呪われた子と、家族に捨てられたけど、実は神様に祝福されてます。

光子

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雨天の山コリカ

変な力

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「紅の魔法使いが依頼を途中で放棄したなんてーー最初から依頼を断るのとは意味が違う。その自由研究とやらが終わるまでは、ここに留まるよ……嫌だけど!」
 折角紅の魔法使いの評判も上場してきた所。ここで、紅の魔法使いが依頼を挫折した。なんて噂を立てられては、面目が立たない。
「さっきまでの晴天が、雨が終わる序章だと信じて、魔物退治しつつ、いけるなら、花の探索をする!無理しない!以上!」
「了解しました!」
「結局やる事は同じか…」
 クラの出した結論に、キリア、ジュンは各々が反応は違うが同意した。
 魔物が大量発生し、危険度が上がっているが、基本的にする事は変わらない。ただ、いつもより、魔物との戦闘回数が格段と増え、探索が思い通りに行えないだけ。
 とてつも無いハードな依頼だと言う事が確定した。

「皆さん、僕の自由研究に付き合わせてしまって申し訳ありません……よろしくお願いしますね」
 そうカトレアが言い終わると、空からまたポツリポツリと雨が降り出し、また現れた魔物との戦闘に、4人は入った。



 *****

 3日後ーーー昼過ぎ。

「めっっちゃしんどいじゃねーか…!」
 ジュンは、本日何度目かの戦闘を終え、膝に手をつきながら、荒い息を整えた。
「結局あれから、雨、雨、雨ーー今はちょっと止んでるけど、さっきまで土砂降りだったし、あの晴天、本当に天候が落ち着く予兆だったのか、最早怪しくない?」
 クラも、荒い息を整えながら、濡れた前髪をかき上げた。
 4人の格好は、雨に打たれ、びしょ濡れ。
 雨が上がったので、キリアは杖をかざし、風魔法で皆の服や髪を乾かした。

「でも、この程度なら、雨天の山コリカでは通常の範囲内だと思います。雨が止んでる時間帯が有りますから」

 雨天の山コリカでは、通常でも、梅雨のように、雨が続くらしい。ただ、異常時は、ここに来たばかりの時の様な滝の様な激しい雨が続いたり、一時も雨が止む事無く、1ヶ月以上振り続けたらしい。

「カトレアはここに来た事あるの?」
「いえ。事前に全て調べて来ました。自分の自由研究に付き合って頂くのですから、情報を得るのは当然です」
 胸高々に笑顔で答えるカトレア。

「最初の時より、進めてはいるよね」
 キリアは、立っている場所から、下を覗いた。
 落ちたら怪我をする。では済まない高さまでは、登っている。
 探索初日は、1時間に6回のペースで魔物とエンカウントし、目指す山の頂上まで全く進めなかったが、今日は1時間に4回のエンカウントのペースで、先に進めた。
 単純に、この地域の魔物の特性や攻撃パターンにも慣れ、倒す時間が短くなった事も要因の一つ。

「この高さになってくると、落ちたら死んじゃうから、一応、気を付けて歩いてよね」
「はい。分かりました」
 クラの忠告を素直に聞き入れるカトレア。

 いざとなれば、私やジュン兄さんが風魔法で助けますけど、反応が1歩でも遅かったらOUTですし、落ちないに越した事は無い。てか、落ちないで。
 王子様の命を握るなんて、緊張で腕が震えて、呪文も上手く唱えれる気がしない…!

「……てか、本当に魔物、ちょっと落ち着いたんじゃない?」
 周りを見渡しながら、そう呟くクラ。

 間違えて欲しく無いのが、1時間に4回魔物とエンカウントって、普通多いんですよ?あって1時間に2回とかなんですよ、普通。今の雨天の山コリカが異常なだけ。感覚が麻痺してるよね。

「最初と比べたらな。そー言えば、あの拠点行くまでも魔物めっちゃ出てたな。急ぎ過ぎて何も考えて無かったけど」

 キリアを休ませなければ!と、必死だったジュン兄さんは、出て来る魔物を片っ端からぶっ飛ばし、何も考える間もなく探し当てたらしい。
 私も、しんどくて呆然としてたから、あの時は何も気にしてなかったや…。

「なら、君の推測があってるかもね」
「そうであって欲しいですね」
 クラの問い掛けを、カトレアは頷きながら答えた。

 それからも、魔物と対峙しながら順調に先に進むと、頂上に着く前、大きな平地になっている場所に、4人は辿り着いた。
「……何だよ、ここ」
 着くなり、ジュンは杖を構え、キリアを背に守ると、警戒の構えをみせた。

「どうしたのジュン?」
「変な、強い魔力を感じる!気持ちわりぃ…!」
「2人とも、瞳の色が戻っていますよ」
「「!」」

 ジュンとクラは、互いに瞳の色を、元の青い色に戻して冒険をしていたが、ここに着くなり、紅い瞳に変化していて、カトレアの指摘に、2人は互いの目を確認し合った。
「私も……感じる……かも。何か変な力…魔法?魔力?だけど……何か違う感じ…」
 キリアも、ジュンの言う変な力を感じ取った。

 (ぐらぐらして気持ち悪いかも……)
 いきなり感じる強い力に慣れず、目眩がして、キリアは、頭を押さえたーーー。



「ーーーおい。そこで何をしてる!」

 急に、人の怒鳴り声が聞こえ、キリアは、頭を押さえたまま、目を見開いた。

 声の主の方に、ジュン、クラは警戒し、2人を守る為、武器を手にし、1歩前に出た。
「なんだぁ?久しぶりに見たな、その目」
 声の主は、ジュン、クラの紅い瞳を見て、まるで汚らわしい物を見ているような、軽蔑の目線を向けた。


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