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第23話 破滅の始まり
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キルア族。
ディンレル王国の広大な領土の、東の果ての厳しいながらも豊かな大自然の中で彼らは生きている。
定住の地を持たず、季節と共に移動する遊牧の民。
大地に芽吹く草木を慈しみ、駆ける獣と心を通わせ、雄大な自然のリズムそのものに寄り添うように暮らす。
彼らの信仰は古くより万物を育む女神フェロニアの教えを尊び、天空を巡り全てを照らす太陽を、生命の源として崇めていた。
キルア族の気質は普段は驚くほど穏やかだ。
女子供には優しく、部族の絆は何よりも強い。
だが一度誇りを傷つけられ、理不尽な屈辱を味わわされれば、彼らの内に眠る闘争本能は荒々しく目を覚ます。
受けた侮辱は血で購うほかに道はない。死を恐れず、最後の1人になるまで戦い抜く。
それがキルアの戦士の流儀。部族の総数は数百と決して多くはないが、個々の戦闘能力は高く、結束力も相まって決して侮ることのできない存在として、周辺の部族からは一目置かれていた。
現在の族長はソテツ。ヒイラギとマツバの実父である。
風雨に晒された岩のような、筋骨隆々たる体躯。
荒くれ者揃いの部族を束ねるにふさわしい、揺るぎない威厳をその身に纏う。
黒々とした髪と瞳、豊かに蓄えられた黒髭。猛禽を思わせる鋭い双眸は常に周囲の状況を冷静に見据えている。
「族長。リュンカーラに行かれたヒイラギ様とマツバ様からはその後、何か便りはあったんですかい?」
ちょうど羊の毛を刈り取っていた屈強な部族の男が、ふと手を止め、不安げな表情でソテツに尋ねた。
あの日、ディンレルの軍勢に連れ去られた若き兄妹の安否は部族全体の気がかりだった。
「……ああ。先日、鳥使い経由で短い知らせがあった」
ソテツは手元のナイフで木の枝を削りながら、低く答えた。
「なんでも、ディンレルの王女2人の『奴隷』として、召し抱えられているそうだ。……だが、妙なことに『自由にはやっている』ともな」
「どれい……⁉ 族長の、あのヒイラギ様と巫女のマツバ様が、奴隷だと⁉」
族長の言葉に周囲で作業をしていた他の部族民たちも、驚きと怒りの声を上げた。
強さを尊び、族長とその血筋を敬うキルアの民にとって、奴隷という言葉は想像を絶する屈辱だ。
ディンレル王国への憎悪が、再び彼らの胸に燃え上がる。
「しかし、族長。『奴隷』で『自由』とは一体どういう意味ですかい? さっぱりわかりませんぜ」
「……儂にも分からん。だが、マツバが言うには王女たちとは奇妙な縁で結ばれ、むしろ仲が良いらしい。特にマツバは妹の第二王女アニス、ヒイラギは姉の第一王女アリスとかいう娘に、それぞれ気に入られている、とかなんとか……」
ソテツは苦虫を噛み潰したような顔で付け加えた。
「ふぅん……王女様ねえ。マツバ様みてえなもんか? 綺麗なのかな?」
「おいおい、数百人の俺たちと、何百万もいるっていうディンレルのデカい国の王女様だぞ? 比べモンになるかよ」
「だがよ、西や南の国の話じゃ、そういうお偉いさんってのは民の前には滅多に出てこねえらしいぜ? なんかデカい城の一番てっぺんに住んでるんだとよ」
「へえ? そりゃ変な話だな。じゃあ、もし獣に襲われたり、ゴブリンやオークみてえな奴らに縄張りを荒らされたら、どうすんだ? 自分たちの土地なのに、先陣切って戦わねえのか? そんなんで、よくお偉いさん面できるもんだ」
部族の男たちは、口々にディンレルや他の大国の支配者たちを揶揄するように言い合う。
彼らの価値観では指導者とは最も強く、最も勇敢で、民を守るために常に先頭に立つ存在でなければならない。
そんな他愛ない会話を聞きながら、ソテツはふと、何か胸騒ぎのようなものを感じ、顔を上げた。
空の色が妙に淀んでいる。
西の山際には不吉な色の雲が低く垂れ込めていた。
……雨か? いや、それにしては風が奇妙に生暖かい。
一雨来れば、羊たちもおとなしくなるだろうが。
ソテツは腰に差した族長の証でもある無骨な大剣の柄を握りしめて立ち上がった。
長年の経験からくる、戦士の勘が告げている。何かがおかしい。天気が荒れる前に、寝床へ戻り、備えを固めるべきだと。
遥か西、リュンカーラのある方角へと続く山脈に視線を向けた瞬間、ソテツは己の目を疑い、思わず歩みを止めた。
雲間を縫うように、巨大な影がこちらへ向かって飛んでくるのが見えたのだ。
「……なんだ、ありゃあ?」
空を飛ぶ生き物など、鳥か、虫か、せいぜい伝説の竜くらいしか知らない。
だが、あの影はそのどれとも似ていなかった。
あまりに巨大で、あまりに異様で、そして……禍々しい。
「族長! あ、あれ! 何か武器みてえなもん、持ってるみてえだぜ!」
他の部族の者も、次々と空の異変に気づき、叫び声を上げる。
恐怖と好奇がないまぜになった視線が、影に注がれる。
それは近づくにつれて、悍ましい姿を露わにした。
全身を覆うのは漆黒の獣毛。
背中からは蝙蝠を思わせる巨大な翼が二対生えている。
頭部は狼のようで、裂けた口からは鋭く巨大な牙が剥き出しになり、爛々と輝く二つの赤い瞳は明確な敵意と破壊衝動を湛えていた。
その手には……いや、前脚と呼ぶべきか、そこには明らかに人工物と思われる、歪な形状の武器のようなものが握られている。
「……弓を構えろ! 全員、警戒態勢! あの何かが、警告もなしにこれ以上近づくようなら……撃ち落とせ!」
ソテツの檄が飛ぶ。部族の戦士たちは恐怖を押し殺し、一斉に弓を引き絞った。
鏃が空の怪物に向けられる。
だが矢を放つよりも早く、それは起こった。
怪物は大きく口を開くと、次の瞬間、喉の奥から灼熱の奔流を吐き出したのだ。
轟音と共に放たれたそれは太陽の光すら霞ませるほどの眩い閃光を放つ、紛れもない『炎』だった!
回避する時間など、誰にも与えられるはずもない。
炎の息吹は瞬く間にキルアの集落を飲み込み、焼き尽くす。
藁葺きの住居は瞬時に燃え上がり、悲鳴を上げる間もなく人々は炎に巻かれた。
家畜も、それを世話していた者たちも、区別なく等しく業火に焼かれる。
「……ぐ……ぉ……あ……ああ……っ!」
ソテツの屈強な身体も、例外ではなかった。
視界は赤一色に染まり、全身を焼かれる激痛と、肉の焼ける異臭、遠のいていく意識の中で彼が見た最後の光景は、炎の中で悶え苦しみ次々と炭化していく同胞たちの姿だけ。
なぜ? どうして? 何のために? その問いへの答えを得る者はもう誰もいない。
数分後。そこには黒焦げの死体と、焼け爛れた家々の残骸だけが残された、地獄のような光景が広がっていた。
煙が立ち上る焦土の上空を、黒い怪物は満足したかのようにゆっくりと旋回し、何事もなかったかのように、再び西の空へと飛び去っていった。
こうして、ソテツ率いるキルア族は文字通り跡形もなく滅び去った。
それが、これから始まる長い長い破滅の、ほんの始まりに過ぎないことを、まだ誰も知らない。
ディンレル王国の広大な領土の、東の果ての厳しいながらも豊かな大自然の中で彼らは生きている。
定住の地を持たず、季節と共に移動する遊牧の民。
大地に芽吹く草木を慈しみ、駆ける獣と心を通わせ、雄大な自然のリズムそのものに寄り添うように暮らす。
彼らの信仰は古くより万物を育む女神フェロニアの教えを尊び、天空を巡り全てを照らす太陽を、生命の源として崇めていた。
キルア族の気質は普段は驚くほど穏やかだ。
女子供には優しく、部族の絆は何よりも強い。
だが一度誇りを傷つけられ、理不尽な屈辱を味わわされれば、彼らの内に眠る闘争本能は荒々しく目を覚ます。
受けた侮辱は血で購うほかに道はない。死を恐れず、最後の1人になるまで戦い抜く。
それがキルアの戦士の流儀。部族の総数は数百と決して多くはないが、個々の戦闘能力は高く、結束力も相まって決して侮ることのできない存在として、周辺の部族からは一目置かれていた。
現在の族長はソテツ。ヒイラギとマツバの実父である。
風雨に晒された岩のような、筋骨隆々たる体躯。
荒くれ者揃いの部族を束ねるにふさわしい、揺るぎない威厳をその身に纏う。
黒々とした髪と瞳、豊かに蓄えられた黒髭。猛禽を思わせる鋭い双眸は常に周囲の状況を冷静に見据えている。
「族長。リュンカーラに行かれたヒイラギ様とマツバ様からはその後、何か便りはあったんですかい?」
ちょうど羊の毛を刈り取っていた屈強な部族の男が、ふと手を止め、不安げな表情でソテツに尋ねた。
あの日、ディンレルの軍勢に連れ去られた若き兄妹の安否は部族全体の気がかりだった。
「……ああ。先日、鳥使い経由で短い知らせがあった」
ソテツは手元のナイフで木の枝を削りながら、低く答えた。
「なんでも、ディンレルの王女2人の『奴隷』として、召し抱えられているそうだ。……だが、妙なことに『自由にはやっている』ともな」
「どれい……⁉ 族長の、あのヒイラギ様と巫女のマツバ様が、奴隷だと⁉」
族長の言葉に周囲で作業をしていた他の部族民たちも、驚きと怒りの声を上げた。
強さを尊び、族長とその血筋を敬うキルアの民にとって、奴隷という言葉は想像を絶する屈辱だ。
ディンレル王国への憎悪が、再び彼らの胸に燃え上がる。
「しかし、族長。『奴隷』で『自由』とは一体どういう意味ですかい? さっぱりわかりませんぜ」
「……儂にも分からん。だが、マツバが言うには王女たちとは奇妙な縁で結ばれ、むしろ仲が良いらしい。特にマツバは妹の第二王女アニス、ヒイラギは姉の第一王女アリスとかいう娘に、それぞれ気に入られている、とかなんとか……」
ソテツは苦虫を噛み潰したような顔で付け加えた。
「ふぅん……王女様ねえ。マツバ様みてえなもんか? 綺麗なのかな?」
「おいおい、数百人の俺たちと、何百万もいるっていうディンレルのデカい国の王女様だぞ? 比べモンになるかよ」
「だがよ、西や南の国の話じゃ、そういうお偉いさんってのは民の前には滅多に出てこねえらしいぜ? なんかデカい城の一番てっぺんに住んでるんだとよ」
「へえ? そりゃ変な話だな。じゃあ、もし獣に襲われたり、ゴブリンやオークみてえな奴らに縄張りを荒らされたら、どうすんだ? 自分たちの土地なのに、先陣切って戦わねえのか? そんなんで、よくお偉いさん面できるもんだ」
部族の男たちは、口々にディンレルや他の大国の支配者たちを揶揄するように言い合う。
彼らの価値観では指導者とは最も強く、最も勇敢で、民を守るために常に先頭に立つ存在でなければならない。
そんな他愛ない会話を聞きながら、ソテツはふと、何か胸騒ぎのようなものを感じ、顔を上げた。
空の色が妙に淀んでいる。
西の山際には不吉な色の雲が低く垂れ込めていた。
……雨か? いや、それにしては風が奇妙に生暖かい。
一雨来れば、羊たちもおとなしくなるだろうが。
ソテツは腰に差した族長の証でもある無骨な大剣の柄を握りしめて立ち上がった。
長年の経験からくる、戦士の勘が告げている。何かがおかしい。天気が荒れる前に、寝床へ戻り、備えを固めるべきだと。
遥か西、リュンカーラのある方角へと続く山脈に視線を向けた瞬間、ソテツは己の目を疑い、思わず歩みを止めた。
雲間を縫うように、巨大な影がこちらへ向かって飛んでくるのが見えたのだ。
「……なんだ、ありゃあ?」
空を飛ぶ生き物など、鳥か、虫か、せいぜい伝説の竜くらいしか知らない。
だが、あの影はそのどれとも似ていなかった。
あまりに巨大で、あまりに異様で、そして……禍々しい。
「族長! あ、あれ! 何か武器みてえなもん、持ってるみてえだぜ!」
他の部族の者も、次々と空の異変に気づき、叫び声を上げる。
恐怖と好奇がないまぜになった視線が、影に注がれる。
それは近づくにつれて、悍ましい姿を露わにした。
全身を覆うのは漆黒の獣毛。
背中からは蝙蝠を思わせる巨大な翼が二対生えている。
頭部は狼のようで、裂けた口からは鋭く巨大な牙が剥き出しになり、爛々と輝く二つの赤い瞳は明確な敵意と破壊衝動を湛えていた。
その手には……いや、前脚と呼ぶべきか、そこには明らかに人工物と思われる、歪な形状の武器のようなものが握られている。
「……弓を構えろ! 全員、警戒態勢! あの何かが、警告もなしにこれ以上近づくようなら……撃ち落とせ!」
ソテツの檄が飛ぶ。部族の戦士たちは恐怖を押し殺し、一斉に弓を引き絞った。
鏃が空の怪物に向けられる。
だが矢を放つよりも早く、それは起こった。
怪物は大きく口を開くと、次の瞬間、喉の奥から灼熱の奔流を吐き出したのだ。
轟音と共に放たれたそれは太陽の光すら霞ませるほどの眩い閃光を放つ、紛れもない『炎』だった!
回避する時間など、誰にも与えられるはずもない。
炎の息吹は瞬く間にキルアの集落を飲み込み、焼き尽くす。
藁葺きの住居は瞬時に燃え上がり、悲鳴を上げる間もなく人々は炎に巻かれた。
家畜も、それを世話していた者たちも、区別なく等しく業火に焼かれる。
「……ぐ……ぉ……あ……ああ……っ!」
ソテツの屈強な身体も、例外ではなかった。
視界は赤一色に染まり、全身を焼かれる激痛と、肉の焼ける異臭、遠のいていく意識の中で彼が見た最後の光景は、炎の中で悶え苦しみ次々と炭化していく同胞たちの姿だけ。
なぜ? どうして? 何のために? その問いへの答えを得る者はもう誰もいない。
数分後。そこには黒焦げの死体と、焼け爛れた家々の残骸だけが残された、地獄のような光景が広がっていた。
煙が立ち上る焦土の上空を、黒い怪物は満足したかのようにゆっくりと旋回し、何事もなかったかのように、再び西の空へと飛び去っていった。
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