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それぞれの進む道
迷惑没落一家
しおりを挟むクラ兄さんとのやり取りを終えたカトレア(結局、普通に接して欲しいという要望はクラ兄さんには届かず、平行線のまま)は、2人に向かって、再度、本題を伝えた。
ラナン家の妨害。
紅の瞳を陥れた子孫であり、現在も、紅の瞳の地位向上を望んでおらず、妨害をしていた。
今、紅の瞳の地位は浮上し、昔のように、城に仕える魔法使いと騎士にまで昇格し、逆に、ラナン家は没落寸前にまで降格した。
『因みに、昔ケイは城に仕える魔法使いでした』
『ええーー!!』
地味に驚いた。あのケイ先生が、城の魔法使い…。それだけで凄い事なんだけど、それよりも、ケイ先生が普通に働いて生活出来ていた事にビックリする。今では好きなように、寝て飲んで、ぐーたらして過ごしてるから。
「ラナン家が何か動きがあれば、必ず、僕は阻止します。その際には、お2人にも協力を仰ぐと思うので、また、お力をお貸し頂ければと思います」
「う、うん。分かった」
「かしこまりました」
昔、紅の魔法使いを排除してまで、今の地位を確立したのに、全てを失ってしまった。そんなラナン家が、このまま大人しく失脚するとは考えにくい。
(サウィルンさんは、カトレアの婚約者を狙って行動していたけど、今日の1件を怒りのアレンさんが王様に猛抗議していたから、どうなる事やら…)
王の間に入室するのは緊張すると言っていたのに、着いた時に見たアレンさんは、怒りのまま王様にサウィルンさんの無礼極まりない態度をコンコンと訴えていた。
とりあえず入室許可証は取り返したし、あの人達は、もう城には入って来れない。
「さて、迷惑没落貴族一家はどんな行動を起こすんだろうね」
クラ兄さん……ラナン家の名称は迷惑没落貴族一家になったんですね。元・兄にしろ姉にしろ、何一つとしてラナン家の事を覚える気が無いのは伝わりました。
私達に出来る事は、ラナン家が何を仕掛けて来たとしても、全力でそれに対処し、阻む事。
やっと、紅の瞳の差別が完全に無くなりつつあるのに、邪魔はさせない…!私は、ラナンの家には、屈したく無い…!立派にカトレアの専属魔法使いとしての役割を果たして、紅の瞳の差別を、紅の瞳の名誉回復を、してみせ…ます…!
キリアは、覚悟を胸に抱いた。
*****
数週間後ーーーカトレア視点ーーー。
「アレンから強い要望があった件だが、ラナン家に正式に抗議し、第7王子との婚姻は認めないと通達を行った」
「ありがとうございます」
王の間にて、王が座る椅子に、深く腰掛け、どこか疲れているように、王様は大きく深い溜め息を吐いた。
「お疲れですね、父様」
「疲れたくもなる……これでラナン家に抗議を入れるのが何回目だと思ってるんだ?過去の栄光が無ければ、とっくに没落させている」
高い地位にいた貴族をいきなり没落させるのは難しいが、近年のラナン家は問題を起こしてばかりいて、王様も頭を抱えていた。
「ユーリとサウィルンですね」
「そうだ……全く、どういった教育をしたら、あんなどうしようも無い大人に育つんだ!」
決定打になったのはユーリの一件だが、それ以前にも、細々したものは重なっていたらしい。
「自分より可愛いからって理由で城のメイドを勝手に辞めさせるわ、入団して間も無く、ろくに剣も握れないくせに、自分を副団長しろと要望してきたりーー!それを叱るどころか、容認する親も親だ!」
メイドは、このまま城に戻すのは危険だと、別の就職先を斡旋し、副団長は危険な仕事も行う事になると脅しつつ、諦めさせた。
他にも、問題は山ほどあるが、ラナン家の権力が強く、全て親が揉み消してたらしい。
「ラット兄様の件で、やっと処分を下せたのでしょう?」
「ああ。流石に、第3王子の命を危険に脅かしたのだから、ただで済むはずがあるまい」
その結果、没落貴族までラナン家を引き下げた。最後の温情で貴族を剥奪しなかったが、これで、ラナン家も大人しくなるだろう。そう、王様は安心していた。
だが、実際は違う。
「第1、2、3王子ーーそして、お前にまで、婚約者を打診して来るとはーー厚顔無恥にも程がある!」
「……そんなに声をかけていたのは知りませんでした」
第1、2兄様には、婚約者がいる。にも関わらず、声をかけたんだな。と、呆れてしまう。
「最近、カトレア、お前の評判が良いのを聞き付けて、第4、5、6を押し退けて選ばれたのだろう」
「わー、嬉しくありません」
そこには、第7王子なら結婚出来るだろうと、容易に考えられていた事も想像がつきます。何せ、サウィルンとは、飛び級で留学していた学校で同級生でしたが、散々、『第7王子風情が、ちょっと成績が良いからって、私と肩を並べた気に気にならないでよね』と、見下して来た相手です。
「自分達が置かれている状況が理解出来ないのか……!ただでさえ、騎士団に救助要請が立て込んで入り、大変だと言うのに、これ以上問題事を起こされては困る」
父様は大分、頭が痛い状況みたいですね。次から次へと問題を起こされているのですから、当然です。
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