創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

文字の大きさ
67 / 151

第六十七話

しおりを挟む
 領地グラストフの事を図書館で調べていると幾つかの重要な事が分かった。

 まず、グラストフは30年ほど前までローゼン男爵が治めていた事。ローゼン男爵は結構なやり手で街も1万人近く人口を伸ばしていた。しかし、北の未開地に手を出したのが失敗だった。開拓は上手くいかず、借金が増えやがては没落した。男爵の没落後は領地を継ぐ者が無く、今はセッテンと言う代官が町を維持しているそうだ。町の規模は半分の5千人程度になってしまったが、西から王都へ行く際の宿場町として何とか生き長らえている感じだ。

 一度グラストフに行って現状を見たいのだが、王都にも邸宅を作らないといけない。やる事が多くて時間が足りない。学院も満足に行けていない状況だ。また、お金もかかる。まあ、宰相から言わせれば貴族がお金を使うから経済が回っているのだそうだが、ユーリの場合持ってる金額が大きいので、なるべくたくさん使ってくれと言われている。
 
 そう言えば、上級エリクサーがまだアイテムボックスに4000本近く入っている。これはキリの良い数字の方が良いと思い。1万5千本陛下に渡したのだが、端数の3千数百本は何かの時に使えるだろうとアイテムボックスに入れっぱなしだった。

 まずはイルミに相談するか。いや、家の件なら父上の方が詳しいかな?

 家に帰り父上が帰るまで自室で色々考え事をする。2時間ほどで父上が帰ったので食事前に相談に乗って貰う。

「父上、王都に家を構えろとの事ですが、どの程度の家を何処へ構えれば良いのでしょうか?」

「そうだな、使用人20人以上の家を下級貴族の集まっている場所に借家で借りるんだ。」

「借家ですか?宰相からはお金をたくさん使えと言われているんですが、新築は不味いですか?」

「新築は駄目だ。周りの貴族の反感を買う。それにユーリは子爵で終わるつもりはないのであろう?ならば借家にしておけ。」

「なるほど、ただでさえ反感を買っている身ですからね。そのようにします。領地の家は好きに作って良いのでしょ?」

「うむ、領地に関しては自分の好きにやってみろ。」

「ありがとうございます。助かりました父上。」

 明日にでも商業ギルドに行って家の候補を探してみよう。それが済んだら、グラストフへ一回行ってみる事にする。その間に家の使用人を探すようにイルミに頼もう。しかし、学院になかなか行けないな。メンバーたちがちゃんと動いていてくれると良いのだが。

 翌日、少し遅い食事をしてから商業ギルドへ向かった。あまり早いとギルドは混雑しているからだ。今日は貴族に見える格好をしている。

 ギルドに入ると受付で不動産関係の部署に回して貰う。『大地の実亭』を購入した時に会った職員が居たので声を掛けた。

「お久しぶりです。その節はどうも。」

「え~と、確かユーリさんでしたよね?」

 きちんと顔を覚えていた様だ。優秀なのであろう。

「今日は貴族の家を借りたくてね。使用人20名程度の家で構わないんだけど。」

「男爵ですか?子爵?」

「一応子爵なんだけど、レベルは最低で構わないよ。」

「予算は?」

「男爵は普通どの位の家を借りるの?」

「そうですね、家の規模にもよりますが、相場は金貨80枚位かと」

「解った。じゃあ、白金貨1枚までであまり豪華じゃない所を頼むよ。」

 職員は貴族街の地図を広げると、ペンで丸を3つ書いた。

「こことこことここ、この3か所が条件に当てはまりますね。」

 ユーリは3か所のうちもっとも南に位置する物件を指さし。

「まずはここを見せて下さい。」

 そう言って職員に微笑んだ。他の条件が一緒なら立地条件が一番悪い物件が一番状態が良いのだろうと言う推測だ。

「私のお勧めもそこですよ。解ってますねぇ。」

 貴族街の南寄りと言っても伯爵家から20分程の距離だ。不便ではない。商会までも30分位だし。商業ギルドにも近い。肝心の家だが若干古いデザインだが状態は悪く無い、広さも30人ほどなら十分だろう。厩舎が狭いが庭が広いので増設可能だろう。

「悪く無いね。前の住人は何故手放したの?」

「前はマリル男爵と言う方が住んでいらしたのですが、子爵に陞爵なさり、手狭になったとかで手放したようです。」

「ふむ、良いね気に入った。白金貨1枚で良いの?」

「空き家の状態が長かったので金貨90枚でやらせて頂きます。」

「OK、じゃあ契約書にサインするよ。」

「中は見なくて宜しいので?」

「中は色々と弄らせてもらうからね。」

「解りました。ではギルドに戻り契約書を交わしましょう。」

 2人はギルドに戻り素早く契約書を交わす。ユーリは手付も含めて5か月分の家賃を先払いした。鍵を貰い。帰路につく。

 帰りにもう一度借りた家に寄り。内部に入り。風呂を確認する。1階と2階に2つの風呂があるが、両方とも薪を使った古いタイプの風呂だ。ユーリは魔法で魔石タイプの風呂に改造する。それからクリーンとリペアの魔法をかけ見た目も内部も綺麗にして行く。キッチンも薪を使うタイプだったのでこれはユーカの商会で新品を買うつもりだ。その他の生活必需品はイルミの商会で揃えよう。

(なるほど、こうやってお金を回すのが貴族の仕事の一つなのか)

 時間がまだ早いので雑貨屋イルミを覗いてから帰ろうと思い。向かった。ここからだと40分位の距離だ。歩きながら補充用の商品をアイテムボックス内で作成して行く。

 もうすぐ店舗と言う所でルーカスに会った。

「あれ?なんでこんなところに?」

「そっちこそ、今日は学院来なかったから家で何かやってるのかと」

「って言うか、まだ授業中じゃないの?」

「まあ、細かい事は気にするな。」

 どうやらルーカスは午後の授業をさぼって店舗へ来たらしい。

「最近ユーリが学院来ないからつまらなくてね。授業も身が入らないって言うか。張りが無いって言うか。」

「ルーカスにはって言うか、他のメンバーにもまだ言って無いけど、2年の進級試験が終わったら僕は学院を辞めるつもりだよ。」

「マジかよ?何があったんだ?」

「子爵に叙爵された。領地も貰った。って事で学院に行ける状態じゃなくなったんだよ。」

「ユーリって3男だよな?なんで貴族に??」

「ちょっとドラゴンを倒したらこうなりました。」

「え?あのドラゴン倒した魔法使いってユーリだったの?」

「ちょ、声が大きい!!学校で噂になったら恨むからね。呪詛の魔法とか掛けちゃうかも。」

「誰にも言いません。」

「よろしい。って事でグラストフって言う辺境に行く事になった。もちろんそこでも商売は続けるよ。」

「ユーリらしいな。」

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

召喚失敗から始まる異世界生活

思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。 「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。 ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。

【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。 モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。 実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。 あらゆるモンスターへの深い知識。 様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。 自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。 降って湧いた凶悪な依頼の数々。 オースはこれを次々に解決する。 誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。 さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。 やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

処理中です...