乙女ゲームの転生ヒロインは、悪役令嬢のザマァフラグを回避したい

神無月りく

文字の大きさ
17 / 30
カーライルの独白4

ここからが正念場

しおりを挟む
 重ねてモーリス嬢に礼を言って屋敷を辞し、待たせてあった馬車の席に着いた瞬間、肺の中の空気が全部抜けたのではと思うほど長い息が漏れた。

 ホワイトリー嬢に二度目の告白をし、リーゼの祝日のデートの約束を取り付けた。
 それはつまり、俺の気持ちを受け入れてくれたということになる。

 正直なところ、狂喜乱舞しておかしなことを叫び出しかねない異常なテンションなのだが、予想よりもことがうまく運び過ぎて、心のどこかでまだこれが現実だと認識していいのか疑っている自分がいる。

 ――彼女があの暗黙のルールを知らなかっただろうする?

 彼女の話を聞く限り、ホワイトリー子爵領はあまり拓けていない土地柄のようだし、リーゼの祝日に馴染みがあるかどうかは微妙だ。俺と一緒に出掛けたいという気持ちに嘘はなくても、ただ異性とデートがしたかっただけとか、マクレイン邸の茶会の詫びのつもりだったとか、そういう可能性だってなくはない。

 だが、俺のデートの誘いに対して真剣に答えを考えてくれていたみたいだし、あの可愛らしい反応――手の甲にキスした時に見せたあの真っ赤な顔は、きっと俺を特別な異性だと思ってくれている証拠だ。

 そうでなければ、あの顔を見ただけで不埒なことが際限なく思い浮かんできたりしない。公爵家と繋がりたいジード家を説得し、マクレイン嬢との関係を断ち切った数々の苦労も、あの一瞬で報われた気持ちになった。

 ……そのせいでつい魔が差しそうになったが、頑張って自重した。
 まだ正式に交際や婚約を申し込んだわけではないし、もし次のデートで失敗すれば愛想を尽かされることだってあり得る。『やらかした責任を取って結婚する』なんて、ホワイトリー嬢の評判に傷がつきかねない。俺の評判は地に落ちているからどうでもいいが。

 それにしても、ここに至るまでは本当に大変だった。
 特にマクレイン嬢と決別する時には大いに揉めたものだ――と、ゆっくりスピードを上げていく馬車の中、俺は遠い目をしながら過去を追想する。

*****
 
「カーライル様……どうしてわたくしではダメなのですか?」
「……マクレイン嬢には申し訳ないが、俺はあなたと婚約する気はまったくない。そのことは繰り返し言ってきたことだし、公爵ともそう話をつけている」

 王宮の応接室にて。

 マクレイン嬢は今日も周囲にあてつけるように水色のドレスをまとい、両親である公爵夫妻の間に腰かけ、上目遣いに対面に座る俺を涙に濡れたアメシストの瞳で見つめる。普通の男ならそれだけでほだされてしまうだろうが、生憎と俺の心は微塵も動かない。

 自分でも驚くくらい精神は安定していて、以前なら見られるだけで頭の中がかき乱されそうになるような不快感があったが、制帽を被らず直視しても一切感じない。

 何故なら、俺にはこの女とは比べ物にならないくらい愛しい人がいるからであり、俺の傍らには信頼するフロリアンとモーリス嬢がいるからだ。

「だというのに、美人局まがいのことをしてまで俺に取り入ろうとするなど、我が国の淑女としてあるまじきことだ。本来なら王族としてあなたを不敬罪に処すところだが、忠臣であるマクレイン公爵家の名誉を傷つけるのは本意ではない。よって、今後一切俺との私的な関わりを持つことを禁じることを条件に、不問に付す方向だ」

 この席が設けられるよりも前に、彼女には好意を持っていないと単刀直入に断りを入れているし、不必要に付きまとうなと忠告もした。それも何度もだ。

 それでも彼女は諦めることなく、前にもまして粘着質に俺に絡んできた。人目も憚らず体のあちこちを擦り寄せてくるばかりか、人を使って誰もいない個室に俺を引き込んで既成事実を作ろうとまでした。

 いくら男が女に比べて性的誘惑に弱いといっても、好きでもない女の見え透いた手練手管に乗るほど愚かではないし、むしろ逆効果でしかない。どんなに輝く美貌を持っていても、交際もしていない相手と閨を共にしようとするなど軽蔑しか感じない。

「そんな……わたくしにとって、カーライル様がすべてです。あなた様のお傍にいられないのであれば、生きている価値はありません。もはやわたくしには自害する道しか――」

「ま、待ちなさい、クラリッサ! いくら見目がいいとはいえ、所詮は王族の恥さらしだ! お前にはもっとふさわしい男を探してやるから、早まるんじゃない!」
「そうですよ! このような男にうつつを抜かしていては、マクレイン家の名折れです! この家を背負って立つ唯一の子として、盲目的な恋から脱却しなさい!」
「……お父様? お母様?」

 両親から厳しく叱責され、マクレイン嬢は目をしばたかせて驚いている。
 彼女は公爵家の一人娘として大事に育てられ、随分甘やかされてきたとニコルから聞いた。その表情から察するに、今まで叱られたことなどなかったのだろう。箱入りの令嬢にはよくあることだ。

 ただ、二人が娘にこのような物言いをしたのは俺に対する侮蔑というわけではなく、事前に王太子から直々に彼女の行動について苦情をつけたことが大きい。
 夫妻はマクレイン嬢が破廉恥なアピールで俺を誘惑していると知り、「娘にはよく言って聞かせますから」と平伏していたが、彼女の様子からやはり愛娘に強く出ることができず、ロクに注意しなかったのだろう。

 こんなことなら公爵の女癖の悪さをネタに脅せばよかったが……そこまでやってはこちらが悪役になりかねない。

 だが、すっかり悲劇のヒロインの役に染まったマクレイン嬢は、つぶらな瞳からポロポロと大粒の涙をこぼしてすすり泣く。

「お、お二人までわたくしを責めるのですか……? わたくしはただ、愛しい殿方に振り向いて欲しかっただけなのです。その方法は淑女として正しいことではなかったかもしれませんが、それほどまでにただこのお方を愛しているだけなのです。それがいけないことなのでしょうか?」
「いや、悪いでしょう。どう考えても」

 涙で濡れる妖しげな紫の瞳で見つめられ、夫妻はあからさまにたじろいで宥めるが、それをフロリアンが一蹴した。

「愛情表現は人それぞれとはいえ、相手の望まないことをするのは愛じゃない。君のしたことは……ただのエゴの押し付けだ。君に兄上はふさわしくないよ。クラリッサ」
「で、殿下……」

 鋭い視線で射すくめられ、さしものマクレイン嬢も息を飲む。
 彼女も公爵令嬢としてそれなりの格の高さを感じるが、やはり国の未来を担う王太子の威厳には遠く及ばない。
 加えて元々温和そうな外面をしているからこそ、冷徹な表情がより冴え冴えと突き刺さってダメージが大きい。

 それでもくじけずマクレイン嬢は泣き落としにかかるが、フロリアンは表情一つ動かさず悠然とした態度を崩さない。そのことに苛立ったのか一瞬だけ眉をひそめたが、すぐに取り繕って次にモーリス嬢へと視線を移す。

「セシリアさんなら、わたくしの乙女心を分かってくださいますわよね?」
「乙女心で犯罪が許されるなら、司法は必要ありませんわね」

 広げた羽扇で口元を覆い、バッサリと切り捨てるモーリス嬢。

 正面から正論をぶつけられて表情も涙も引っ込んだマクレイン嬢は、まだ突き崩す余地のある両親を交互に見ながら懸命に訴えた。

「ねえ、お父様、お母様。わたくし、恋するがゆえにカーライル様を求めているだけではございません。この方は素晴らしいお人なのよ。若くして小隊長を任されるほどですし、部下の方々からの人望も厚いんですのよ。わたくしと共に、きっとマクレイン家を今以上に盛り立ててくれますわ」
「う、うむ……」

「それに、適齢期のご令息のほとんどはすでに婚約済みです。まさかわたくしに、残り物や傷物の殿方を宛がおうなどとお思いですか? それこそ、マクレイン家を汚す行為ではありませんの?」
「それは……」

「ならばもう答えは出ているではありませんか! わたくしの想いを叶え、マクレイン家に益をもたらすことができるのは、このカーライル様だけなのです! お二人のお力添えがあれば、ジード家など容易く説得することができます! それですべてが丸く収まるのですよ! さあ、わたくしのために、マクレイン家のために、カーライル様との婚約を取り付けてくださいませ!」

 マクレイン嬢は大きな身振り手振りを用い、もっともらしい高説を垂れ流す。アメシストの瞳はいつもにもまして妖しく煌めき、公爵夫妻はそれを呆けたように見つめていて、今にも彼女の言いなりになりそうだ。

 体裁を重んじる貴族の性質を利用し、自分に有利なように両親を唆そうとするその様子は、まるで民衆を扇動するカリスマ独裁者のようだ。
 だが、フロリアンがパンパンと手を打つと、夫妻は我に返ったように目をしばたかせる。こうしてみると、まるで彼女の瞳には不可思議な魔力があるように見えるが……そんなおとぎ話じみたことがあるわけがないか。

「……これ以上の話し合いは無駄だね」

 氷のごとくと表現してもなお足りない、絶対零度というべきまなざしをマクレイン嬢に向ける。

「フロリアン・アイザック・フォーレンの名において命じる。クラリッサ・マクレインと我が兄カーライル・ジードとの私的な交友の一切を禁じる。それが破られた場合、マクレイン家より汝を廃嫡する」

 王者にふさわしい威厳をもってそう宣言したフロリアンは、傍に控えていた侍従に手で合図すると、数枚の書類と羽ペンが刺さったインク壺をローテーブルの上に置かせた。

 これはマクレイン嬢と縁を切るための公的な書類で、口約束だけでは心ともないとわざわざ用意してくれたものだ。

「こ、これは……こんな、こんな紙切れ一枚で、わたくしが縛れるとお思いですの!? わたくしは公爵令嬢ですのよ! こんなもの――っ!」

 子供のような癇癪を起こし、書類を破り捨てようとしたマクレイン嬢だが、すぐさまモーリス嬢の羽扇が飛んできて手首に当たり、痛みでひるんだ隙に両親に取り押さえられる。

「クラリッサ、落ち着きなさい!」
「離してくださいまし! どうしてわたくしが何故……このような辱めを受けなければならないのですか!?」

「辱め? むしろ、寛大すぎる温情だよ。ここは紙切れ一枚で済んだことを喜ぶべきで……そして、公爵令嬢を自負するなら、もっと慎みと節度を持った行動をするべきだった。そうすれば、君の言う辱めを受けずに済んだんだよ」

 自業自得だ、とフロリアンは冷たく言い放ち、書類の上を指先でコツコツ叩く。

「これ以上喚くなら、僕に対する不敬罪とする。それが嫌なら、ここにサインして」

 王太子に対する不敬罪となれば、一介の王族である俺の時よりもはるかに厳しく重い裁きになるだろう。それはさすがのマクレイン嬢も避けたいのか、女神のごとき美貌を憤懣やるかたないと言わんばかりにしわくちゃにしながらも、流麗な筆跡で署名した。

*****

 ガタン、と車輪が石か何かに乗り上げた振動で、過去から今に意識が引き戻された。
 あのあと、当事者の俺だけでなく、立会人としてフロリアンとモーリス嬢も署名し、公爵夫妻も娘の行動を監視する立場として書類に署名させられた。

 これで一件落着だ。

 もちろん、マクレイン嬢がまだ何かを企んでいないとも限らないが、夫妻の采配で領地に缶詰めになっているようなので当分は安心だ。

 最大の脅威が消えた今、考えるべきは件のデートである。
 だが、よく思い返してみなくても、俺はその手のことはまったくと言っていいほど経験がない。リーゼの祝日までまだ時間があるとはいえ、悠長に構えていてはあっという間に当日になる。

 前回と同じ轍を踏まないためにも、早急に対策を練らなければいけないが……恥を忍んでニコルに相談するか?
 対価が肉だけでなく俺の黒歴史も根こそぎ持っていかれるのは必至だが、ホワイトリー嬢に愛想を尽かされることと比べれば些末なことだ。
 
 ――このチャンスを不意にすれば次はない。

 俺は一人拳を握り締めて気合を入れ直した。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界で王城生活~陛下の隣で~

恋愛
女子大生の友梨香はキャンピングカーで一人旅の途中にトラックと衝突して、谷底へ転落し死亡した。けれど、気が付けば異世界に車ごと飛ばされ王城に落ちていた。神様の計らいでキャンピングカーの内部は電気も食料も永久に賄えるられる事になった。  グランティア王国の人達は異世界人の友梨香を客人として迎え入れてくれて。なぜか保護者となった国陛下シリウスはやたらと構ってくる。一度死んだ命だもん、これからは楽しく生きさせて頂きます! ※キャンピングカー、魔石効果などなどご都合主義です。 ※のんびり更新。他サイトにも投稿しております。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。

ラム猫
恋愛
 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。  『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。  しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。  彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。 ※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます

咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。 ​そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。 ​しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。 ​アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。 ​一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。 ​これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?

はくら(仮名)
恋愛
 ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。 ※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

処理中です...