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第五部 風雲急編
王子様と赤獅子姫
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他に挨拶回りするところがあるからと言うトーマと別れてすぐ、高らかなファンファーレと共に本日の主役たちのご入場となった。
国王夫妻、ミリアルドとアーメンガート、そして――フロリアンとセシリア。
金髪碧眼の絵にかいたような王子様のフロリアンだが、ゲームで見慣れた白の盛装ではなく、儀礼用としてふんだんに装飾が盛り込まれた黒の騎士服だった。
ミリアルドと同じメインヒーローかつ美形王子様キャラではあるが、高い知性が全面に出て冴え冴えとした印象の強いミリアルドとは違い、フロリアンは柔和で人当たりがよさそうで……なのに妙に腹黒そうな感じがする。
ジゼルは直感した。あれは従者と同じ食えない男だと。
だが、それが読み取れないただの面食い令嬢たちは、
「フロリアン様、素敵ですわぁ……」
「一曲だけでも踊ってくだされば、一生の思い出になること間違いなしです……」
目をハートにして熱いまなざしを送っていた。
去年もこんなことがあったようななかったような……デジャブな光景である。
相変わらずイケメンにときめかないジゼルは一人冷静で「それならうちの従者を、のし付けてくれてやるわ」と思いながら、「フロリアンって腹黒設定あったっけ?」と首をひねっていた。
ミリアルドがシナリオ無視してねじ込んで来たヒロインのせいで、設定とは関係なくヤンデレ化しているのと同様に、彼もなんらかの原因で腹黒になったのかもしれない。
ゲームと現実は違うと割り切って、フロリアンにエスコートされるセシリアに目を向ける。
赤毛と琥珀色の瞳を持つ、きつめの美少女だ。
“赤獅子姫”の二つ名を意識したのか、赤を基調にした肩も背中も大きく開いた挑戦的なドレスに、長くてふかふかの真紅のファーを肩にかけている、ザ・悪役令嬢だ。
アーメンガートはといえば、露出が控えめな淡いピンク色のドレスだ。透け感のある羽衣のようなストールを羽織り、天女のような清楚さと美しさを演出している。
こちらもザ・ヒロインという感じだが……セシリアの何かが三倍になりそうな赤のインパクトが強すぎて、残念ながら霞みがかって見える。
ヒョウ柄で攻めている自分がいうのもなんだが、ちょっとだけ彼女が可哀想に思えた。
こんなド派手美少女が傍らにいながらも、存在感を主張し令嬢を釘付けにするフロリアンは、さすがメインヒーローというべきか。赤に映える黒の衣装を選んだのも勝因かもしれない。
……などと思考を巡らせている間に挨拶が終わり、曲調が変わってダンスの時間となった。
「ふふふ、今日はラッキーだなぁ。僕がジゼルのダンスパートナーを独占できるなんて、そうそうないもんねぇ」
三年目ともなれば感慨もへったくれもなくなった、国王夫妻のファーストダンスをぼんやりと鑑賞していると、兄が満面の笑顔で言うのが聞こえた。
「せやなぁ。ウチは踊るとしたらだいたいお父ちゃんが相手やし、デビューした頃はもうお兄ちゃんはロゼッタと婚約しとったから、あんまりそういう機会はなかったかもなぁ」
婚約者がいようと伴侶がいようと、社交場でダンスの一曲や二曲踊るのは紳士淑女の嗜みとして許容されているが、兄夫婦はよほどの理由がなければパートナー以外と踊ることはない。
それはバカップルゆえではあるが……
「だよねぇ。僕がジゼルと踊ると、ロゼッタが発狂しちゃうからね」
「うん。あれはガチで怖かったわ」
それは妹に夫を取られたことによる嫉妬の爆発ではなく、「私が女であるばかりにジゼル様と踊れないなんて!」という常識に対する不満が爆発した結果である。
「まあ、怒りつつ強がってるロゼッタも可愛いんだけどね。『べ、別にハンス様ばかりずるいとか思ってませんから!』って不貞腐れているとさ、駄々っ子みたいで思わずギュッとしたくなっちゃうんだよねぇ」
「……サラッとのろけ入れてくるなぁ、お兄ちゃん。いや、分かるけどな、その気持ち」
歳相応に落ち着きが出てツンツン具合は減少したが、それゆえにふとした弾みに垣間見るテンプレのツンデレは、ギャップ萌えも手伝って非常にツボる。
ツンデレ美女を思い出し兄妹でうんうんうなずき合っていると、続いて二組の王太子カップルがホールの中央にやってきて、ダンスを始める。
動きに合わせて揺れる裾が風に揺れる花のようで、たとえるならアーメンガートが桜で、セシリアはバラか。
どちらも甲乙つけがたい腕前で、華やかな舞台で美しく咲き誇っており、参加者たちは踊ることも忘れてすっかり見入っている。
ポカンとしているうちに一曲終わると、事前に打ち合わせしてあったのか、お互いに一礼したのちペアを入れ替えた。ミリアルドがセシリアと、フロリアンがアーメンガートと組み、再び踊り出す。
両国間の友好関係をアピールするためだと思われるが、初見の相手なのにパートナーと変わらない動きでホールを舞い、観客を魅了するとは恐れ入る。
ロクにダンスの経験のないジゼルでは、足を踏まないかの不安で頭がいっぱいになってガチガチになり、ヒールでカックンとなって転倒ののち強制終了だ。
ここまで不器用な転生悪役令嬢はそういないだろう。
つくづく、王太子の婚約者に選ばれなくてよかったと痛感する。
(……ていうか、このあと踊るってどんな罰ゲームやねん! どないかしてお兄ちゃんを言いくるめてダンスコースから外れたいところやけど、なんかめっちゃ楽しみにしてるのに嫌やとも言われへんしなぁ……どないしょ……)
たとえるなら、のど自慢大会でプロ顔負けの歌唱力の出場者のあとで、鐘一つレベルのド素人が登場するようなものだ。非常に行きづらい。
人知れず冷や汗を流すジゼルをよそにつつがなく曲は終わり、上の空でパチパチと拍手をしたのち、ペアを戻して退場していく二組のカップルを見送る。
興奮の熱気冷めやらぬホールに足を運ぶペアたちの流れに乗って、ルンルン気分の兄にエスコートされジゼルも渋々向かう。
踊る際には結構体が密着するが、定期的に練習に付き合ってもらっているし、なんなら子供の時からギュウギュウ抱き付かれているので慣れてはいるが、
「はぁ……ジゼルとくっ付いてると癒されるー。このプニプニ感、何度体験してもたまらないなぁ。ね、ギュッとしていい?」
「アカン。ギュッとしてええんは、奥さんと子供だけや」
「うーん、残念……」
冗談ではなく本気で凹むシスコンには、ドン引きするしかない。
そんなくだらないやり取りをしつつ、巧みなリードに任せてステップを踏んでいると、ふと兄が寂しげなつぶやきを漏らした。
「あと何回、こうしてジゼルと踊れるのかな……」
「なんやの、突然。一緒の家に住んでるんやし、踊ろうと思えばいつでも踊れるやないの」
「それはそうだけど、ジゼルはそのうちお嫁に行っちゃうだろう」
「……まあ、ウチを貰うてくれる奇特なお方がおったらな」
十六にもなって縁談の一つも来ない公爵令嬢が、果たして嫁に行けるのか甚だ疑問だが。
「ふふ、心配しなくても大丈夫だよ。とっても素敵な王子様が迎えに来るからね」
「さ、さよですか……」
字面だけ捉えればなんて夢見がちなんだろうと思うが……言葉と表情に含まれる、そこはかとない悪意というか心の闇というかがにじみ出てて怖い。
まるでそれがどこの誰か分かっていそうな口ぶりなのも、重ねて怖い。
ジゼルの知らないところで縁談がまとまりつつある可能性もあるが――ふと、レーリアから自分の息子たちを勧められたことを思い出す。
よもやロクデナシと噂のどちらかに嫁ぐことが決定しているのだろうか。
王家からの打診であれば、いかに公爵家とはいえ安易に断ることはできない。ジゼルがやんわりと拒否したから、親から攻めるパターンに切り替えたのか。
ジゼルの推理は当たらずとも遠からずだが、真実を知るのはもっと後である。
国王夫妻、ミリアルドとアーメンガート、そして――フロリアンとセシリア。
金髪碧眼の絵にかいたような王子様のフロリアンだが、ゲームで見慣れた白の盛装ではなく、儀礼用としてふんだんに装飾が盛り込まれた黒の騎士服だった。
ミリアルドと同じメインヒーローかつ美形王子様キャラではあるが、高い知性が全面に出て冴え冴えとした印象の強いミリアルドとは違い、フロリアンは柔和で人当たりがよさそうで……なのに妙に腹黒そうな感じがする。
ジゼルは直感した。あれは従者と同じ食えない男だと。
だが、それが読み取れないただの面食い令嬢たちは、
「フロリアン様、素敵ですわぁ……」
「一曲だけでも踊ってくだされば、一生の思い出になること間違いなしです……」
目をハートにして熱いまなざしを送っていた。
去年もこんなことがあったようななかったような……デジャブな光景である。
相変わらずイケメンにときめかないジゼルは一人冷静で「それならうちの従者を、のし付けてくれてやるわ」と思いながら、「フロリアンって腹黒設定あったっけ?」と首をひねっていた。
ミリアルドがシナリオ無視してねじ込んで来たヒロインのせいで、設定とは関係なくヤンデレ化しているのと同様に、彼もなんらかの原因で腹黒になったのかもしれない。
ゲームと現実は違うと割り切って、フロリアンにエスコートされるセシリアに目を向ける。
赤毛と琥珀色の瞳を持つ、きつめの美少女だ。
“赤獅子姫”の二つ名を意識したのか、赤を基調にした肩も背中も大きく開いた挑戦的なドレスに、長くてふかふかの真紅のファーを肩にかけている、ザ・悪役令嬢だ。
アーメンガートはといえば、露出が控えめな淡いピンク色のドレスだ。透け感のある羽衣のようなストールを羽織り、天女のような清楚さと美しさを演出している。
こちらもザ・ヒロインという感じだが……セシリアの何かが三倍になりそうな赤のインパクトが強すぎて、残念ながら霞みがかって見える。
ヒョウ柄で攻めている自分がいうのもなんだが、ちょっとだけ彼女が可哀想に思えた。
こんなド派手美少女が傍らにいながらも、存在感を主張し令嬢を釘付けにするフロリアンは、さすがメインヒーローというべきか。赤に映える黒の衣装を選んだのも勝因かもしれない。
……などと思考を巡らせている間に挨拶が終わり、曲調が変わってダンスの時間となった。
「ふふふ、今日はラッキーだなぁ。僕がジゼルのダンスパートナーを独占できるなんて、そうそうないもんねぇ」
三年目ともなれば感慨もへったくれもなくなった、国王夫妻のファーストダンスをぼんやりと鑑賞していると、兄が満面の笑顔で言うのが聞こえた。
「せやなぁ。ウチは踊るとしたらだいたいお父ちゃんが相手やし、デビューした頃はもうお兄ちゃんはロゼッタと婚約しとったから、あんまりそういう機会はなかったかもなぁ」
婚約者がいようと伴侶がいようと、社交場でダンスの一曲や二曲踊るのは紳士淑女の嗜みとして許容されているが、兄夫婦はよほどの理由がなければパートナー以外と踊ることはない。
それはバカップルゆえではあるが……
「だよねぇ。僕がジゼルと踊ると、ロゼッタが発狂しちゃうからね」
「うん。あれはガチで怖かったわ」
それは妹に夫を取られたことによる嫉妬の爆発ではなく、「私が女であるばかりにジゼル様と踊れないなんて!」という常識に対する不満が爆発した結果である。
「まあ、怒りつつ強がってるロゼッタも可愛いんだけどね。『べ、別にハンス様ばかりずるいとか思ってませんから!』って不貞腐れているとさ、駄々っ子みたいで思わずギュッとしたくなっちゃうんだよねぇ」
「……サラッとのろけ入れてくるなぁ、お兄ちゃん。いや、分かるけどな、その気持ち」
歳相応に落ち着きが出てツンツン具合は減少したが、それゆえにふとした弾みに垣間見るテンプレのツンデレは、ギャップ萌えも手伝って非常にツボる。
ツンデレ美女を思い出し兄妹でうんうんうなずき合っていると、続いて二組の王太子カップルがホールの中央にやってきて、ダンスを始める。
動きに合わせて揺れる裾が風に揺れる花のようで、たとえるならアーメンガートが桜で、セシリアはバラか。
どちらも甲乙つけがたい腕前で、華やかな舞台で美しく咲き誇っており、参加者たちは踊ることも忘れてすっかり見入っている。
ポカンとしているうちに一曲終わると、事前に打ち合わせしてあったのか、お互いに一礼したのちペアを入れ替えた。ミリアルドがセシリアと、フロリアンがアーメンガートと組み、再び踊り出す。
両国間の友好関係をアピールするためだと思われるが、初見の相手なのにパートナーと変わらない動きでホールを舞い、観客を魅了するとは恐れ入る。
ロクにダンスの経験のないジゼルでは、足を踏まないかの不安で頭がいっぱいになってガチガチになり、ヒールでカックンとなって転倒ののち強制終了だ。
ここまで不器用な転生悪役令嬢はそういないだろう。
つくづく、王太子の婚約者に選ばれなくてよかったと痛感する。
(……ていうか、このあと踊るってどんな罰ゲームやねん! どないかしてお兄ちゃんを言いくるめてダンスコースから外れたいところやけど、なんかめっちゃ楽しみにしてるのに嫌やとも言われへんしなぁ……どないしょ……)
たとえるなら、のど自慢大会でプロ顔負けの歌唱力の出場者のあとで、鐘一つレベルのド素人が登場するようなものだ。非常に行きづらい。
人知れず冷や汗を流すジゼルをよそにつつがなく曲は終わり、上の空でパチパチと拍手をしたのち、ペアを戻して退場していく二組のカップルを見送る。
興奮の熱気冷めやらぬホールに足を運ぶペアたちの流れに乗って、ルンルン気分の兄にエスコートされジゼルも渋々向かう。
踊る際には結構体が密着するが、定期的に練習に付き合ってもらっているし、なんなら子供の時からギュウギュウ抱き付かれているので慣れてはいるが、
「はぁ……ジゼルとくっ付いてると癒されるー。このプニプニ感、何度体験してもたまらないなぁ。ね、ギュッとしていい?」
「アカン。ギュッとしてええんは、奥さんと子供だけや」
「うーん、残念……」
冗談ではなく本気で凹むシスコンには、ドン引きするしかない。
そんなくだらないやり取りをしつつ、巧みなリードに任せてステップを踏んでいると、ふと兄が寂しげなつぶやきを漏らした。
「あと何回、こうしてジゼルと踊れるのかな……」
「なんやの、突然。一緒の家に住んでるんやし、踊ろうと思えばいつでも踊れるやないの」
「それはそうだけど、ジゼルはそのうちお嫁に行っちゃうだろう」
「……まあ、ウチを貰うてくれる奇特なお方がおったらな」
十六にもなって縁談の一つも来ない公爵令嬢が、果たして嫁に行けるのか甚だ疑問だが。
「ふふ、心配しなくても大丈夫だよ。とっても素敵な王子様が迎えに来るからね」
「さ、さよですか……」
字面だけ捉えればなんて夢見がちなんだろうと思うが……言葉と表情に含まれる、そこはかとない悪意というか心の闇というかがにじみ出てて怖い。
まるでそれがどこの誰か分かっていそうな口ぶりなのも、重ねて怖い。
ジゼルの知らないところで縁談がまとまりつつある可能性もあるが――ふと、レーリアから自分の息子たちを勧められたことを思い出す。
よもやロクデナシと噂のどちらかに嫁ぐことが決定しているのだろうか。
王家からの打診であれば、いかに公爵家とはいえ安易に断ることはできない。ジゼルがやんわりと拒否したから、親から攻めるパターンに切り替えたのか。
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