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第九話
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「シルヴィア、僕はサブリナを愛しているんだ」
「シルヴィア様、ごめんなさい。わたくしアルベルト様が好きなんです」
「……そうですか。おふたりはもうキスもした仲だそうですわね」
「ああ! その通り! 今証拠を見せてやる!」
アルベルトと、サブリナ様が熱い口付けを交わしておられます。
当然、周りは静まりかえっておりますわ。
「愛し合うおふたりを引き裂く事は出来ませんわ。アルベルト様、婚約を破棄致しましょう。こちら、婚約破棄の書類です。こんな事になる予感がして、ご用意しておきましたの。父とわたくしのサインは済んでいます。婚約破棄はアルベルト様のサインだけで成立しますから、ご記入下さい」
婚約破棄を申し立てられたら、基本的に受けるしかありませんから本人のサインだけで良いのです。慰謝料も、貰う側ですからね。本来ならば。
書類には、婚約時の契約に違反した者が慰謝料を支払う。いなければ、破棄を申し立てたわたくしが規定の慰謝料を払うと書かれています。
「きっちりと、わたくしから婚約破棄を申し立てたと記載があります。サブリナ様もご確認下さいませ」
「ふふっ、ええ、確かにシルヴィア様からアルベルト様に婚約破棄を申し立てるとあるわね。規定の通り慰謝料を払うとも書かれているわ。アルベルト、早く記入しましょう」
「ああ! もちろんだ!」
そうそう、さっさとサインしてね。
「それから、おふたりはもうキスもされておりますし、すぐ婚姻した方がよろしいですわ。こちら、婚姻の書類も取り寄せておきましたの」
「まあ! なんて気が利くの!」
だって、この後散々叱られておふたりが婚姻しなかったら困りますもの。まぁ、今婚姻しなければおふたりとも他にお相手は見つからないでしょうけどね。サクッと婚姻の書類にも記入して頂きました。
提出は……どうしましょうかしら。早く出したいわね。パーティーを抜けようかしら。
「待て! アルベルト! 早まるな!!!」
「父上! もうシルヴィアとの婚約破棄の書面に僕のサインをしました! シルヴィアからの破棄なので我が家にお金が入りますよ!」
「違う! そんな訳あるか!」
あらあら、アルベルトのお父様が、こちらへ走って来ようとしています。もう全てサインは済んでいますわ。ああでも、証人はどうしましょう。わたくしと、お父様にしようかしら?
「シルヴィア嬢、そちらの書類には証人が要るだろう? 私がなってやろう」
「王太子殿下?!」
「シルヴィア様、ごめんなさい。わたくしアルベルト様が好きなんです」
「……そうですか。おふたりはもうキスもした仲だそうですわね」
「ああ! その通り! 今証拠を見せてやる!」
アルベルトと、サブリナ様が熱い口付けを交わしておられます。
当然、周りは静まりかえっておりますわ。
「愛し合うおふたりを引き裂く事は出来ませんわ。アルベルト様、婚約を破棄致しましょう。こちら、婚約破棄の書類です。こんな事になる予感がして、ご用意しておきましたの。父とわたくしのサインは済んでいます。婚約破棄はアルベルト様のサインだけで成立しますから、ご記入下さい」
婚約破棄を申し立てられたら、基本的に受けるしかありませんから本人のサインだけで良いのです。慰謝料も、貰う側ですからね。本来ならば。
書類には、婚約時の契約に違反した者が慰謝料を支払う。いなければ、破棄を申し立てたわたくしが規定の慰謝料を払うと書かれています。
「きっちりと、わたくしから婚約破棄を申し立てたと記載があります。サブリナ様もご確認下さいませ」
「ふふっ、ええ、確かにシルヴィア様からアルベルト様に婚約破棄を申し立てるとあるわね。規定の通り慰謝料を払うとも書かれているわ。アルベルト、早く記入しましょう」
「ああ! もちろんだ!」
そうそう、さっさとサインしてね。
「それから、おふたりはもうキスもされておりますし、すぐ婚姻した方がよろしいですわ。こちら、婚姻の書類も取り寄せておきましたの」
「まあ! なんて気が利くの!」
だって、この後散々叱られておふたりが婚姻しなかったら困りますもの。まぁ、今婚姻しなければおふたりとも他にお相手は見つからないでしょうけどね。サクッと婚姻の書類にも記入して頂きました。
提出は……どうしましょうかしら。早く出したいわね。パーティーを抜けようかしら。
「待て! アルベルト! 早まるな!!!」
「父上! もうシルヴィアとの婚約破棄の書面に僕のサインをしました! シルヴィアからの破棄なので我が家にお金が入りますよ!」
「違う! そんな訳あるか!」
あらあら、アルベルトのお父様が、こちらへ走って来ようとしています。もう全てサインは済んでいますわ。ああでも、証人はどうしましょう。わたくしと、お父様にしようかしら?
「シルヴィア嬢、そちらの書類には証人が要るだろう? 私がなってやろう」
「王太子殿下?!」
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