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第二十一話
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とりあえず鍛冶屋に行って少し修理してもらうことにした。自分でも出来るが工房も工具もないので簡易なものしかできないからだ。ちなみに製造キットで出来ることは火を使わない簡単な製造と簡易修理とメンテナンス、それに加工と合成などの調合関係だ。
だが、イアンナさんの工房を訪ねた俺は予定を変更せざるを得なかった。というか何を考えてこの時の俺はイアンナさんの工房に来たのか。他の工房に行けばよかったのに。
「イアンナさん、こんちわ」
「おや? ユルじゃないか、何か用かい」
「ええ、そろそろ武器の修理をお願い、した、い……んですが、どうかしたんですか?」
みるみる顔つきが険しくなっていった。
「アンタは私に何を教わったんだい! 私は技術は叩き込んだはずだよ」
「ええ、そうですね。叩き込まれました」
「だっだら何で私に頼むんだい! 工房と道具はここのを使って良いから修理くらい自分でやんな」
どうやら自分でやらないことにご立腹らしい。かなり怒ってらっしゃる。
「わかりました。では工房と道具をお借りしますね」
ビクビクしながらさっさと修理して出ていこうと思ったところ、襟首を捕まえられてしまった。
「待ちな。折角だ、アンタ自分の武器を作りな。私があげたのはそんなに大したモンじゃないからね。それに弟子の腕もどれほどになったか見ておきたいからね」
ニヤリと笑うイアンナ。かなり怖い。
「あの、材料をもってないんですが」
「それくらい用意してあげるわ。あんたが扱えるギリギリの最高級品をね。不抜けたもの作ったら一から鍛え直してやるからそのつもりでやりな」
≪派生クエスト:「試験」発生しました≫
そのまま工房に引きずられていく俺。アナウンスを聞きながら。……生きて出られますように。
イアンナの用意してくれた素材は日本刀作成に不可欠な玉鋼。その等級は「1級B」。今の装備は銑鉄で、不純物が多くランクが低い。鍛造が成長し切ると「1級A」の最高級玉鋼を扱って最高品質の刀ができる、らしい。ちなみに上位素材を手にかけるのに技術が足りないと出来るのは劣化品か屑。劣化品はマイナス補正がかなり掛かる。普通品質が-3~+3、+4~7で高品質、最高品質で+8~10となる。劣化品は固定でマイナス10が付く。屑はただの鈍以下で装備もできない。ちなみに性能補正は±の数値でパーセント。例えば+6の装備品ならその元性能に+6パーセントの上乗せがある。以前造った『ウルフラップド・ボウ』は普通品質の±0で非表示になる。これは簡易製造キットを使った時の最上位品質だ。
さて、今の俺のレベルだと「2級B」で余裕をもち最高品質、「2級A」でどうにか最高品質を打てる『かもしれない』くらいで、「1級B」になると全力で打っても高品質に行くかどうか怪しい。一応「1級A」を使っても劣化品にはならないと思うがどう頑張っても高品質は打てない。下手をすると普通品質のマイナス補正にも届かないかもしれない。
だがやらねばならぬ。そう、俺の後ろでは鋭い目付きで俺を見ている『鬼』がいる。
「くっ……これで、どう、で……しょうか」
燃え尽きたぜ……真っ白にな。
どうにかこうにか打上げた俺の品は「直刀 焔+3」とその過程でレベルが上がったのか「直刀 焔+4」だった。
焔が付いたのは波紋が炎のそれに見えるからだろう。だからと言って火属性とかはない。ただの名称だ。
「まぁまぁ、かな。一応合格としておこう」
「あ、ありがとう、ござい、ます」
しっかりしな、とポーションをかけてもらう。
「ユルのレベルじゃ+2がぎりぎりかと思ったが中々成長してるじゃないか。予想以上だよ」
俺もまさか高品質に手が届くとは思わなかったけど、予想以上なのに「まぁまぁ」で一応の合格かよ。何と言う鬼。でもこの鬼が見ていなかったらこの品質はまず打てていないと思う。その点は感謝?
【直刀 焔:品質+3 耐久C+3% 斬力C+3% 貫通力C+3% 出血補正C+3%】
【直刀 焔:品質+4 耐久C+4% 斬力C+4% 貫通力C+4% 出血補正C+4%】
斬力は切れ味だそうで。D~Cは普通でSが名刀、Gが鈍となる。貫通力は突いた時の鋭さ? 威力? らしい。いまいち分かり難い。
ちなみに防具の修理と回復薬の購入も同じことになりました。
疲れた。イアンナさんに行けと言われ、デイル防具店とアルト雑貨屋にも行かされ、イアンナさんと同じことを命令された。二人とも無茶苦茶でした。デイルさんは下位防具でなく、上位防具を、しかも一式造れとおっしゃったのですよ。どんなイジメかと思う。ちなみに下位と上位の違いは、前にも言ったが武器ならバスターソードやカットラス等、防具ではレザージャケットやナイトメイル等、既に形の出来た、性能やデザインが一律の量産可能製品を下位と呼ぶ。上位は生産者によるオーダーメイドで、デザインや性能は生産者の腕次第で決まるのだ。まあ、それでも基本の型と言うものがあるから余程でないと完全オリジナルとはなかなかいかないけど。
そんなものをインナー、コート、パンツ、ブーツと造らされた。正直イアンナさんよりキツイ。
アルトさんも腕輪とイヤーカフス、ネックレスと各種回復アイテムを二十種類と造らされ、イアンナさんが優しく思えた。
更に予定外のことに細工・彫金をさせられた時、アルトさんに《装飾付加》を教えられることになった。これは細工や彫金時に特殊な素材を使うことで装備に特殊効果を付加するものだった。
作業にはエーテルを使うということで、以前教えてもらえなかったのはエーテル操作が出来なかったからだろう。ただ作業はまた今度来て教えてもらうことになった。ログアウト時間が近いから時間がないと言ったらそうなった。正直助かった。
そんなこんなで精根尽き果てた俺は燻製など作る気力も時間もなく、その日を終えたのだ。
ログアウト予定が狂った。結構前から制限時間のタイムカウントが始まっている。今は後四分しか猶予がない。本当にギリギリだった。ログアウトして寝よう。
だが、イアンナさんの工房を訪ねた俺は予定を変更せざるを得なかった。というか何を考えてこの時の俺はイアンナさんの工房に来たのか。他の工房に行けばよかったのに。
「イアンナさん、こんちわ」
「おや? ユルじゃないか、何か用かい」
「ええ、そろそろ武器の修理をお願い、した、い……んですが、どうかしたんですか?」
みるみる顔つきが険しくなっていった。
「アンタは私に何を教わったんだい! 私は技術は叩き込んだはずだよ」
「ええ、そうですね。叩き込まれました」
「だっだら何で私に頼むんだい! 工房と道具はここのを使って良いから修理くらい自分でやんな」
どうやら自分でやらないことにご立腹らしい。かなり怒ってらっしゃる。
「わかりました。では工房と道具をお借りしますね」
ビクビクしながらさっさと修理して出ていこうと思ったところ、襟首を捕まえられてしまった。
「待ちな。折角だ、アンタ自分の武器を作りな。私があげたのはそんなに大したモンじゃないからね。それに弟子の腕もどれほどになったか見ておきたいからね」
ニヤリと笑うイアンナ。かなり怖い。
「あの、材料をもってないんですが」
「それくらい用意してあげるわ。あんたが扱えるギリギリの最高級品をね。不抜けたもの作ったら一から鍛え直してやるからそのつもりでやりな」
≪派生クエスト:「試験」発生しました≫
そのまま工房に引きずられていく俺。アナウンスを聞きながら。……生きて出られますように。
イアンナの用意してくれた素材は日本刀作成に不可欠な玉鋼。その等級は「1級B」。今の装備は銑鉄で、不純物が多くランクが低い。鍛造が成長し切ると「1級A」の最高級玉鋼を扱って最高品質の刀ができる、らしい。ちなみに上位素材を手にかけるのに技術が足りないと出来るのは劣化品か屑。劣化品はマイナス補正がかなり掛かる。普通品質が-3~+3、+4~7で高品質、最高品質で+8~10となる。劣化品は固定でマイナス10が付く。屑はただの鈍以下で装備もできない。ちなみに性能補正は±の数値でパーセント。例えば+6の装備品ならその元性能に+6パーセントの上乗せがある。以前造った『ウルフラップド・ボウ』は普通品質の±0で非表示になる。これは簡易製造キットを使った時の最上位品質だ。
さて、今の俺のレベルだと「2級B」で余裕をもち最高品質、「2級A」でどうにか最高品質を打てる『かもしれない』くらいで、「1級B」になると全力で打っても高品質に行くかどうか怪しい。一応「1級A」を使っても劣化品にはならないと思うがどう頑張っても高品質は打てない。下手をすると普通品質のマイナス補正にも届かないかもしれない。
だがやらねばならぬ。そう、俺の後ろでは鋭い目付きで俺を見ている『鬼』がいる。
「くっ……これで、どう、で……しょうか」
燃え尽きたぜ……真っ白にな。
どうにかこうにか打上げた俺の品は「直刀 焔+3」とその過程でレベルが上がったのか「直刀 焔+4」だった。
焔が付いたのは波紋が炎のそれに見えるからだろう。だからと言って火属性とかはない。ただの名称だ。
「まぁまぁ、かな。一応合格としておこう」
「あ、ありがとう、ござい、ます」
しっかりしな、とポーションをかけてもらう。
「ユルのレベルじゃ+2がぎりぎりかと思ったが中々成長してるじゃないか。予想以上だよ」
俺もまさか高品質に手が届くとは思わなかったけど、予想以上なのに「まぁまぁ」で一応の合格かよ。何と言う鬼。でもこの鬼が見ていなかったらこの品質はまず打てていないと思う。その点は感謝?
【直刀 焔:品質+3 耐久C+3% 斬力C+3% 貫通力C+3% 出血補正C+3%】
【直刀 焔:品質+4 耐久C+4% 斬力C+4% 貫通力C+4% 出血補正C+4%】
斬力は切れ味だそうで。D~Cは普通でSが名刀、Gが鈍となる。貫通力は突いた時の鋭さ? 威力? らしい。いまいち分かり難い。
ちなみに防具の修理と回復薬の購入も同じことになりました。
疲れた。イアンナさんに行けと言われ、デイル防具店とアルト雑貨屋にも行かされ、イアンナさんと同じことを命令された。二人とも無茶苦茶でした。デイルさんは下位防具でなく、上位防具を、しかも一式造れとおっしゃったのですよ。どんなイジメかと思う。ちなみに下位と上位の違いは、前にも言ったが武器ならバスターソードやカットラス等、防具ではレザージャケットやナイトメイル等、既に形の出来た、性能やデザインが一律の量産可能製品を下位と呼ぶ。上位は生産者によるオーダーメイドで、デザインや性能は生産者の腕次第で決まるのだ。まあ、それでも基本の型と言うものがあるから余程でないと完全オリジナルとはなかなかいかないけど。
そんなものをインナー、コート、パンツ、ブーツと造らされた。正直イアンナさんよりキツイ。
アルトさんも腕輪とイヤーカフス、ネックレスと各種回復アイテムを二十種類と造らされ、イアンナさんが優しく思えた。
更に予定外のことに細工・彫金をさせられた時、アルトさんに《装飾付加》を教えられることになった。これは細工や彫金時に特殊な素材を使うことで装備に特殊効果を付加するものだった。
作業にはエーテルを使うということで、以前教えてもらえなかったのはエーテル操作が出来なかったからだろう。ただ作業はまた今度来て教えてもらうことになった。ログアウト時間が近いから時間がないと言ったらそうなった。正直助かった。
そんなこんなで精根尽き果てた俺は燻製など作る気力も時間もなく、その日を終えたのだ。
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