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第2章 ちとせの政信奪還作戦

第21話 政信の目覚めと説教と… その3

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「政信、私のこと、嫌い?」

 唐突にわけのわからんことを言い出した。
 その言葉の真意を読むことが出来ず、混乱する俺。
 そしてなぜかニヤニヤしてる武弥とやっとか、という顔をする彩希さん。
 そしてちとせはと言うと。

「ねぇ政信。どうなの?」
「どうなのって言われてもな。嫌いだったら抱きつこうとした時点で平手打ちの一発はお見舞いしてるけど?」
「……聞き方が悪かったのかな?私と一緒にいるのは嫌?」
「……何が言いたいんだ?」

 途端、呆れ顔になる3人。

「ねえ彩希ちゃん、これってもしかして伝わってない?」
「もしかしなくても伝わってないよ。だって考えてごらん?あの政信くんだよ?」
「そっか……、そうだよね。超鈍感・・・だもんね。これはもう勝負に出るしか無いのかな?」
「それ以外に何があるの?もう覚悟決めてがんばんなよ」
「分かった。……あのね、政信」

 なんか見に覚えのないこと言われた気がするけど。
 急に背筋を伸ばしてピンとなったちとせにつられ、思わず自分も背筋をのばしつつ。

「はい」
「私ね、政信が大好き。ずっと一緒にいたいって思うくらい大好き」
「…………それはどっちの意味での『好き』なの?」
「ライクじゃなくてラブの方だよ?」

 突然の告白である。
 聞き間違いかと思ったが、どうやら本当らしい。
 混乱する頭の中を整理するうちにも、ちとせは語り続ける。

「私ね、元カレと別れたときはもう二度と恋愛なんてするもんかって思ってたの。だけど政信と一緒に色々やってくうちにまた好きになっちゃって。でもお姉ちゃんがやったこともあって、頑張って封印してたの。だけど政信が倒れて。……もう二度と会話できないかもって知ったときにすっごく辛くて。胸が張り裂けそうだった。ずっと一緒に生きて暮らしていたい、もっといっぱい話したい、一緒に色んなことしたいって思いが溢れ出ちゃって。良い返事じゃなくたっていい、でも私のこの思いだけは言わなきゃって思ったの」

 それを聞きながら、心のなかで考える。
 最初はもう二度と恋愛なんてしないって思ってたのは俺も一緒。
 だけど、あの時から、いやその前から今までいっぱい支えてもらっていた。
 暴走しそうになったときはうまく抑えてくれたり。
 あのときだって、何度ちとせの存在に助けられていたことか。
 
 それに、山梨まで行ったときも凄く楽しかった自分がいる。
 何より、ちとせのことをついつい目で追ってしまうし、言い寄られているところを見ると無性にムカムカするし、それをバッサリ切り捨てるところを見ると何故か安心する。
 いままでなぜそうなるのか分からなかったが、これが本当の恋なんだろう。
 今思えば、千春のときも多少あったことばかりである。
 それでも、ちとせに対して感じるのは桁が違う。 
 それだけガチ恋といったところか。
 それに気づいた、ならば俺がなすべきことは1つだけである。

「ちとせ」
「はい」
「俺は、ちとせのことが大好きです。付き合ってくれませんか?」

 その返事は言葉ではなく、態度で示された。

 一瞬驚いた顔をしたかと思うと、その表情をくしゃりと歪め、抱きついてきたのだ。




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 お久しぶりです。こちらに投稿するのを忘れておりました。今日からまた連載していきますのでよろしくお願い致します。

 この続きはここまで読んできた皆さんならもう分かってしまうかもしれませんね?


 ところでこういう鈍感ってどうなんだろう……?
 ありですかね?それともナシですかね?

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