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First Chapter
偽シャドウ①
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早朝に『閃翔のギルガンド』が足音も荒く『よろず屋アウルガ』の扉を蹴破るようにして登場した時、ロウとオレ達は既に出かける仕度を終えていた。
「おい、ロウ!貴様に訊きたい事がある!」
「何だ、アンタか。俺達はこれから――」
ギルガンドはいきなりロウに詰め寄って、こう告げた。
「昨夜、帝国城の東宮御所にシャドウが登場してキアラカ皇太子妃様を襲ったのだ」
「は?何を言っているんだ?」
『えっ?このプライドチョモランマ君、何を言っているのよ?昨日から「シャドウ」はここにいたじゃない!それに小火騒ぎがあったってって無音通信が来ただけよ?』
ロウとパーシーバーがそれぞれ異口同音に疑問を口にする。
が、ギルガンドはロウを壁際に追い詰めた。
「生憎と事実だ。厳重な箝口令が敷かれているがな。先ほどシャドウの追跡及び捕縛命令が私に下った。抵抗するならば殺しても構わないとの厳命だ」
あっ、これはロウを容疑者として疑っているな!
『ちょっとちょっと!このピノキオ鼻の高慢ちき君!ロウは絶対に違うわよ!それにここに昨日から「シャドウ」はいたんだから、完璧なアリバイがあるわよ!だから絶対に「シャドウ」でも無いわ!!!』
パーシーバーがロウの足にしがみついて喚くが、これ絶対に聞こえていないんだよな……。
「本当に昨日の夜中に……シャドウが皇太子妃を襲ったのか?」
「間違いない。『滅廟』で私が遭遇した時に作った似顔絵や体の特徴の絵を見た誰もが、この男だと指差した」
『それはっ!』
パーシーバーが両手で口元を覆う。
「あの雷のような音のする武器を使って?」
「いや、短刀を両手にそれぞれ握っていたそうだ」
「皇太子妃様を襲った後で何処へ逃げたんだ?」
「同時期に東宮御所で火の手が上がったため、その混乱の中で行方不明となった」
「おい待て。皇太子妃様を襲った上に付け火をしたのか、シャドウが」
「幸い小火で済んだが、後宮で放火した者は誰であろうと処刑場にて火刑だと決まっている」
殺気立つギルガンドが、吐息がかかるまで顔を近づけているのに、ロウは冷静だった。
「じゃあ、シャドウは2人いたのか」
「おい、ロウ!貴様に訊きたい事がある!」
「何だ、アンタか。俺達はこれから――」
ギルガンドはいきなりロウに詰め寄って、こう告げた。
「昨夜、帝国城の東宮御所にシャドウが登場してキアラカ皇太子妃様を襲ったのだ」
「は?何を言っているんだ?」
『えっ?このプライドチョモランマ君、何を言っているのよ?昨日から「シャドウ」はここにいたじゃない!それに小火騒ぎがあったってって無音通信が来ただけよ?』
ロウとパーシーバーがそれぞれ異口同音に疑問を口にする。
が、ギルガンドはロウを壁際に追い詰めた。
「生憎と事実だ。厳重な箝口令が敷かれているがな。先ほどシャドウの追跡及び捕縛命令が私に下った。抵抗するならば殺しても構わないとの厳命だ」
あっ、これはロウを容疑者として疑っているな!
『ちょっとちょっと!このピノキオ鼻の高慢ちき君!ロウは絶対に違うわよ!それにここに昨日から「シャドウ」はいたんだから、完璧なアリバイがあるわよ!だから絶対に「シャドウ」でも無いわ!!!』
パーシーバーがロウの足にしがみついて喚くが、これ絶対に聞こえていないんだよな……。
「本当に昨日の夜中に……シャドウが皇太子妃を襲ったのか?」
「間違いない。『滅廟』で私が遭遇した時に作った似顔絵や体の特徴の絵を見た誰もが、この男だと指差した」
『それはっ!』
パーシーバーが両手で口元を覆う。
「あの雷のような音のする武器を使って?」
「いや、短刀を両手にそれぞれ握っていたそうだ」
「皇太子妃様を襲った後で何処へ逃げたんだ?」
「同時期に東宮御所で火の手が上がったため、その混乱の中で行方不明となった」
「おい待て。皇太子妃様を襲った上に付け火をしたのか、シャドウが」
「幸い小火で済んだが、後宮で放火した者は誰であろうと処刑場にて火刑だと決まっている」
殺気立つギルガンドが、吐息がかかるまで顔を近づけているのに、ロウは冷静だった。
「じゃあ、シャドウは2人いたのか」
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