異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

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第8章

3話~華燐がチートクラスの強さだった件について・1~

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 カナとミユのPvPが終わり、ゴロウとシノンの対決になった。
 両者とも準備が整ったので、開始。ゴロウはいつも通り間合いを詰める。シノンはテイマーなのでペットと共闘する形になるので、ミーちゃんがゴロウに向かっていく。シノンは後方からミーちゃんの支援をする。てか、テイマーの場合、よっぽどのことがない限りこの型が基本なんだが。
 ミーちゃんはスピードで、ゴロウは力で相手を叩こうとする。ゴロウは直線的に大剣を降り下ろしても当たらないことは百も承知なので、横になぎはらう攻撃を行っている。先程は一人と一体いたためあまり効果のなかったなぎはらいだが、今度は一体だけなので狙うようになぎはらうだけで相手を寄せ付けない効果もある。まぁ、今回は例外らしく、ゴロウがなぎはらおうとすると、ミーちゃんがいきなりジャンプ。無防備な背後に回り込み背中から一撃を加えた。これが決め手になり、ゴロウが体勢を崩した瞬間にミーちゃんがラッシュを決め、圧勝。
 次は俺とカナなんだが、華燐が急にこんなことを言い出した。
「耀一。ワレモキョウリョクシヨウ」
こちらとしては何のことかは分からないので「どういうことだ?」と聞き返すと、
「オマエトケイヤクシテヤロウトイッテイルノダ。ホレ、ハヤクスルガヨイ」
とのお返事。高飛車だなぁ。今に始まったことではないが。
 断る理由もないので契約。これで俺もテイマーの一員に。て、あれ?壁になれるであろう前衛と超火力で叩き潰せる前衛アタッカーって、あとは回復さえいれば十分じゃね?そして回復ならばポーションを作ることが出来るようになったし、表面上死角無しなんじゃ…?いやいや、あくまでそれは表面上。実際には機能しないだろう。逆に機能してしまったら他のやつらいらないよ?実際はいてくれる方が良いんだけど、ほとんどすることが無くなるんだが?
 とかまあ、いろんなことが脳裏に浮かぶが、全てシャットアウト。今はこっちに集中するべきだ。
「ヨシ、デハワレガカイフクナドヲシテヤロウ。ナノデアンシンシロヨ?」
これを聞いた瞬間にors体勢になってしまった。責めないで、まさかこのドラゴンが回復までこなすなんて思わないじゃない。てか、本格的に他のやつらの仕事が無くなっていく…下手したら、こいつ、ドラゴン故の耐久の高さで壁も出来るのでは…?
 ors体勢から復帰した俺はようやくPvPを始める。隣には華燐。ああ、駄目だ、悲惨な未来しか見えない。
 結果は分かりきってるけど、ひとまずあったことは説明しておく。まずカナが防御アップの魔法を使って耐久の上昇を図ったが、華燐によるブレスであっという間に体力を削られる。俺の目には物理、魔法共に耐性を上げていたように見えたんだが…?
 ま、まあ、ペットが攻撃しただけ(のはずなんだが、物凄い良心が疼く…)なので攻撃を加える。軽く一発当てただけで終了。うん、実にあっさり。華燐には基本的にボス以外では攻撃してもらわないようにしよう。
「強すぎませんか~?その子~」
うん、そう思うよね。でも、まだ最初に会ったときよりも小さい状態でいてもらっている。大きさ的には一メートル弱まで小さくなってもらってる。なのにあの火力だったんだ、そんなことも言ってしまうよな。メイが言わなければ俺が言っていたところだ。
「ムムム、ナラバモットチカラヲオサエネバナラヌカ。スコシマッテイヨ…」
と華燐が言うので、その間にメイとミユの二人に戦ってもらう。
 PvPが始まり、二人とも魔法で攻撃し合う。当然と言えば当然なんだろうけど、ミユの攻撃はほとんど当たってない。対してメイの攻撃は、ホーミング性能の高い魔法を使っているのか、四、五回に一回は命中している。こればっかりは一次職と二次職の差としか言い様はない。一次職の魔法使いの方はホーミング性能のある魔法なんてほとんどなかった。辛うじてあった魔法も一定距離しかホーミングしてくれない。二次職のソーサラーのホーミング性能のある魔法は当たるほんの少し前までホーミングしてくれるようで、避けた先に魔法があり命中していることが多い。要は偶然的に当たっている、ということだ。メイがそれを狙ってるとは言い切れないしな。結局勝ったのはメイ。で、お次はミユと俺。一発は少しばかり恐いが、それさえどうにかできれば勝てる。華燐には更に力を押さえてもらって、回復のみしてもらおう。
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