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第四章 波乱の内政・外交編
第4話 責務
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「え? 今月の税金はもう納めた??」
「ええ。我々職人が、税金の期日を破ることは絶対にありません。」
「それは心得てるつもりだけどさ……。」
ツトゴ領主、ヘンリー・カーマンから聞かされた話は、予想外のものだった。彼らは既に税金を支払ったらしいのだ。ところが、彼らが払ったはずの木材は城に着いておらず、僕たち政府が改めてツトゴ領に催促の手紙を出す。それを読んで激怒した職人たちが、一揆を起こし、木材納入の中止を要求する。そして、今に至るという訳らしいのだが…。
「なるほど…じゃあ、僕たちが二回も税金納入に関する手紙を送ったから、職人たちはみんな増税したものだと勘違いしたんだね。この、減税対象のツトゴ領で。」
「そういうことです。私の方からも、職人に、今の王様はバカなだけだからと何度も促しているんですけど、全く聞いてくれなくて。」
「おい、ヘンリー。君はどっちの味方なんだよ…」
僕のことをバカだとか言ったら、クーデターを起こされて、王位を引きずり下ろされるだろう。大臣やその他官職に従ずる人間は、僕のことを評価してくれているらしいが、いまだに国民や一般兵、事情を知らない帝国以外の国からの評価は、《無能な君主》のままだ。だからこそ、この国内の問題を解決に導くことができなければ、僕の王としての役目は、きっとそこで終わりになることだろう。だが、絶対にそれは避けたい。僕は、〈ムーン〉を解体させてから、王位を退きたいからね。
「…今のヘンリーの話、本当みたいだね。だとすると、今回の税収がうまく行かなかった原因は、1つしか無くなるんだけど…。」
「まさか、現地指導員が関与しているんですか?」
「ああ、間違いないよ。証拠は無いけどね。」
◇
現地指導員。それは、王(執政官)の命令を的確に地方に伝えたり、領主の代わりに税金を納めたり、裁判官を務めたりするなど、所謂なんでも管理職だ。ちなみに、役柄の高低をピラミッドで表すなら、領主よりも身分が上となる。したがって、領主よりも強い権力を有せるのだ。但し、任命するのは王であり、しっかりとした功績を修めた人物以外には、この役職を任せることはないんだけどね。
「とにかく、今回の事態に関して、君が大臣やその他政府の人間に直接訴えてもらわなければ、僕らとしても正式な調査には動けないんだ。ちょっと面倒くさいけど、一緒に来てもらって、色々と手続きをするけども、大丈夫?」
「ええ。頷くしかないですよね。もう王都行きの馬車に乗せられているんですからっ!!」
時間も無いために、嫌がるヘンリーを馬車に詰めて、僕たちは既に城へと発った。向かう間に大蔵大臣であるサガミに、現地指導員の行方を調べてもらったのだが、何処に向かったのか全く分からず。納入した筈の木材も、未だ見つからずじまい。これからやることが山積みだ。しばらく自由は無いものだと思った方が良いかもしれないな。
◇
城へと戻った後、僕は大臣達や兄さんを集めて、報告の儀をすぐに行った。事の次第をヘンリーに説明してもらう。大臣達の顔には、驚きの表情が浮かんでいた。
「…まさか、税金が行方不明になるとは。」
「…いやはや、変なことを企む輩もいるものですな。」
「タイト様、横領された現金の行方について、目星はついているんですか?」
ウルップが、怒りに顔を真っ赤にさせながら、僕に聞いてくる。
「残念だけど、あまりついてないんだ。」
「現地指導員に関しては、把握されているのですか?」
「うん、名前だけはね。ジェノ・シャウル。元林業統一管理局の局長で、現在は仕事をやめて現地指導員だけ務めていたらしいんだけど…。」
マージが頭を下げる。
「本当に申し訳ありません! 現地指導員の管理は我々大蔵省の人間がして参りましたが、今回は我々の目が完全に行き届いておらず、このような事態を引き起こしてしまいましたっ!!」
「仕方がないさ、マージ。今回の不祥事の原因は君じゃないさ。しっかりと地方に目を向け、完璧に仕事をこなした人たちを誰が責めるの?」
マージはまだ俯いていた。
「それに、今回の発端はジェノという指導員が上に報告を怠ったことだよ。奴はたくさんの人々に迷惑をかけると知りながら、木材を全て横領したんだからね。ツトゴ領の人々だって、多大な被害を被ったんだ。この仕組みを考案して、人々にやらせたのは紛れもない僕ら中央の人間だ。みんな、国民の信頼を得る意味でも、罪滅ぼしをするという意味でも、必ず責務を果たすよ!!」
「「おお!!!」」
絶対に見つけてやるぞ。
「ええ。我々職人が、税金の期日を破ることは絶対にありません。」
「それは心得てるつもりだけどさ……。」
ツトゴ領主、ヘンリー・カーマンから聞かされた話は、予想外のものだった。彼らは既に税金を支払ったらしいのだ。ところが、彼らが払ったはずの木材は城に着いておらず、僕たち政府が改めてツトゴ領に催促の手紙を出す。それを読んで激怒した職人たちが、一揆を起こし、木材納入の中止を要求する。そして、今に至るという訳らしいのだが…。
「なるほど…じゃあ、僕たちが二回も税金納入に関する手紙を送ったから、職人たちはみんな増税したものだと勘違いしたんだね。この、減税対象のツトゴ領で。」
「そういうことです。私の方からも、職人に、今の王様はバカなだけだからと何度も促しているんですけど、全く聞いてくれなくて。」
「おい、ヘンリー。君はどっちの味方なんだよ…」
僕のことをバカだとか言ったら、クーデターを起こされて、王位を引きずり下ろされるだろう。大臣やその他官職に従ずる人間は、僕のことを評価してくれているらしいが、いまだに国民や一般兵、事情を知らない帝国以外の国からの評価は、《無能な君主》のままだ。だからこそ、この国内の問題を解決に導くことができなければ、僕の王としての役目は、きっとそこで終わりになることだろう。だが、絶対にそれは避けたい。僕は、〈ムーン〉を解体させてから、王位を退きたいからね。
「…今のヘンリーの話、本当みたいだね。だとすると、今回の税収がうまく行かなかった原因は、1つしか無くなるんだけど…。」
「まさか、現地指導員が関与しているんですか?」
「ああ、間違いないよ。証拠は無いけどね。」
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現地指導員。それは、王(執政官)の命令を的確に地方に伝えたり、領主の代わりに税金を納めたり、裁判官を務めたりするなど、所謂なんでも管理職だ。ちなみに、役柄の高低をピラミッドで表すなら、領主よりも身分が上となる。したがって、領主よりも強い権力を有せるのだ。但し、任命するのは王であり、しっかりとした功績を修めた人物以外には、この役職を任せることはないんだけどね。
「とにかく、今回の事態に関して、君が大臣やその他政府の人間に直接訴えてもらわなければ、僕らとしても正式な調査には動けないんだ。ちょっと面倒くさいけど、一緒に来てもらって、色々と手続きをするけども、大丈夫?」
「ええ。頷くしかないですよね。もう王都行きの馬車に乗せられているんですからっ!!」
時間も無いために、嫌がるヘンリーを馬車に詰めて、僕たちは既に城へと発った。向かう間に大蔵大臣であるサガミに、現地指導員の行方を調べてもらったのだが、何処に向かったのか全く分からず。納入した筈の木材も、未だ見つからずじまい。これからやることが山積みだ。しばらく自由は無いものだと思った方が良いかもしれないな。
◇
城へと戻った後、僕は大臣達や兄さんを集めて、報告の儀をすぐに行った。事の次第をヘンリーに説明してもらう。大臣達の顔には、驚きの表情が浮かんでいた。
「…まさか、税金が行方不明になるとは。」
「…いやはや、変なことを企む輩もいるものですな。」
「タイト様、横領された現金の行方について、目星はついているんですか?」
ウルップが、怒りに顔を真っ赤にさせながら、僕に聞いてくる。
「残念だけど、あまりついてないんだ。」
「現地指導員に関しては、把握されているのですか?」
「うん、名前だけはね。ジェノ・シャウル。元林業統一管理局の局長で、現在は仕事をやめて現地指導員だけ務めていたらしいんだけど…。」
マージが頭を下げる。
「本当に申し訳ありません! 現地指導員の管理は我々大蔵省の人間がして参りましたが、今回は我々の目が完全に行き届いておらず、このような事態を引き起こしてしまいましたっ!!」
「仕方がないさ、マージ。今回の不祥事の原因は君じゃないさ。しっかりと地方に目を向け、完璧に仕事をこなした人たちを誰が責めるの?」
マージはまだ俯いていた。
「それに、今回の発端はジェノという指導員が上に報告を怠ったことだよ。奴はたくさんの人々に迷惑をかけると知りながら、木材を全て横領したんだからね。ツトゴ領の人々だって、多大な被害を被ったんだ。この仕組みを考案して、人々にやらせたのは紛れもない僕ら中央の人間だ。みんな、国民の信頼を得る意味でも、罪滅ぼしをするという意味でも、必ず責務を果たすよ!!」
「「おお!!!」」
絶対に見つけてやるぞ。
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