婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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じゅーきゅう

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「自信なんてない。僕も必死だ。だけど、今までサボってきたつけが、今来てるんだ。ここで頑張らなくては、王太子の名折れだろう?」

何が王太子よ。今まで2回の人生、両方私を愛することは無かったくせに。私のことを好きになれなかったのだとしても、せめて取り繕う努力くらいはして欲しかった。

一人の女も幸せにできない男が、何言ってるの。

「………分かりました。確かに、1ヶ月この婚約が保留にされるのは事実です。ですが、わたくしにはこの婚約を続ける意思はないということ、ご留意いただければと思います」

「………分かった」

「それと、殿下にはひとつお約束して頂きたい事があります」

「………うん?」

私は息を吸うと、真っ直ぐ殿下を見た。

「一ヶ月後、状況が好転しなかった場合は、この婚約を白紙に戻させてください」

言うと、殿下は少し黙った。考えているのだろう。そして口を開く。

「状況が好転しなかった場合とは、具体的には?」

「どちらか一方が、この婚約に異を唱えるーーー、それが、状況が好転しなかった場合のお話です。逆に言えば、わたくしも殿下もこの婚約に納得すればこの婚約は締結されることになります」

「まあ、そうだろうね」

殿下はそう言って考え込む。
そして未だに赤ら顔で私を見た。

「つまり、一ヶ月できみを僕に惚れさせれろ、と………そういうことかな」

あけすけにいえばそうなる。だけど私は殿下に惚れる気はサラサラなかった。既に私の殿下への恋心は死滅している。

「逆ですわ。わたくしも、殿下に好きになっていただかなくてはなりませんし……」

体裁上、取り繕っておく。この婚約はどちらか片方の想いだけでは締結できないと、今私はそう言った。つまり現時点だと成り立つわけがない。殿下は私のことが好きではないし、私もまた殿下を好きではない。

「お互いを思い合ってない男女の婚姻など、周りを不幸にさせるだけですわ。………ですから、殿下。その御名に誓って仰ってください」

貴族が名前に誓うということは、すなわちそれは契約以上の効果を発揮する。殿下は王族だ。その効果ほどは言わなくてもわかるだろう。

「一ヶ月後。わたくしたちの想いに相違があれば、この婚約は白紙に付すと………そう仰ってください」

まっすぐ殿下を見つめて告げる。
殿下は私を見たのち、苦笑をうかべた。

「……すまなかった。 きみが、そこまでこの婚約を嫌がっているとは知らなかった」
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