3 / 3
3話
しおりを挟む
「ハッ?! 皇帝陛下どうして此処に……!」
アウス殿下が驚きを隠せず叫んだ。
「どうしても何も息子の卒業パーティーだというのだ。出席くらいするだろう。前もって途中から参加すると伝えておいたはずだ。それはともかくだ。とんでもないことをしでかしてくれたな」
皇帝陛下は、容赦なくアウス殿下を睨む。
若干、殺意のようなものが感じられるほどに恐ろしい眼差しだ。
「いいえ。僕は愛に純粋に飛び込んだまでです」
「何を訳の分からぬことを言っておる。いいか、よく聞け。お前は今日をもって王族ではなくなる。明日からは、奴隷として、他国で働くことになる!」
そう。それは絶対事項なのです。
「そ、そんなご冗談を! 私は今後とも殿下として国の皆を支えていく次第であります」
「何が冗談だ。貴様などいらんわ。国を継ぐものなどいくらでもおるわ。まだ、わからぬのか? 掟破りのお前はもはや罪人でしかないのだ。血族だからといって、寛大に受け止めるなんてことはできない。それは、国民を裏切ることになってしまうからだ」
陛下ですら、掟を変える力はないため仕方のないことですね。
掟は貴族としての義務であり、もはや、身分は関係ありません。
「そんな、どういうことです! 僕はただ新しい婚約者を見つけたまでです!」
「それ自体が良からぬことだ。私は全て聞いておったよアウス。お前が独断でカレンとの婚約を破棄したあげく、別の女性と肉体関係を持っていたなど言語道断だ。決して許されることではない」
「大変申し訳ございませんでした。本当に申し訳ございませんでした!」
アウス殿下は何度も何度も頭を下げた。
「謝って済むような問題ではない。大切なのは、しっかりと罪を償うことだ。そして、絶対に謝らないといけない相手は私ではなく、カレンだ! そして、侮辱までした会場の皆にだ!」
「本当にすまなかった。カレン。僕は取り返しのつかないことをしてしまったようだ。すまない……」
「全くですわ」
今更、謝られたところで同情する余地すらありません。
謝るくらいなら、最初からするべきではなかったんです。
「申し訳ございませんでしたあああああああ‼︎」
泣きじゃくりながら、会場の皆にも頭を下げる。
アウス殿下の人生は今日をもって、終わってしまったようです。
そして、ハルカも……。
「カレン、ハルカのことだが彼女に関しては詳しく事情を聞いて、処分を決定する」
「はい。皇帝陛下。わかりました。何卒、よろしくお願いいたします」
「ふん。よろしい。それと、カレン。貴女には多大なる迷惑をかけてしまった。後日謝罪として、望みをなんでも一つ聞いてやることにする。責任はしっかり取るつもりだ。アウスに代わって申し訳ないが、それくらいはする」
「ありがとうございます。皇帝陛下」
本来、悪いのはアウス殿下なのだけれど、子供の悪行は父親の責任といったところでしょうか。
ここは、ご好意に甘えることにしましょう。
心の傷が癒えるかどうかはわかりません。
もしかすると、一生癒えないかもしれないけれど、それでも、結果的に二人が罪を償って更生するのであれば、それはそれで良しとしましょう。
ただ、私の婚約者は何処にいらっしゃるのだか……。
また、一から探さなければなりませんね。
次こそは素敵な殿方を。
あーもう! やっぱり、全てを奪ったアウス陛下だけは許さないことにしますわ!
なんてことしてくれたんだか!!!!
「アウス殿下! ちゃんと罪を継ぐなってくださいね。それと……」
私はありったけの渾身の想いを込めて、大きな声で言い放った。
「ざまぁですわッ……!」
アウス殿下が驚きを隠せず叫んだ。
「どうしても何も息子の卒業パーティーだというのだ。出席くらいするだろう。前もって途中から参加すると伝えておいたはずだ。それはともかくだ。とんでもないことをしでかしてくれたな」
皇帝陛下は、容赦なくアウス殿下を睨む。
若干、殺意のようなものが感じられるほどに恐ろしい眼差しだ。
「いいえ。僕は愛に純粋に飛び込んだまでです」
「何を訳の分からぬことを言っておる。いいか、よく聞け。お前は今日をもって王族ではなくなる。明日からは、奴隷として、他国で働くことになる!」
そう。それは絶対事項なのです。
「そ、そんなご冗談を! 私は今後とも殿下として国の皆を支えていく次第であります」
「何が冗談だ。貴様などいらんわ。国を継ぐものなどいくらでもおるわ。まだ、わからぬのか? 掟破りのお前はもはや罪人でしかないのだ。血族だからといって、寛大に受け止めるなんてことはできない。それは、国民を裏切ることになってしまうからだ」
陛下ですら、掟を変える力はないため仕方のないことですね。
掟は貴族としての義務であり、もはや、身分は関係ありません。
「そんな、どういうことです! 僕はただ新しい婚約者を見つけたまでです!」
「それ自体が良からぬことだ。私は全て聞いておったよアウス。お前が独断でカレンとの婚約を破棄したあげく、別の女性と肉体関係を持っていたなど言語道断だ。決して許されることではない」
「大変申し訳ございませんでした。本当に申し訳ございませんでした!」
アウス殿下は何度も何度も頭を下げた。
「謝って済むような問題ではない。大切なのは、しっかりと罪を償うことだ。そして、絶対に謝らないといけない相手は私ではなく、カレンだ! そして、侮辱までした会場の皆にだ!」
「本当にすまなかった。カレン。僕は取り返しのつかないことをしてしまったようだ。すまない……」
「全くですわ」
今更、謝られたところで同情する余地すらありません。
謝るくらいなら、最初からするべきではなかったんです。
「申し訳ございませんでしたあああああああ‼︎」
泣きじゃくりながら、会場の皆にも頭を下げる。
アウス殿下の人生は今日をもって、終わってしまったようです。
そして、ハルカも……。
「カレン、ハルカのことだが彼女に関しては詳しく事情を聞いて、処分を決定する」
「はい。皇帝陛下。わかりました。何卒、よろしくお願いいたします」
「ふん。よろしい。それと、カレン。貴女には多大なる迷惑をかけてしまった。後日謝罪として、望みをなんでも一つ聞いてやることにする。責任はしっかり取るつもりだ。アウスに代わって申し訳ないが、それくらいはする」
「ありがとうございます。皇帝陛下」
本来、悪いのはアウス殿下なのだけれど、子供の悪行は父親の責任といったところでしょうか。
ここは、ご好意に甘えることにしましょう。
心の傷が癒えるかどうかはわかりません。
もしかすると、一生癒えないかもしれないけれど、それでも、結果的に二人が罪を償って更生するのであれば、それはそれで良しとしましょう。
ただ、私の婚約者は何処にいらっしゃるのだか……。
また、一から探さなければなりませんね。
次こそは素敵な殿方を。
あーもう! やっぱり、全てを奪ったアウス陛下だけは許さないことにしますわ!
なんてことしてくれたんだか!!!!
「アウス殿下! ちゃんと罪を継ぐなってくださいね。それと……」
私はありったけの渾身の想いを込めて、大きな声で言い放った。
「ざまぁですわッ……!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
60
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
退会済ユーザのコメントです
ご指摘ありがとうございます。
参考にさせていただきます(^^)