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捕まりました * 2
しおりを挟むあれから数日。
わたくしは、そのあと目が覚めると自室にいた。
どうやら気絶したわたくしを、アルとヴィヴィが部屋に運んでくれたらしい。
目が覚めたわたくしは改めて考えて、とんでもないことをしてしまったと思った。初夜でもないのに行為をしてしまった上に、3Pだわ。あれは。
ヴィヴィは途中からわたくしを宥める係へと変わったけれど、それにしたって3Pには変わりない。乱行だ。わたくしは濃厚な経験をしてしまった、と呆然としていた。
それから、なにかに吹っ切れたかのようにアルは度々わたくしに触れてきた。濃厚なスキンシップは元より、それを示唆するような言葉。
まるでわたくしが好きみたいなーーそんな言葉や、仕草をする。
だけど、彼に抱かれたのはあの日以来、ない。
ただ、アルはわたくしの髪先に口付けたり、抱き寄せたり、頬に口付けを落としたり、そんな仕草を見せるようになった。
その日は夜会の帰りで、わたくしは馬車から降りて公爵家に戻るおり、アルに言った。アルは、わたくしを公爵家まで送ってくれたのだ。
「じゃあ、次は五日後だな。楽しみにしてる」
そう言って、アルはわたくしの髪を耳にかけた。その手つきがあまりにも優しくて、心が妙な跳ね方をした。
「どうしたの、アル。あなたなんだかおかしいわ」
「おかしいって?」
「こんなこと、今までしたり……しなかったじゃない。それに最近のあなたは………まるで………」
わたくしは思わず目を伏せた。
最近のアルは、旗目から見てもわたくしに優しい。今までのように口喧嘩になることも全く無くなった。それが寂しいように感じながらも、わたくしは彼のその優しさに戸惑っていた。
「お前のこと、好きみたい………って?」
「………」
「さぁ。どうだろうな?気になるなら……初夜に、教えてやるよ。嫌ってほどな」
そうやって、素っ気ない声で王子らしかぬ口調で言うくせに、絡められた指先は優しく、きゅ、と指を挟まれた。
そのまま腰を抱き寄せられて、アルは押さえこんだような、そんな声で言う。
「じゃあ……フラン。………ーーまた」
言いたいことを押し殺したような、そんな、物言いたげな声。
その声にどこか体がくすぐられた。わたくしは、アルを見た。変わらずアルは美しい。まつ毛は長いし、肌は白いし、目元に微かにかかる白金の髪はなんとも言えない色っぽさを感じさせる。
それでも、わたくしは前のように軽口を叩くことは出来なくなっていた。
ただ、もの慣れない娘のように、アルの言葉に頷くだけだ。
「ええ。……うん、また」
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