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52.冒険者は潜入する
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あれから3ヶ月、レミィ達はそれぞれ城に侵入して情報を集めた。国王が無事である事はなんとか分かったが、食事の量は少なく部屋に籠っているらしく姿を確認する事は困難だった。
そのかわり、精力的に活動しているのがヒューだ。いつでも王になれるともっぱらの評判で、貴族のウケも良く、使用人にもヒューに心酔した者が増えてきていた。
潜入捜査に3ヶ月もかかったのも、ヒューの味方が多すぎたからだ。中立のフリをしてヒューに傾倒している者も多く、なかなか協力者が見つからなかった。
そんな時、有力な情報をもたらしたのはクリステルの墓参りに毎日行くコックだった。彼は必ずひとりでクリステルの墓参りに行き、1時間程祈りを捧げている。そんな男に屈託なく近づいたのはファルだった。ファルは背も小さく、幼い顔立ちで警戒心を抱かれにくい。
無邪気にコックに近づき、世間話などをして仲良くなった。何も知らない新人メイドで、数ヶ月のお手伝いで城を出ると明かすと、すぐ居なくなる相手ならと、コックは少しずつ警戒を解き自分の内に秘めたものを吐き出し始めた。コックは国王に恩義を感じており、現在の状況を憂い、クリステルの死を心から悼んでいた。
しかし、彼は誰もが知っている事なら言うが国王に忠実で決して城内の機密情報は漏らさなかった。
その為、ファルはジルとクリステルに彼と会う事を提案した。
「ああいうタイプは、絶対情報を漏らさない。けど、逆に言えば味方にしちゃえばこれほど頼もしい人は居ないわ。それに、毎日クリステル王女の墓でずっと祈ってるの。って言うか、泣きながら謝罪してる。なんかちょっと可哀想でさ。クリスさんと会えば、多分喜ぶしなんでもしてくれそうだから、味方にするには良いかなって。それに、国王陛下が体調が悪いって事で、少しでも好きな物を食べて欲しいってメニューの相談に行く事も多いから様子も聞けるしうまくやれば伝言も出来るよ。クリスさんが死んだのは自分が気がつかなかったせいだって言って職を辞そうとしたら国王に留意されてから、物凄く国王に忠実だって城でも有名。どうかな?」
「そんな重要人物、マークされてないか?」
「それはありませんね。貴族は色々調査されていますけど、使用人はノーマークです」
「ヒュー様は以前からそうだぞ。一応、冒険者ギルドに頼んでオレ達は逃げてる事にしてあるし、貴族の支持固めに必死なんじゃねぇか?」
「ギルドかぁ……俺も情報操作に付き合わされたぞ。あそこまでやるかって徹底ぶりだったぜ」
「国を騙すことにもなりかねないのに、ギルドも思い切ったよねぇ」
「隣国の国王からお墨付きを貰ったからな。クリスへの慰謝料代わりに手伝えって言ったら快く冒険者ギルドに話をつけてくれたぞ」
「……こころよく?」
「やっぱりこの人怖えわ」
「さすがジルね。それはともかく、彼の事は気になっていたから、信用できそうならお会いしたいわ」
「たいした事ないって思ってるクリスさんも充分怖いよ。味方いないなんて嘘でしょ」
「あら? 今は貴方達がいちばんの味方のつもりだけど?」
「光栄ですね。ゴールドランクの初仕事に相応しいわ」
「散々葛藤してたのにレミィも割り切ると思い切り良いよね。なんなの、貴族とか王族ってそんな風に考えないと生きていけないの?!」
「あら、クリスさんはそんな事ありませんでしたよ。最近変わられたのは、私が貴族の心得をお教えしたからですね」
「クリスは、マナー教育は受けていたけど親が子に教えるような社交会の渡り方は全く習ってないからな。表に出るのも、ダンスと挨拶くらいだったし」
「普通は、王族なら教えますけどね。聞いてみると教師の手配も最低限だったようですし、とてもクリスさんを大事にしていたとは思えません」
「それは事情があるんだって!」
「もう、レミィとジルさんの定番化したやりとりはもういいよ! それで、コックさんと会うで良いよね?! 明後日お休みで仕入れの下見に行くって言うから、街中で私が話しかけてここに連れてくるから!」
「お願いします。ありがとうファルさん」
クリステルが生きている事が分かったコックは大喜びで、全面的に協力してくれる事になった。
そのかわり、精力的に活動しているのがヒューだ。いつでも王になれるともっぱらの評判で、貴族のウケも良く、使用人にもヒューに心酔した者が増えてきていた。
潜入捜査に3ヶ月もかかったのも、ヒューの味方が多すぎたからだ。中立のフリをしてヒューに傾倒している者も多く、なかなか協力者が見つからなかった。
そんな時、有力な情報をもたらしたのはクリステルの墓参りに毎日行くコックだった。彼は必ずひとりでクリステルの墓参りに行き、1時間程祈りを捧げている。そんな男に屈託なく近づいたのはファルだった。ファルは背も小さく、幼い顔立ちで警戒心を抱かれにくい。
無邪気にコックに近づき、世間話などをして仲良くなった。何も知らない新人メイドで、数ヶ月のお手伝いで城を出ると明かすと、すぐ居なくなる相手ならと、コックは少しずつ警戒を解き自分の内に秘めたものを吐き出し始めた。コックは国王に恩義を感じており、現在の状況を憂い、クリステルの死を心から悼んでいた。
しかし、彼は誰もが知っている事なら言うが国王に忠実で決して城内の機密情報は漏らさなかった。
その為、ファルはジルとクリステルに彼と会う事を提案した。
「ああいうタイプは、絶対情報を漏らさない。けど、逆に言えば味方にしちゃえばこれほど頼もしい人は居ないわ。それに、毎日クリステル王女の墓でずっと祈ってるの。って言うか、泣きながら謝罪してる。なんかちょっと可哀想でさ。クリスさんと会えば、多分喜ぶしなんでもしてくれそうだから、味方にするには良いかなって。それに、国王陛下が体調が悪いって事で、少しでも好きな物を食べて欲しいってメニューの相談に行く事も多いから様子も聞けるしうまくやれば伝言も出来るよ。クリスさんが死んだのは自分が気がつかなかったせいだって言って職を辞そうとしたら国王に留意されてから、物凄く国王に忠実だって城でも有名。どうかな?」
「そんな重要人物、マークされてないか?」
「それはありませんね。貴族は色々調査されていますけど、使用人はノーマークです」
「ヒュー様は以前からそうだぞ。一応、冒険者ギルドに頼んでオレ達は逃げてる事にしてあるし、貴族の支持固めに必死なんじゃねぇか?」
「ギルドかぁ……俺も情報操作に付き合わされたぞ。あそこまでやるかって徹底ぶりだったぜ」
「国を騙すことにもなりかねないのに、ギルドも思い切ったよねぇ」
「隣国の国王からお墨付きを貰ったからな。クリスへの慰謝料代わりに手伝えって言ったら快く冒険者ギルドに話をつけてくれたぞ」
「……こころよく?」
「やっぱりこの人怖えわ」
「さすがジルね。それはともかく、彼の事は気になっていたから、信用できそうならお会いしたいわ」
「たいした事ないって思ってるクリスさんも充分怖いよ。味方いないなんて嘘でしょ」
「あら? 今は貴方達がいちばんの味方のつもりだけど?」
「光栄ですね。ゴールドランクの初仕事に相応しいわ」
「散々葛藤してたのにレミィも割り切ると思い切り良いよね。なんなの、貴族とか王族ってそんな風に考えないと生きていけないの?!」
「あら、クリスさんはそんな事ありませんでしたよ。最近変わられたのは、私が貴族の心得をお教えしたからですね」
「クリスは、マナー教育は受けていたけど親が子に教えるような社交会の渡り方は全く習ってないからな。表に出るのも、ダンスと挨拶くらいだったし」
「普通は、王族なら教えますけどね。聞いてみると教師の手配も最低限だったようですし、とてもクリスさんを大事にしていたとは思えません」
「それは事情があるんだって!」
「もう、レミィとジルさんの定番化したやりとりはもういいよ! それで、コックさんと会うで良いよね?! 明後日お休みで仕入れの下見に行くって言うから、街中で私が話しかけてここに連れてくるから!」
「お願いします。ありがとうファルさん」
クリステルが生きている事が分かったコックは大喜びで、全面的に協力してくれる事になった。
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