創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

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第百四十四話

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 ここ最近リュートは忙しい日々を送っていた。

 ルーイに教わった具現化魔法が原因だ。具現化魔法を覚えたリュートは今まで出来なかった製品の開発を急ピッチで始めた。

 特にチョコレート関連と調味料関連をメインに推し進めている。

 チョコレートに関しては通常のチョコレートは完成している。しかし、安価に提供するには値段が高すぎる。そこで、日本で準チョコレートと呼ばれる、カカオ成分の低いチョコレートやチョコレート菓子と呼ばれる、チョコ味の加工品を試作して子供達でも買える値段のチョコを提供したいと思って居る。

 また、調味料ではコチュジャン等の中華調味料、だし醤油やポン酢などの和風調味料などをメインに作った。やはり、スパイスが少ないのがネックだな。わさびは何とか似た植物を見つけたので代用品にしている、しかし、カレーが作れる程のスパイスは未だに揃って居ない。

 その代わりハーブは沢山見つけた。森を散策しながら食べられる野草を手あたり次第持って来て、家でじっくり鑑定する。この繰り返しで、今では100種類を超えるハーブがハーブ園で育っている。

 中でもシソとバジルの中間の様なハーブは使い勝手が良く様々な料理で活躍している。

 森に行くとリュートは必ず魔物を狩って来る。今月は10回以上森へ行っているので白金貨50枚位は稼いでいる。半分は子爵邸に入れて半分はエリシアに渡して置いた。

 エリシアはああ見えて、結構節約家だ。特に子供が出来てからは食事は基本家で食べるし酒もあまり呑まない。まあ、酒も家で作ってるので家で飲む分には幾ら飲んでもタダなんだけどね。

 そう言えば最近またミント達と稽古をしているらしいが、現役復帰でも目指しているのだろうか?

 ミント達と言えばシーネとフローラは彼氏が出来たらしい。一人なのはミントだけだ。冒険者は結婚が遅いと言われているが、ミントは28歳。完全に行き遅れだ。ここは見合いでも世話してやらないと駄目かな?

 ルーイは最近教えなくてもどんどん魔法を開発している。才能だけなら俺より上だろう。魔力量も多いので今は自分で色々と考える時期だと思って居る。

 エルナは年齢の割に剣が上手い。これはエリシアの教え方もあるが、才能もあるのだろう。魔法もルーイの真似をしてどんどん吸収しているので、将来がたのしみだ。だが、出来れば冒険者では無く貴族の嫁にでもなって欲しいと言うのは親のエゴだろうか?

 今日は3日ぶりに商店街へ来ている。何時もの様に各店を覗き面白い物が無いか探している。

 八百屋に行くとおやっさんに声を掛けられる。

「おお、兄ちゃん。これなんだが何かに使えないか?」

 そう言って黄色い果物を1個放ってよこした。

「ルモの実って言うんだが、酸味が強くて甘みが控えめでな、子供達にはあまり人気がないんだよ。」

 齧ってみると確かに酸味が強いが、甘みが無い訳でも無い。レモンとグレープフルーツの中間の様な味だ。

「普通はどうやって食べるんだ?」

「ハチミツに漬けて食べたりするのが一般的だな。砂糖があればジャムでも行ける。」

「これは焼酎に合うぞ。氷を入れた焼酎にこの実を絞って飲んだら美味いぞ。」

「お、それは良い事を聞いた、後で酒場に持って行って交渉してみるよ。ありがとな。」

「まだたくさんあるなら俺も買うぞ。これは色々と使い道がありそうだ。」

「ほう?兄ちゃんがそう言うなら、これは売れるって事だよな?」

 八百屋のおっちゃんがニヤリと笑った。

 レモンに似た果物なら、唐揚げに掛けても美味いだろう。他にもお菓子とかの風味付けに色々と使えそうだ。

 50個程購入してアイテムボックスに放り込んだ。

 次に薬屋に行き、新しいスパイスがないか探してみるが、めぼしい物は無かった。

 雑貨屋に行くと、子供たちがソフトキャンディーを買って居たので、まだ在庫はあるかおばちゃんに聞く。

「3日も顔を出さないから、どうしようか困ってたところだよ。在庫がもうほとんどないよ。」

 ソフトキャンディーは今では4種類の味を用意している。1つ鉄貨1枚なので子供に人気だ。100個程補充しておく。

「そう言えばさ、リバーシって娯楽品知らない?」

「娯楽品ねぇ、コマと竹とんぼ位しか知らないね。」

 どうやら、この大陸と向こうの大陸では国交が無いらしい。リバーシは俺がユーリだとバレる事を心配して作っていなかったが、そろそろ出しても良いかもしれない。

 最後に金物屋に寄る。

「何か新しい物入った?」

「おお、兄ちゃん。新しい物じゃ無いが、バーベキューコンロの大きいのが入ってるぞ。見て行くか?」

 そう言えばバーベキューコンロもそろそろ寿命だな。治しながら使って居たがそろそろ買い替え時だろう。良い物があれば買って行こう。

 店主が大きいと言うだけあって、本当に大きい。今までの2倍くらいありそうだ。

「これなら、かなりの大人数でも対応できるだろう?更に、網だけでなく鉄板も付いてるので料理の幅も広がるぞ。」

「確かに、物は良いな。よし、貰おう。」

「そう言うと思ったよ。」

 って言うか、俺が買わないと他には売れないだろう、これ。

 ついでに炭も多めに買って行く。全部ストレージに仕舞ったら肉屋へ行く。って言うか先にここに寄れば良かった。肉屋に行くには戻る必要がある。

 肉屋でバッファローとオークの肉を10キロ単位で買ってから帰る。

 家のキッチンで肉を適当な大きさに切ってボウルに入れて、焼き肉のタレに漬けこむ。この時ルモの実を少し絞ってみた。冷蔵庫に腸詰があるのでこれも焼こう、あと適当に野菜も食べないとバランスが悪いよな。

 夕食の下処理が終わったが、まだ時間が結構ある。なので具現化魔法でリバーシを一つ作った。

 ルーイが丁度学院から帰って来たので、エルナと一緒にルールを教えて行く。

「なるほど、挟んだコマが自分の色に変わるんだね。最後に自分の色が多い方が勝ちって言う訳か、陣地獲りの遊びだね。」

「ルーイは理解した様だな、エルナはどうだ?」

「うん、大丈夫、簡単だから覚えたよ。」

「じゃあ、対戦してみよう。」

 ルーイとエルナはリバーシを大いに楽しんでいた。エリシアも混ざりたそうな顔をしていたので、成功だろう。この国でもリバーシはイケそうだ。問題は何処でどう売るかだな。

 その後はバーベキューだ。ルモの実を絞った焼き肉のタレはさっぱりしてて美味しかった。家族皆良く食べる。チューハイにもルモの実を絞ってエリシアに飲ませてみた。これは店で出せる味だとお替りをしていた。

 翌日からルモの実を絞ったチューハイを食堂に導入した。

 リバーシはルーイに持たせて学院から流行らせる作戦だ。ルールを知らないと遊べないのでまずはルーイの学院で周知させてから、1か月後に販売とする。値段は大銅貨2枚にした。

 販売場所は雑貨屋と喫茶店でまずは様子見だ。

 木工職人を訪れ、実物を見せ、同じ物を100個作って欲しいと注文する。

 領主である辺境伯にも少し豪華に装飾をした物を献上して置いた。今回は貴族用は作らないので特別品だ。

 1か月後にどれだけ売れるか解らないので、ルーイと2人で具現化魔法を使って、リバーシを500セット量産して置いた。多分、木工職人は間に合わないだろうと踏んでいる。

 実際発売日には500セット完売してしまった。ルーイと2人で徹夜して更に500個作ったが、これも翌日には完売した。

 流石にルーイを連日徹夜させるわけには行かないので次の販売は4日後と張り紙をして置いた。

 具現化魔法はある種コピー機能も備えているのだが、結構魔力を持って行かれる。最初の1個は特に魔力を多量に使う。2個めからはコピー機能で魔力は抑えられるのだが、それでも攻撃魔法より消費量が多い。

 実質無限に近い魔力量を持っている俺は問題無いが、ルーイに多用させるのは危険かもしれない。なので、今は俺が1人で1日100個を作っている。これ以上作ると時間的に他の仕事に影響が出るので暫くは限定販売で行こうと思って居る。

 販売を開始して2週間後、木工職人に頼んだ分が完成して来た。更に追加注文をしたい旨を伝えると、職人数を増やすと言う事でなんとか合意した。追加分は1000個注文した。

 この頃になるとこの町での需要は大方落ち着いて来る、次に来るのは他の街からの注文だろう。

 さて、どこまで売れるだろう?
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