創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

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第百四十一話

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 翌朝、学院へ行くとすぐに、マードル、シリル、ザックス、リリスの4人を集めて、昨日父さんが言って居た事を尋ねてみた。

「授業が退屈ねぇ。」

「確かに、1年の授業って受験勉強で覚えた事ばかりだもんな。」

「魔力操作の授業は私たちには新鮮だけど?」

「座学は一般常識って言ってもレベル低すぎますね。」

「だろう?でさ、何か僕らで出来る事って無いかな?」

 うーむと皆頭を捻っている。

 確かにいきなり言われても難しいよな。

「ここに居るのは商会の子供が多いよな?リリスさんは違うけど。」

「あら、うちも商売はしてますよ。リュートさんのお陰でね。」

「そうだよね、領主様の家と言えば砂糖ですね。」

「え?それもうちの父さんが関係してるの?」

「有名な話ですよ。ルーイさんが知らないのにビックリです。」

 ん~、父さん、色々やり過ぎだよ。あ、だからか、僕にも何かやれって言ったの。

「このメンバーだとやはり商売かな?」

「ん~、冒険者は難しそうだね。」

「冒険者と言えばザックスはどの程度剣と魔法が出来るの?」

「あー、冒険者ランクで言うとD位かな。」

「ほう?結構やるね。冒険者登録はしてるの?」

「まだだけど、ルーイはしてるのか?」

「いや、してないなら、家に招待するよ。僕も妹も両親や他の冒険者たちに稽古をつけて貰ってるから、参加するかい?」

「他の冒険者って?」

「ミントさん達って言っても分からないか。『暁の乙女』だよ。」

「って、全員Sランクじゃん。お前恵まれ過ぎだぞ。」

「でも僕は剣が苦手でね。妹の方が強い位だよ。」

 するとリリスが横から入って来る。

「剣が苦手と言う事は魔法は得意なんですね?」

「魔法はね。父さんが6歳の時から指導してくれているから。マードルとシリルは将来は魔法科に行くの?」

「僕はその予定だよ。わざわざ学院を選んだのも、魔法科があるからだし。」

「私も同じです。」

「すると魔法に関する何かでも構わないって事になるね。」

「わざわざリュートさんが言ったのなら何か意味があるんだろうね。」

「まあ、家の父さんが絡んでいるなら、間違いなく商売か魔法だろうね。」

「だとしたら部活を作るのはどうでしょう?」

「ん?部活って作れるの?」

「はい、この学院は部活動は盛んではありません。ですが、部活を立ち上げるのは認められています。」

「で、なんの部活を立ち上げるの?」

「魔法と商売を両立させた部活など如何でしょうか?」

「学院生に商売って認められるのかな?」

「実際に商売しなくても、商品開発だけするって言う手もありますよ。」

「なるほど。」

「僕もそれは面白そうだと思うよ。」

 マードルが賛成した。

「魔法で商売って言うと魔道具ですか?」

 こちらはシリルだ。

「魔道具に拘る必要はありません。初めは魔法を練習しながら商売の事も考えるって言う程度で良いと思います。」

 今日のリリスさんは積極的だな。

「俺も、そんな感じなら着いて行けそうだな。」

 ザックスはリリスさんに押され気味だ、主導権が取れなくて勝手が違うらしい。

「じゃあ、初めはそんな感じで行ってみますか?」

「そうだね、とりあえず始めて見て、リュートさんにアドバイスを貰えたら面白くなりそうだし。」

「部活を立ち上げる規定とかはあるのかな?」

「確か、部員5名以上と顧問の教師1人だったと思います。」

「メンバーは揃っているから、問題は顧問の教師か。」

「担任のアイザック先生にまず相談してみましょう。駄目でも誰か紹介してくれるはずです。」

 そんな感じで部活動を始める事になった。顧問はアイザック先生が快く引き受けてくれた。多分、リリスさんの名前が効いたのだろう。部活動の名前は『経済魔法部』良く解らない名前だが。名前はどうでも良いらしい。

 部活は作ったが何を活動すれば良いのだろう?

 家に帰って父さんに今日の出来事を一通り話すと、一度皆を連れて来なさいと言われた。

「父さん。魔法と商売って両立する物なのでしょうか?」

「ああ、少なくとも俺は商売をするのに魔法を最大限に利用したぞ。」

「え?父さんが?」

「ああ、例えばお茶やコーヒー、普通に工程を行えば1週間はかかる。魔法なら1日だ。すぐに結果を出したい時や試作品等には良く魔法を使って居る。」

「なるほど、見えない部分に魔法を使って居るんですね。」

「そうだ、どうしても人は見える部分だけを考えがちだが、見えない部分に時間が掛かっているんだ。例えば砂糖。今では機械で作業をしているが最初は一人で全部手作業で行って居た。魔法が無ければ、途中で諦めていたかもな。」

「具現化魔法は使わないんですか?」

「具現化魔法?」

「はい、砂糖は初めからあったんですよね?だったら片方に砂糖大根を置き、片方に入れ物を置けば、具現化魔法で砂糖が出来ますよね?」

「良く解らないんだが、やってみてくれないか?」

「じゃあ、簡単な奴をお見せしますね。地面には鉄分が含まれているのは知ってますよね?」

「ああ、砂鉄と言う奴だな。」

「それを集めると、インゴットが出来上がります。」

 そう言って鉄のインゴットを見せる。1キログラムのインゴットだ。

「これは創造魔法じゃ無いのか?」

 リュートが驚いた顔をしている。

「いや、創造魔法は無から有を生む魔法。神の魔法です。対して具現化魔法には材料が必要です。空気中でも地中でも、極端な話ポケットでも構いません。材料を用意し料理の様に完成品を作り出す魔法、それが具現化魔法です。」

 リュートがユーリだった頃に使って居た物質具現化魔法は無から有を生み出していた。そのせいでユーリは亜神になってしまった。だが、息子のルーイが使って居る具現化魔法は創造魔法の枠に入っていない。通常の魔法だ。何故ここに至らなかったのだろう。具現化魔法に気付いていればユーリは死ななくて済んだかもしれない。

 しかし、疑問が浮かぶ。リュートが思いつかなかった具現化魔法をルーイはどうやって習得したのだろう?

「ルーイ。この具現化魔法はどうやって習得したんだ?」

「父さんが魔法の様に美味しい料理を作るので、僕も出来ないかなって考えた魔法です。」

「つまり、俺の料理を魔法で応用した訳か?」

「そうなりますね。材料は解るでも調理法が解らない。なので魔法で間を省略しました。」

 やはり、この子には特別な何かがあると実感したリュートであった。

 これ以降リュートはアイテムボックス内で具現化魔法を良く使うようになる。結果、料理の革命は10年早く進むことになる。

 次の日、『経済魔法部』通称『経魔部』の4人を家に連れて来た。

「あれ?ルーイの家って貴族だよな?」

「ああ、子爵邸は別にあるんだ。だけど、堅苦しいのは嫌だって、ずっとこの家に住み続けてるんだよ。」

 応接間に案内すると、そこから『竜の憩亭』が見える。

「ここで、あの店の料理が生まれたと思うとなんか緊張するな。」

 マードックが変な事を言う。

 皆が揃うと父さんがやって来た。

「皆、初めましてかな?そこの2人はこの間会ったな。息子と仲良くしてくれてありがとう。」

「いえいえ、こちらこそお世話になっています。」

 リリスが貴族らしい対応をする。

「貴族とか平民とか身分は気にしなくて良い。俺自身未だに貴族だと忘れる事があるしな。俺は冒険者出身の商人だ。その証拠がこの家だ。未だにこの家を捨てられない。」

「折角だから聞きたい事があったら聞くと良いよ。父さんは料理は普及してこそ意味があるって言うポリシーだから大抵の事は答えてくれるよ。」

 僕がそう言うとザックスが手を上げる。

「俺、いや、自分は冒険者を目指しているんですが、魔法と剣、どの位の割合で稽古をしたら良いのでしょうか?」

「ん~、そればかりは個人の資質だからな。後で実力を見てやるよ。その後でアドバイスしてあげよう。」

「ありがとうございます!」

「他に質問はあるかな?」

 次に手を上げたのはリリスだった。

「私たちは魔法と商売と言う2つのアプローチで新しい事を見つけたいと考えています。ですが、範囲が広すぎて何処から手をつけて良いのか迷ってます。アドバイスを頂けませんか?」

「魔法と商売って言うのは実は相性が良い。魔法が何のためにあるのかを考えれば何を売れば良いか答えが出るはずだよ。」

「魔法は人の生活を便利にするためにあります。」

「うん。良い答えだ。なら、その答えをそのまま商品にすればよい。」

「人の生活を便利にする商品って事ですか?」

「そうだね、もっと単純に言えば、今、困ってる事を探して、それを解消する方法を魔法と商品どちらで行えば楽か考えてみてごらん。」

「なるほど、そう言う風に発想すれば良いのですね?」

「うん。商売の基本は需要と供給だ。何が需要があるのかを考える時に、真っ先に考えるのが、優先順位だ。何が、まず必要で次に何が必要になるか、1番目で儲けられれば良いのだが、2番目で儲ける為にあえて1番目を捨てると言う考え方もアリだ。」

「解りましたありがとうございます。」

 その後皆がそれぞれ聞きたい事を聞いて行く。父さんは嫌な顔をせずに丁寧に答えて行く。

 そうこうしているうちにミントさん達『暁の乙女』がやって来て。ザックスが稽古と言う名の元にボコボコにされていた。

 最後は皆で食事をしてお開きになった。


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