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第2章 ちとせの政信奪還作戦
第14話 【悲報】政信、死亡の危機 その2
しおりを挟む「そうやってお前も人の邪魔をするのか!そうかそういうことか、所詮はお前も千春に味方すると、そういうことだな!ほらみたことか、人間なんて信用できぇんだよ!」
突然休憩中の屋上に響いたその怒鳴り声に、ダンス部の全部員が一斉に政信を見た。
なにせ普段から温厚で怒鳴るのなんて部活の指導中以外は例の浮気の件くらいしか見たことがない。
おまけに、今日はやたらと変で急にうずくまってすぐに立ち上がったりとか、怒鳴りだしたと思ったら急に止めたりとか。
さらにさらに、今までの政信ならありえない、開始30分で10分休憩。
まさか政信がどこかおかしくなってしまったのか?と思いつつ見ているうちに政信が手をふりほどき歩き出しかけ。
急にフラフラしたかと思うと前に倒れ込んでしまった。
ちとせの
「政信!目を開けて!ねぇっ!お願いだから目を開けてよ!ねぇってば!」
という必死な叫び声が聞こえるのみ。
真っ先に冷静さを取り戻した部長の桜井は速やかに近寄ると、
「ちとせちゃん、悪いけど泣くのは一旦止めてくれ。すぐに保健室まで連れていって。大塚くん、彩希ちゃん、2人も手伝ってあげて。それで保健室の先生に言ってすぐに救急車の手配と親への連絡もお願いして。遅くなって救えないのは嫌だから」
そう言い、3人に保健室に行かせる。
それと同時に、部員たちに振り返り。
「それからみんな、公演までコラボの方は特にほとんど時間がない。だから私は今から吹部に行ってくる。もし政信が来週までに戻れなかった場合、今回の公演は延期する方向で決めようと思うんだけど良いかい?」
その言葉に全員が一致する。
政信なくして公演は成り立たない。
最近では政信のトーク目当てで来る方も多い。
ならば彼が復帰するまで延期し、仲間である彼を待つのが良いという判断。
それからすぐに吹部の方へ出向きすべてを説明。
こちらも演奏会を延期することに決定し。
「戻ってきた井野くんに褒めてもらえて、さらに喜んでもらえるように、演奏会の方も完成させつつコンクールも全国出場して金賞取って帰って来れるように頑張ろう!」
「エイエイ、オー!」
部員全員が一致団結し、彼が戻ってきたときにサプライズという形で素晴らしい演奏と全国出場、もし全国大会までに戻ってこれなかったら全国金賞という結果をプレゼントするという方向でまとまった。
一方政信はすぐに救急車で病院へ運ばれていった。
そしてこのとき、彼がとてつもなく危機的な状況にいたとは誰も思っても見なかった。
誰もが疲労の蓄積が原因だろうと思っていた今回の件は、かなり複雑な原因だったことを知り、それは彼女たちを苦しめるものとなるのだった……
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次回は救急車の車内で始まったちとせ、武弥、彩希の反省会がメインになります。
その後、病状の説明などへ進んでいきます。
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