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Final Chapter
逆転の切り札
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やがて、焼けて瓦礫の山だけになった地獄横町に到着すると、アド・マベ・ルフェーは天空の聖地を指さした。
「精霊獣クラウンと精霊獣クラウンを従える者よ。これより私は月に還る。その道を使い、聖地に向かうが良い」
ゲイブンが両手を掲げると、月光がキラキラと光りながら集まってきた。まるで――蛍の光のようだ。オレ達は思い切って一歩踏み出すと、空中に足跡の形で光が凝固する。
これは人間の体のテオだったら歩けない――精霊獣のオレと一体化しているから歩ける道だ!
「さあ、進みなさい」
オレ達はロウ達に頷いてみせると、まっしぐらに聖地目がけて走り出す。
月光がオレ達を照らし、聖地を照らし、足下の帝都を照らす。
月に虹が架かり、それはまるで天地を繋ぐ橋のように聖地へと伸びている。
オレ達の足下から道は生まれ、続いていく。
「行くぞ相棒!」
「僕達は!」
「世界を救って!」
「ユルルアを救うんだ!」
蛍の光のようにオレ達の周りを飛び回る月光が、オレの体に魔力として急激に吸収される。それに伴って、ボロボロだったオレ達の黒装束が真っ白に染め上げられて――。
「精霊獣『ジョーカー』!応えてくれ!」
テオが姿を変えたオレの名を呼んだ。
だからオレも、こう応えるんだ。
「誰と聞かれたら応えてやるさ!」
「ガン=カタを愛する者として!」
「『スキル:エースインザホール』!」
「負け試合さえも引っ繰り返す!」
「オレ達こそが『切り札』だ!」
「やってやろうじゃないか!」
「……あれは」
帝都の民はその夜、目撃する。
聖地目がけて一人、夜空を駆けていくその者の姿を。
「凄い……!」
「格好いいな……」
「誰なんだろう……!」
「帝国軍もしぶといわね」
サルサやタルタ達、ハイエルフは呆れた顔で監視システム越しにエルフ達と激戦を繰り広げている帝国軍、中でも陣頭指揮を執っている帝国十三神将達を見つめた。
「しかし我らハイエルフの中から、よもや忌々しい裏切り者が出るなんてねえ……」
サルサはそう言って、足下で雁字搦めに束縛されているハルハを蹴飛ばした。
「だから言ったでしょう、ハルハを信じては駄目だって!どうせダークエルフ共と同じで、地上に汚染されてしまったんだわ!」
タルタがやたらと耳に響く声でわめき、何度もハルハを鞭で打ち据えた。
「……汚染ですかー」文字通り血を吐きながら、ハルハは言う。「聖地で綺麗なままに生きる事が、エルフにとって本当に幸せなんでしょうかねー……」
「お黙り!」
サルサが呼び出した『タイラント・ゼノ』に踏みつけられて、ハルハは潰れた果実のように血を飛び散らせた。「ああ嫌だわ!足が汚れてしまったじゃないの!」
サルサはそう言って神経質に『タイラント・ゼノ』の足を洗い、それからエルフ達に命じてハルハを聖地から突き落としたのだった。
――落下してきたハルハの体を受け止め、オレ達はそのままコピーされた魔力鍵を使って、聖地に飛び込んだ。
「き、貴様は!」
「先ほど、ヴェロキラプトル様が撃破したはずの――」
気色ばむハイエルフ達が隷械獣を次々と顕現させて、オレ達を取り囲む。
「私達は、この事態を『揺籃』のヴェロキラプトル様に知らせに行くわ!」
見るからに偉そうな格好をしたハイエルフが二人、逃げやがった。
何、すぐさま追い詰める!
オレ達は『リベリオン&レヴナント・ジョーカー』を構えた。
「ガン=カタForm.6『ラバーズ』!」
――そして、ハイエルフ達のど真ん中に突進したのだった。
――最初に敵の異変に気付いたのは『峻霜』であった。
帝国軍に向かって死ぬまで抵抗していたエルフ達が、糸が切れたかのように突然無抵抗になったかと思うと、我先に逃げ出したのだから。
「何が起きた!」
どうにか一人を捕まえて尋問した所、
「ハイエルフの命令権が途絶えたのです!もう戦いは嫌!怖い!モノのように扱われてゴミのように死にたく無い!」
彼女はそう言って泣き崩れた。
「……どう言う事だ」
『こちら「闘剛」、いきなりエルフの指揮系統が乱れた!』
『「閃翔」だ、降伏してきたエルフ共をどう扱う』
『自爆を企む罠かも知れないが……』
幾ら何でも様子がおかしい。
「……武装を全て放棄させた上で、『昏魔』と『幻闇』に尋問させて聖地についての情報を吐かせよう」
すぐさま『昏魔』達から返事があった。
『了解よ、すぐに捕虜をこちらに移送して頂戴』
『では、我らは引き続きこのまま深部へと攻め込む!』
「おい!」
制限を解除した性能の魔弾を撃ちまくった反動による、強烈な手と肩の痛みを堪えて、オレ達はハルハに話しかける。
酷い状態だった。
どうしてこれでまだ息があるのかと、逆に不思議になるくらいに。
「タルヤンから事情は聞いた。これを『揺籃』に仕込めば良いんだな?」
そう告げてチップを見せると、ハルハは小さく喘いだ後で、
「……タルヤンは……やはり死にましたかー……『シャドウ』」
そう言って、糸目を更に細めた。
オレ達は束縛をほどいて応急処置をしてやりながら、
「どうしてハイエルフでありながら聖地を裏切った」
ずっと気になっていた事を聞いてみたのだった。
「……私はね、『嘘』を生理的に拒絶する遺伝子改造をされて生まれたんですよー。A型のハイエルフとして、絶対に『代理人』を裏切らないためにねー……」
アルアか……。ハルハにとっては『母親』とも呼べるのだろうな。
「始まりのエルフの……」
そうですー、とハルハは微笑んで、
「最初は、私も……他と大差無かったんですよー……。エルデベルフォーニを躊躇無く滅ぼせたくらいなんでー……。なのに、ジワジワと『真』が嫌いになっていきましたー」
停滞し腐敗しきったハイエルフ。
そのハイエルフ達の言いなりの奴隷のようなエルフ。
『彼女』以外はただの手駒としか言わないヴェロキラプトル。
「そんな中、聖地からの密偵として地上に降りる事になってー……。薄汚いニンゲンだと馬鹿にしていたのに、彼らのつく生きるための『嘘』がー……生理的には受け付けないのに、凄く面白かったんですよー……」
彼らは愚かで残忍で醜くて馬鹿馬鹿しいが、生きるための力と言うその一点においては、決して侮れないどころか――。
「気付けば地上のニンゲンの方がー……、ただ破滅に怯えているだけ、ただ命令に従っているだけの同胞より、余程好ましくなっていましたー……」
そのままハルハが立ち上がろうとしたので、オレ達は止める。
「無理だ、その怪我では!死ぬぞ!」
「裏切ると決めた時から分かっていた事ですからー……。後、一カ所だけなんですー……『揺籃』前にいるヴェロキラプトルの注意を、私が、引きつけますからー……」
趣味は人間観察だった。
気付いたら観察していた人間達を愛していた。
……たったそれだけの事だったのに、それがハルハにとっては名誉と信頼を捨て、命をかけるに値した事だったのだ。
「頼まれた通りに間に合ったぞ」
――驕慢極まりない声が響いた。
「精霊獣クラウンと精霊獣クラウンを従える者よ。これより私は月に還る。その道を使い、聖地に向かうが良い」
ゲイブンが両手を掲げると、月光がキラキラと光りながら集まってきた。まるで――蛍の光のようだ。オレ達は思い切って一歩踏み出すと、空中に足跡の形で光が凝固する。
これは人間の体のテオだったら歩けない――精霊獣のオレと一体化しているから歩ける道だ!
「さあ、進みなさい」
オレ達はロウ達に頷いてみせると、まっしぐらに聖地目がけて走り出す。
月光がオレ達を照らし、聖地を照らし、足下の帝都を照らす。
月に虹が架かり、それはまるで天地を繋ぐ橋のように聖地へと伸びている。
オレ達の足下から道は生まれ、続いていく。
「行くぞ相棒!」
「僕達は!」
「世界を救って!」
「ユルルアを救うんだ!」
蛍の光のようにオレ達の周りを飛び回る月光が、オレの体に魔力として急激に吸収される。それに伴って、ボロボロだったオレ達の黒装束が真っ白に染め上げられて――。
「精霊獣『ジョーカー』!応えてくれ!」
テオが姿を変えたオレの名を呼んだ。
だからオレも、こう応えるんだ。
「誰と聞かれたら応えてやるさ!」
「ガン=カタを愛する者として!」
「『スキル:エースインザホール』!」
「負け試合さえも引っ繰り返す!」
「オレ達こそが『切り札』だ!」
「やってやろうじゃないか!」
「……あれは」
帝都の民はその夜、目撃する。
聖地目がけて一人、夜空を駆けていくその者の姿を。
「凄い……!」
「格好いいな……」
「誰なんだろう……!」
「帝国軍もしぶといわね」
サルサやタルタ達、ハイエルフは呆れた顔で監視システム越しにエルフ達と激戦を繰り広げている帝国軍、中でも陣頭指揮を執っている帝国十三神将達を見つめた。
「しかし我らハイエルフの中から、よもや忌々しい裏切り者が出るなんてねえ……」
サルサはそう言って、足下で雁字搦めに束縛されているハルハを蹴飛ばした。
「だから言ったでしょう、ハルハを信じては駄目だって!どうせダークエルフ共と同じで、地上に汚染されてしまったんだわ!」
タルタがやたらと耳に響く声でわめき、何度もハルハを鞭で打ち据えた。
「……汚染ですかー」文字通り血を吐きながら、ハルハは言う。「聖地で綺麗なままに生きる事が、エルフにとって本当に幸せなんでしょうかねー……」
「お黙り!」
サルサが呼び出した『タイラント・ゼノ』に踏みつけられて、ハルハは潰れた果実のように血を飛び散らせた。「ああ嫌だわ!足が汚れてしまったじゃないの!」
サルサはそう言って神経質に『タイラント・ゼノ』の足を洗い、それからエルフ達に命じてハルハを聖地から突き落としたのだった。
――落下してきたハルハの体を受け止め、オレ達はそのままコピーされた魔力鍵を使って、聖地に飛び込んだ。
「き、貴様は!」
「先ほど、ヴェロキラプトル様が撃破したはずの――」
気色ばむハイエルフ達が隷械獣を次々と顕現させて、オレ達を取り囲む。
「私達は、この事態を『揺籃』のヴェロキラプトル様に知らせに行くわ!」
見るからに偉そうな格好をしたハイエルフが二人、逃げやがった。
何、すぐさま追い詰める!
オレ達は『リベリオン&レヴナント・ジョーカー』を構えた。
「ガン=カタForm.6『ラバーズ』!」
――そして、ハイエルフ達のど真ん中に突進したのだった。
――最初に敵の異変に気付いたのは『峻霜』であった。
帝国軍に向かって死ぬまで抵抗していたエルフ達が、糸が切れたかのように突然無抵抗になったかと思うと、我先に逃げ出したのだから。
「何が起きた!」
どうにか一人を捕まえて尋問した所、
「ハイエルフの命令権が途絶えたのです!もう戦いは嫌!怖い!モノのように扱われてゴミのように死にたく無い!」
彼女はそう言って泣き崩れた。
「……どう言う事だ」
『こちら「闘剛」、いきなりエルフの指揮系統が乱れた!』
『「閃翔」だ、降伏してきたエルフ共をどう扱う』
『自爆を企む罠かも知れないが……』
幾ら何でも様子がおかしい。
「……武装を全て放棄させた上で、『昏魔』と『幻闇』に尋問させて聖地についての情報を吐かせよう」
すぐさま『昏魔』達から返事があった。
『了解よ、すぐに捕虜をこちらに移送して頂戴』
『では、我らは引き続きこのまま深部へと攻め込む!』
「おい!」
制限を解除した性能の魔弾を撃ちまくった反動による、強烈な手と肩の痛みを堪えて、オレ達はハルハに話しかける。
酷い状態だった。
どうしてこれでまだ息があるのかと、逆に不思議になるくらいに。
「タルヤンから事情は聞いた。これを『揺籃』に仕込めば良いんだな?」
そう告げてチップを見せると、ハルハは小さく喘いだ後で、
「……タルヤンは……やはり死にましたかー……『シャドウ』」
そう言って、糸目を更に細めた。
オレ達は束縛をほどいて応急処置をしてやりながら、
「どうしてハイエルフでありながら聖地を裏切った」
ずっと気になっていた事を聞いてみたのだった。
「……私はね、『嘘』を生理的に拒絶する遺伝子改造をされて生まれたんですよー。A型のハイエルフとして、絶対に『代理人』を裏切らないためにねー……」
アルアか……。ハルハにとっては『母親』とも呼べるのだろうな。
「始まりのエルフの……」
そうですー、とハルハは微笑んで、
「最初は、私も……他と大差無かったんですよー……。エルデベルフォーニを躊躇無く滅ぼせたくらいなんでー……。なのに、ジワジワと『真』が嫌いになっていきましたー」
停滞し腐敗しきったハイエルフ。
そのハイエルフ達の言いなりの奴隷のようなエルフ。
『彼女』以外はただの手駒としか言わないヴェロキラプトル。
「そんな中、聖地からの密偵として地上に降りる事になってー……。薄汚いニンゲンだと馬鹿にしていたのに、彼らのつく生きるための『嘘』がー……生理的には受け付けないのに、凄く面白かったんですよー……」
彼らは愚かで残忍で醜くて馬鹿馬鹿しいが、生きるための力と言うその一点においては、決して侮れないどころか――。
「気付けば地上のニンゲンの方がー……、ただ破滅に怯えているだけ、ただ命令に従っているだけの同胞より、余程好ましくなっていましたー……」
そのままハルハが立ち上がろうとしたので、オレ達は止める。
「無理だ、その怪我では!死ぬぞ!」
「裏切ると決めた時から分かっていた事ですからー……。後、一カ所だけなんですー……『揺籃』前にいるヴェロキラプトルの注意を、私が、引きつけますからー……」
趣味は人間観察だった。
気付いたら観察していた人間達を愛していた。
……たったそれだけの事だったのに、それがハルハにとっては名誉と信頼を捨て、命をかけるに値した事だったのだ。
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