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第3章 修学旅行で何も起こらないなんて誰が決めた? 前半:〇〇が黙っているわけがない

第16話 嫉妬の彼女とからかう友人

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 向こうの準備が終わるまでの間待機していようと思った矢先。



 ふと振り返った俺の目の先の存在に驚く。



「ちとせ?」



 頬を膨らませ、黒い炎を立ち昇らせるちとせ。



「あの、ちとせさん?」

「……政信の浮気者」

「はい?」

「だって彩希ちゃんと仲良くしゃべってたじゃん」

「そんなに仲良くしゃべってたか?」

「しゃべってたよ?で、どういうこと?」

「どういうことって?」

「なんのつもりであんなに仲良く喋ってるの?私がいるのに」

「いや、俺はちとせ一筋だよ。彩希さんはただの親友の彼女さんってだけだよ。それに、自分がかつてやられただけあってか、浮気とかは絶対にしないし、されたくないもの」

「ホントに?」

「俺の本心だよ」

「じゃあ今私にキスして。私一筋ならできるでしょ?」

「余裕だな。両親にいじられるくらいだけだし」



 キスを要求されたが、そのくらい普通にできる。

 普段からキスしてるくらいだし、と顔を近づけていく俺。



 結局そこから長い長いキスをして。



『そろそろ十分でしょ~。全部聞こえてるよ~、ちとせちゃんそろそろ一旦離れたら?』



 全部彩希さんに聞かれて、電話越しにからかわれるのだった。





 5分後。



「……」

『……』



 電話越しに大変重い空気が流れていた。

 そもそもの原因は自分たちにあるわけだが、ずっとからかわれ続けた結果、途中から言葉の応酬戦になってしまったのだ。



『今後はお互いにからかいすぎないほうが良いな。とにかく、まずは今度の件についてか?』

「そうだな。と言っても、武弥たちにやってもらうことは1個だけだ。俺たちが学校にいる間もずっと一緒にいて、浮気なんてしてる疑いのかけようがないってことを証言してほしいんだ」

『四六時中いちゃいちゃしてて、砂糖漬けにして殺害した人間の数無数ってことを言えばいいのかな?』

「そこまで要らない。いちゃいちゃしてるくらいで十分だ」

『それだけか。じゃあ楽だな。……よし、じゃあまた明日、ちょっと学校で喋ったらもう本番か』

「そうだな。じゃあまた明日」



 ものの数分で話がまとまり、電話を切る。



 リビングに戻り、話がまとまったことを伝え、今日はお開きになった。



「よし、これで準備万端だな。あとはアイツラがどんな感じでボロを出してくれるか、だな」

「そうだね。……油断してやられないようにね?」

「油断はしない。気をつけないと何やられるかわからないからな。特に今回は手を組んでるから、今までとは色々違うはずだし」

「そうだね。こんどこそ二度と対抗してこないように潰そっか」

「そうだ。今度こそ徹底してやるぞ」




 本番まで、あと2日。
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