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24.発見-2
しおりを挟む「お一人の時でなくとも、居合わせたのが北の国の出身の配下だけであれば、王妃様が私たちの嘆願書を受け取ってくださる可能性は十分あります。王妃様は――陛下もでしたが――下々の嘆願を目も通さず一蹴なさる方ではありません」
問題なのは、そもそも届けられないことと、せっかく届けたとしてもその場に国王派の人間がいて阻止されるおそれがあることだ。上手くやれば、人目があろうと届けるだけで目的は達成できる。
その場の面々が北の国の出身か否かを見分ける方法としては、数か月前退職した王妃の侍女に協力を仰いで簡易的な似姿を作成し、それを侵入を担当する者へ記憶させる予定で動いているそうだ。ただし、現在遠方に住んでおり、似姿の作成自体にも時間を要することから、決行はかなり先の話になるという。
「なるほど……」
ロベルトは唸った。城への不法侵入などまさかと思ったが、公爵は本気だ。計画を立て、王妃の周囲の人員配置等を調べ上げるなど、先に着手できる部分は準備を始めている。
「お考えはわかりました。しかし、身分を偽って城壁の中へ入れたとして、そこからどうやって王妃様の元まで警備をかいくぐるのか、そして誰がそれを担うか、お決まりですか?」
「いくつか案は出ているものの、まだ検討中です。人員も、私や息子たちは顔が割れています。城内に詳しい、昔城勤めをしていた当家の騎士が候補に挙がっておりますが、彼も面識のある者に出くわす可能性が捨てきれません」
話を聞くばかりで何の妙案も無かったロベルトであるが、ここにきて自分の出番であると閃いた。少しだけ、城への侵入についても案があったのだ。
「閣下、その役目、私にお任せくださいませんか?」
そうしてロベルトが連絡を取ったのは、旧知の仲の仕立て屋であった。公爵家を出た後、見張られている可能性も考えて伯爵領へ戻るふりをし、一旦王都を出てその後こっそり戻り彼を訪ねた。
彼が王妃のドレスを仕立てていることは知っていた。会って話せば、数日後に丁度新しいドレス作りのために登城するという。
そこでロベルトは、事情を説明し、この国のためにと協力を頼んだ。ところが仕立て屋に愛国心的なものはなかったので断られてしまった。
彼にとっては自分の服飾に関する才能や美的感覚、技術等が世間に認められることが第一であって、王が不法を犯そうが、この国と北の国の関係が悪化しようが、それは知ったことではないそうだ。
上り詰める頂点は最悪この国でなくても良いという点に目を付けて、ロベルトは別方向からの提案へ切り替えた。協力すれば事の成否にかかわらず、公爵家がその財であらゆる支援を行ってくれるはずだと。自分の店を持つことや、大国へ渡って腕試しをすることでも何でも。伯爵家では賄いきれないおそれがあるので、公爵家の名前を出させてもらった。
小国の王妃のドレス作りに留まらない更なる栄誉を手にできるかもしれない。これは効いたようで、危険を冒す価値があると、協力を得られる運びとなった。
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