おっさんゲーマー、ゲームの世界に落っこちる。ここは異世界?それとも?

埼玉ポテチ

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005 おっさん惑う

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 東に向かい街道を歩いている。街道を歩いている限りは滅多に魔物は出ない。一応マップで警戒しながら次の村を目指す。

 このゲームには村が異常に沢山存在している。設定としては大きな都市が厄災の種の芽吹きによって壊滅して、人々はあちこちに点在して住んでいると言う事らしい。

 今、居るこの国はドラン王国と言う最初の国で、ドランズヘブンの世界では全部で15の国が存在している。このドラン王国だけでも大小合わせて200以上の村が存在し、町が12個、そして王都が存在する。

 ちなみに各町は貴族が支配している。つまり、町と村の区別は大きさでは無く、村長が治めるか、貴族が治めているかの違いになる。

 さて、ゲームのストーリー通りに進んでいるとすれば、スタート地点から既に主人公であるヴェオルフは有名人だ。まあ、100年に渡り魔物退治をしていたのだから、名前が知れ渡っているのも当然だろう。中には畏怖している者も多い様だ。

 今の所俺がヴェオルフだと言う事はバレていない。だが、一つ問題がある。俺がこの先別人として行動したら、ヴェオルフの物語はここで終わってしまうと言う事だ。

 これは、この世界に大きな影響を与える事にならないだろうか?まあ、スタートして、すぐにスローライフを始めるプレイヤーも居る訳だから、100人居れば100通りの物語がある訳だが。俺の知っているドラゴンズヘブンの物語とは違う物になるのは確実だ。

 俺が知る限り。メインクエストは進めないと色々と各国の情勢に影響があるはずだ。場合に寄っては滅ぶ国も出て来る。

 ここはヴェオルフの辿るべき道を進むか、別の道を進むか悩む所である。

 やがて次の村が近づいて来る。何故かこちらに向かって来る人がかなりの人数居る。

 それも、何かから逃げる様に。

 もしかしたら、村が魔物に襲われている?知らない内に俺は駆け出していた。

 村を襲撃しているのは狼の魔物とゴブリンだ。どれもレベルは低いが、ゴブリンには会いたくなかった。まだ、人型の魔物と戦う心の準備が出来ていない。

 しかし、躊躇している暇はない。ゴブリンをやらなければ人が死んでいく。

 意を決して背中の剣を抜く。ゴブリン10匹、狼10匹と言ったところだろう。俺のステータスが正常なら苦戦する相手では無い。

 狼の魔物を2匹屠った所で、ゴブリンと対峙する事になる。こいつは魔物だ、人の形をしているが、人の心は持っていない。

 そう思っても、なかなか剣を振り下ろす事が出来なかった。ゴブリンは俺が怯んでいる事を察知したのか、俺に掴みかかって来る。このレベルのゴブリンは武器を持たない。

 掴みかかって来るゴブリンを避けると同時に剣を振る。何故か体が勝手に動いた様な錯覚を感じる。

 肉を切る感触が剣から伝わって来る。吐き気と戦いながら、止めを刺した。

 村人は半数が逃げている様だが、残りの半数は家に閉じこもっている様だ。それ程大きな村では無い。家の数は20軒程だろうか。

 その内の1軒がゴブリンに囲まれている。今にも崩れそうな家だ。恐らく中に女がいるのでは無いだろうか?

 ゴブリンは女を好んで襲う習性がある。

 俺は、吐き気も忘れて、その家に駆け寄る。5匹のゴブリンを無力化する頃にはだいぶ戦い方にも慣れて来た。

「大丈夫か?」

 家の中に声を掛ける。

「大丈夫です。」

 と、返事が返って来た。若い女性の声だった。

「ここは危険だ。どこか安全な所は無いか?」

「それでしたら、村長の家に。」

 出て来た女性は20歳を少し超えた位の華奢な体つきの田舎娘だ。髪の毛が金髪なのは、この世界のデフォルトかな?

「村長の家に案内してくれ。」

「解りました。」

 既に他の魔物は逃げている様で、気配は無い。

 村長の家は村の中心にあった。女性が声を掛けるとドアがゆっくりと開いた。

「おお、リリム。無事だったか?」

「こちらの方に助けて頂きました。」

「旅のお方かな?見た所ハンターですかの?」

「ああ、ゲイツと言う。こう言う事は良くあるのか?」

 村長は立ち話も何だからと家に入れてくれた。

「ここまで大掛かりな襲撃は初めてですな。ですが、こう言った森が近い村では魔物の脅威に常に晒されているのは事実です。」

 なるほど、近くに森があるのか。それは危ないな。

「とりあえず魔物は追い払ったが、また襲撃してくる可能性が高いと言う事か?」

「そうですね。もし、急ぎの旅で無いのなら数日で良いので用心棒を頼めませんか?」

 ん?またクエストの発生か?

 まあ、急ぐ旅では無いので問題は無いのだが、この村に宿屋はあるのだろうか?

「用心棒を引き受けるのは構わないが、この村に宿屋はあるのか?」

「それなら、私の家に泊まって下さい。助けて貰ったお礼もしたいですし。」

 リリムと呼ばれた女性がそう言った。

「だが、君の家はさっき。」

「あそこは私の家ではありませんよ。たまたま逃げる途中で襲われそうになったので逃げ込んだだけです。ちゃんと別に私の家はありますので。」

 なるほど、人が住むにはどうかと思ったが空き家だったのかな?

 ゲームではこんな風にクエストからサブクエストが発生したりするので、特に気にせず、リリムの家に厄介になる事を決めた。しかし、これが不味かった。

 ちゃんと家があると言って居たので、当然両親と暮らしていると思っていたのだが、どうやらリリムは1人暮らしらしい。

 家に入ってから気が付いたが、若い女性と2人切りと言うのは世間体が悪いのでは無いか?

 しかし、もう外は暗くなりつつある。これから他の宿を探すのは難しいだろう。

 当然ながら電気は無いので灯りはランプだ。リリムは夕食の用意をするので少し待ってくれと言ってキッチンに向かう。

 ちなみにこの世界には魔法があるが、魔法使いと言うのは滅多に居ない。攻撃魔法と言う物も存在しない。

 ドラゴンズヘブンの主人公であるヴェオルフは魔法が使えるが、使える魔法はたったの3種類。敵を麻痺させ動きを遅くする魔法。火の粉を飛ばして敵を足止めする魔法。そして回復魔法の3つだけだ。

 まあ、これもレベルを上げる事で威力が変わって来るので、レベル700を超える火の粉の魔法は、低レベルの魔物なら焼き尽くせる。

 少し待つと食事が出来た様でリリムが配膳をする。ステーキにスープにパンと言う、この世界の標準的な食事だ。

 飲み物はワインが付いて来た。この世界では水は貴重品だ。水よりワインの方が値段が安い。まあ、煮沸して使うなら井戸水があるが、井戸水をそのまま飲むのは危険だ。

 食事を取り一休みしている間に、この村の話やリリムの身の上話を聞いた。その後寝室に案内される。

 部屋は3つあり、全ての部屋にベッドが置かれている。以前は3人家族だったと言う事だろう。

 皮鎧を脱いでベッドに横になると、何故かリリムも服を脱ぎだした。

「何を?」

「お礼です。これ位しか出来ませんから。」

 いやいや、不味いだろう?

「小さな村だ。噂になるぞ?」

「もうなってると思いますよ。それに私は22歳です。この年で独身と言うのは生涯独身と言う事です。気にしないで下さい。」

 この世界の成人年齢は15歳だ。大抵の女性が20歳前には結婚をする。これは子供を確実に産むためだ。20歳を超えると、子供を産めるかどうかわからない女と呼ばれるらしい。

「俺は36だぞ。俺から見たら君は子供の様な物だ。」

「なら、お礼になりますよね?」

 ドラゴンズヘブンは18禁のゲームだが、暴力的なシーンがある為であり、性的な部分で18禁な訳では無い。

 だが、今、俺の目の前の光景は明らかに18禁を超えて居る。やはりゲームでは無いと言う事なのだろうか?

 この世界がゲームで無いのなら、何故ここまでドラゴンズヘブンに似ているんだ?

 そして、ここは一体何処だと言うのだろう?

 そんな事を考えつつ、俺は快楽に身を委ねた。
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