絶対わざとでしょ……」
ゆみはくすっと笑った。
「じゃあ次は平和に遊ぼう?」
「うん……くすぐりは禁止ね!」
「えー?」
「それはつまんないよ!」
教室から笑い声が途絶えることはなかった。
その名も「おへそ当てゲーム」。体操服の上から背中合わせになって、おへその位置で相手を当てるという、単純だけど妙に盛り上がる遊びだ。
「よーし、次はかなこ!」
クラスの女子たちが円になって、わいわいと笑っている。
かなこはくるりと振り返り、向かいに立っているゆみを見てにやっと笑った。
「ゆみ、またすぐばれちゃうんじゃない?」
「も、もうやだよ~……」
ゆみは少し困ったようにお腹を押さえた。
スタイルの良いゆみは、姿勢や立ち方の特徴でなぜかすぐに当てられてしまうのだ。
しかも、みんなそれを面白がっている。
「じゃあいくよー!」
背中合わせになり、そっと体を寄せる。
「うーん……この感じは……」
かなこが少し考えてから、ぱっと手を挙げた。
「ゆみ!」
「ええっ!? また!?」
周りの女子たちが一斉に笑い出す。
「すごい、三回連続!」
「ゆみ、分かりやすすぎ~!」
ゆみは顔を赤くして後ずさった。
「もう無理! 逃げる!」
そう言って教室の端へ走ろうとする。
しかし――
「待った待った~!」
「まだ罰ゲームが終わってないよ!」
「えっ……まさか……」
ゆみの表情が一瞬で警戒モードになる。
「くすぐりの刑でーす!」
「やめてぇぇ!」
次の瞬間、脇腹をちょん、とつつかれる。
「ひゃっ! あははっ!」
思わず高い声が出てしまう。
体をぎゅっと縮めるゆみ。
「ほらほら、ここ弱いでしょ?」
かなこが優しく指先でくすぐると、
「や、やめて……っ、あはははは!」
笑いが一気にこぼれた。
押さえている二人も笑いながら言う。
「ゆみ、すぐ反応する~!」
「逃げようとしてももう遅いよ~」
「ほんとにだめ! くすぐったいってば!」
ゆみは肩をすくめて体をくねらせるが、笑いが止まらない。
「ふふっ、あははっ……や、やめ……!」
かなこは様子を見ながら、くすぐり方を少し弱めた。
「そんなに弱いとは思わなかったなぁ」
「弱くないもん……っ、あはは!」
否定しようとしても、また脇腹をくすぐられて声が跳ねる。
「ほら降参する?」
「する! するからやめて~!」
ゆみは涙目で笑いながら必死にうなずいた。
「ほんと?」
「ほんとに降参!」
その言葉を聞いて、かなこたちはぱっと手を離した。
「はぁ……はぁ……」
ゆみはその場にしゃがみ込み、息を整える。
頬は赤く、まだくすぐったさの余韻で肩が小さく震えている。
「もう~……みんなひどいよ……」
そう言いながらも、口元には笑みが浮かんでいた。
かなこが隣にしゃがんで、少し申し訳なさそうに笑う。
「ごめんごめん。でも逃げるから余計にやりたくなるんだよ」
「それ絶対わざとでしょ……」
ゆみはくすっと笑った。
「じゃあ次は平和に遊ぼう?」
「うん……くすぐりは禁止ね!」
「えー?」
「それはつまんないよ!」
教室から笑い声が途絶えることはなかった。
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