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2.捨てたのか、捨てられたのか
ノアとシャリゼの賭け
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「人惑わせの……?ローレンス殿下、一体なんのお話を」
私の言葉を遮るようにして、ローレンス殿下が言った。
「ここは、アルカーナ帝国ヴィクトワールの国境の場でもある。だからこそ、長年アルカーナとヴィクトワールは小競り合いを続けてきた。俺は、報告ではヴィクトワール側が、攻撃してくる、と聞いていた」
「なっ……。逆ですわ!アルカーナが我が兵に攻撃を仕掛けてきて……」
それで今まで、小競り合いが絶えなかったのだ。
ウーティスは、アルカーナとヴィクトワールの国境。その付近で襲撃してくるとは、卑怯にも程がある。そうして、ヴィクトワールの民はアルカーナを酷く警戒するようになり、同時に嫌悪するようにもなった。
私の抗議に、ローレンス殿下は頷いて見せた。
さぁ、とぬるい風が私たちの間を駆け抜けてゆく。
ローレンス殿下の銀の前髪が揺らされ、私の金髪が風にさらわれる。
風の強さに思わず目を瞑りながら、髪を抑える。
すると、ローレンス殿下の静かな声が聞こえてきた。
「齟齬があったんだ。それが最近になってわかった。人惑わせの森とは、ひとから真実を遠ざける森だ」
「……何か、幻覚を見せるとでも?」
尋ねてから、私はハッとした。
ローレンス殿下に声をかけられてから、既に十分な時間が経過している。
日の高さでそれを判別した私は、彼に尋ね直した。
「いえ。失礼ですが、ローレンス殿下。先にお聞きしたいことが」
「何かな」
「護衛はいらっしゃらないのですか?そしてなぜ、私がここにいると分かったのですか」
そうだ。まず、確かめなければならないことがあった。
私がここにいる、なんて、ヘンリーですら分からないことだろう。
それをなぜ、隣国の皇子であるローレンス殿下が──。
尋ねた私に、彼は少し驚いた──いや、面食らったように目を瞬いた後、ふわりと笑った。
「なんだ、そんなこと。アルカーナの皇族は基本的に護衛はつけない。意味が無いからね」
「はい……?」
「そして、あなたの居場所がわかったのは……十年四年前、俺とあなたが会ったことがあるから」
出た。また、はぐらかすような物言い。
ぐっと口を閉じると、私の表情を読み取ったのだろう。ローレンス殿下は私から視線を外し、森へと向けながらも言った。
「誤魔化しているわけじゃない。ただ、あなたは聖女だ。聖女と俺は相性が悪い。だから、あなた自身に思い出してもらう他ない」
「仰っている意味がわかりません。まさか、あなたは魔族とでも?」
魔獣を使役する存在──として知られているが、まさか実在するはずがない。
あれはお伽噺、迷信のようなものだ。
ヴィクトワールの子は、みな『早く寝ないと魔族に連れていかれてしまうわよ』と脅されて寝かしつけられる。
私が問うと、ローレンス殿下は意表を突かれたと言わんばかりにぱちぱちと瞬いて私を見ると、少し考えた素振りを見せた。
「魔族……ああそうか、ヴィクトワールにはそういう考え方があるのか。そういうものではないよ」
「…………」
含みのある答えだ。
なんだか、彼と話すことに疲れてしまった私は、続けて彼に尋ねた。
「……あなた方は、次の王をノアだと予想しているのですか?」
「それはね。そうでなければ、ヴィクトワールに未来はない。そうだろう?」
ローレンス殿下はにっこりと笑った。
悔しいけど──その通りだ。
押し黙った私に、ローレンス殿下が踵を返した。
「明日、ウーティスの森の手前で待ってる。アルカーナとヴィクトワールの小競り合いを無くすためには、あの森を何とかしなければならない。あなたが、真実、この国、ヴィクトワールを愛しているのなら。王妃でなくなった今も──あなたは、明日、あの森に来ると信じているよ」
☆
宿に到着し部屋に入ってすぐ、ルイスに問われた。
「行かれるのですか?」
私は、荷物を確認する手を止めて、顔を上げる。
ルイスは、真っ直ぐに私を見つめていた。
「……流石に、あんな意味深長なことを言われて放置することは出来ないわ」
「ですが、あまりに危険です。相手は、アルカーナの皇子ですよ」
ルイスの言うことももっともだった。
そしてこの件は、私の一存で決めていいことでは無いことも。
だけど、ノアは今不在。
まさかヘンリーに確認するわけにもいかないし、そもそも彼に会いにいく筈がない。
彼に会いに行くときは、その時は……。
「……私にできることがあるなら。それがヴィクトワールのためになるのなら。行くべきだと思うわ」
「シャリゼ様……」
「あなたも、ついてきてくれるのでしょう?ルイス」
彼に問いかけると、ルイスは静かに、真剣に私を見つめ──胸に手を当てた。
「……シャリゼ様がゆかれるのなら。必然、私も共に参りましょう」
「ありがとう。マクレガー将軍には報告しようと思うの」
「……あなたの生存を意図的に隠していた、マクレガー将軍に?」
「……そうね。だけど、彼は自己保身や利欲のために黙っていたわけではない。彼はヴィクトワールのことを真に考えていたからこそ、私が生きていたことをノアに伝えなかった。であれば、国際問題にもりかねない今回のことは、ちゃんとノアに伝えてくれるはずよ」
彼は将軍として、ウーティスの争いを長期にわたって見てきた。その解決策が見えたとなれば、それをフイにするようなことはしないだろう。
彼は一度、私とノアの信頼を裏切った。
だけど、だからこそ。
今度こそは信じたい。
「もし、これでまた彼が……隠すことを選ぶのなら。彼はそれまでのひとだったということ。信じた私も、信頼していたノアも、愚かだった……ということだわ」
「シャリゼ様は愚かではありません。ご自身を卑下するようなことを言うのはおやめください」
珍しく、ルイスは語気を強めた。
それに、私は肩をすくめる。
「これも、ある種の賭けのようなものよ」
ルイスはくちびるを固く引き結んでいるものの、それ以上抗議することはなかった。
彼自身は未だ納得していないのだろうけど、これ以上その話を長引かせても時間を無駄にするだけだと判断した私は、彼に言った。
「ウーティスの森について、調べましょう。魔素はないと聞いていたけど……ローレンス殿下は、魔素を浄化して欲しい、と言ったわ」
それはつまり、あの森に魔素が充満し、空気を汚染しているということ。
それならなぜ、魔獣が出没しないのか──。
気になるけど、今大切なのはそこではない。
「人惑わせの森……。図書館に行けば、古い文献がなにか残っているかもしれない。日が沈む前に行動したい。行きましょう」
私の言葉を遮るようにして、ローレンス殿下が言った。
「ここは、アルカーナ帝国ヴィクトワールの国境の場でもある。だからこそ、長年アルカーナとヴィクトワールは小競り合いを続けてきた。俺は、報告ではヴィクトワール側が、攻撃してくる、と聞いていた」
「なっ……。逆ですわ!アルカーナが我が兵に攻撃を仕掛けてきて……」
それで今まで、小競り合いが絶えなかったのだ。
ウーティスは、アルカーナとヴィクトワールの国境。その付近で襲撃してくるとは、卑怯にも程がある。そうして、ヴィクトワールの民はアルカーナを酷く警戒するようになり、同時に嫌悪するようにもなった。
私の抗議に、ローレンス殿下は頷いて見せた。
さぁ、とぬるい風が私たちの間を駆け抜けてゆく。
ローレンス殿下の銀の前髪が揺らされ、私の金髪が風にさらわれる。
風の強さに思わず目を瞑りながら、髪を抑える。
すると、ローレンス殿下の静かな声が聞こえてきた。
「齟齬があったんだ。それが最近になってわかった。人惑わせの森とは、ひとから真実を遠ざける森だ」
「……何か、幻覚を見せるとでも?」
尋ねてから、私はハッとした。
ローレンス殿下に声をかけられてから、既に十分な時間が経過している。
日の高さでそれを判別した私は、彼に尋ね直した。
「いえ。失礼ですが、ローレンス殿下。先にお聞きしたいことが」
「何かな」
「護衛はいらっしゃらないのですか?そしてなぜ、私がここにいると分かったのですか」
そうだ。まず、確かめなければならないことがあった。
私がここにいる、なんて、ヘンリーですら分からないことだろう。
それをなぜ、隣国の皇子であるローレンス殿下が──。
尋ねた私に、彼は少し驚いた──いや、面食らったように目を瞬いた後、ふわりと笑った。
「なんだ、そんなこと。アルカーナの皇族は基本的に護衛はつけない。意味が無いからね」
「はい……?」
「そして、あなたの居場所がわかったのは……十年四年前、俺とあなたが会ったことがあるから」
出た。また、はぐらかすような物言い。
ぐっと口を閉じると、私の表情を読み取ったのだろう。ローレンス殿下は私から視線を外し、森へと向けながらも言った。
「誤魔化しているわけじゃない。ただ、あなたは聖女だ。聖女と俺は相性が悪い。だから、あなた自身に思い出してもらう他ない」
「仰っている意味がわかりません。まさか、あなたは魔族とでも?」
魔獣を使役する存在──として知られているが、まさか実在するはずがない。
あれはお伽噺、迷信のようなものだ。
ヴィクトワールの子は、みな『早く寝ないと魔族に連れていかれてしまうわよ』と脅されて寝かしつけられる。
私が問うと、ローレンス殿下は意表を突かれたと言わんばかりにぱちぱちと瞬いて私を見ると、少し考えた素振りを見せた。
「魔族……ああそうか、ヴィクトワールにはそういう考え方があるのか。そういうものではないよ」
「…………」
含みのある答えだ。
なんだか、彼と話すことに疲れてしまった私は、続けて彼に尋ねた。
「……あなた方は、次の王をノアだと予想しているのですか?」
「それはね。そうでなければ、ヴィクトワールに未来はない。そうだろう?」
ローレンス殿下はにっこりと笑った。
悔しいけど──その通りだ。
押し黙った私に、ローレンス殿下が踵を返した。
「明日、ウーティスの森の手前で待ってる。アルカーナとヴィクトワールの小競り合いを無くすためには、あの森を何とかしなければならない。あなたが、真実、この国、ヴィクトワールを愛しているのなら。王妃でなくなった今も──あなたは、明日、あの森に来ると信じているよ」
☆
宿に到着し部屋に入ってすぐ、ルイスに問われた。
「行かれるのですか?」
私は、荷物を確認する手を止めて、顔を上げる。
ルイスは、真っ直ぐに私を見つめていた。
「……流石に、あんな意味深長なことを言われて放置することは出来ないわ」
「ですが、あまりに危険です。相手は、アルカーナの皇子ですよ」
ルイスの言うことももっともだった。
そしてこの件は、私の一存で決めていいことでは無いことも。
だけど、ノアは今不在。
まさかヘンリーに確認するわけにもいかないし、そもそも彼に会いにいく筈がない。
彼に会いに行くときは、その時は……。
「……私にできることがあるなら。それがヴィクトワールのためになるのなら。行くべきだと思うわ」
「シャリゼ様……」
「あなたも、ついてきてくれるのでしょう?ルイス」
彼に問いかけると、ルイスは静かに、真剣に私を見つめ──胸に手を当てた。
「……シャリゼ様がゆかれるのなら。必然、私も共に参りましょう」
「ありがとう。マクレガー将軍には報告しようと思うの」
「……あなたの生存を意図的に隠していた、マクレガー将軍に?」
「……そうね。だけど、彼は自己保身や利欲のために黙っていたわけではない。彼はヴィクトワールのことを真に考えていたからこそ、私が生きていたことをノアに伝えなかった。であれば、国際問題にもりかねない今回のことは、ちゃんとノアに伝えてくれるはずよ」
彼は将軍として、ウーティスの争いを長期にわたって見てきた。その解決策が見えたとなれば、それをフイにするようなことはしないだろう。
彼は一度、私とノアの信頼を裏切った。
だけど、だからこそ。
今度こそは信じたい。
「もし、これでまた彼が……隠すことを選ぶのなら。彼はそれまでのひとだったということ。信じた私も、信頼していたノアも、愚かだった……ということだわ」
「シャリゼ様は愚かではありません。ご自身を卑下するようなことを言うのはおやめください」
珍しく、ルイスは語気を強めた。
それに、私は肩をすくめる。
「これも、ある種の賭けのようなものよ」
ルイスはくちびるを固く引き結んでいるものの、それ以上抗議することはなかった。
彼自身は未だ納得していないのだろうけど、これ以上その話を長引かせても時間を無駄にするだけだと判断した私は、彼に言った。
「ウーティスの森について、調べましょう。魔素はないと聞いていたけど……ローレンス殿下は、魔素を浄化して欲しい、と言ったわ」
それはつまり、あの森に魔素が充満し、空気を汚染しているということ。
それならなぜ、魔獣が出没しないのか──。
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