気弱ドワーフと転生エルフの産業革命

編端みどり

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第一章

27.ナビのお値段

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「納品は、マイスも来てね。すぐロイヤリティ払うから」

「え? もう売れるの確定なんですか?!」

「うん、全部ギルドが買うから。でもまだまだ足りないからまた作ってね」

「いくらで売るんですか?」

「金貨5枚で納品するよ。ギルドが売る時は金貨6枚」

「た……高くないですか?! そんなの一気に売れないでしょう?」

「ふふっ、そこはカナの手腕を褒めてあげてよ」

「マイスさんの話を聞いていて思いついたんですけどね」

「僕ですか? 僕、値段は何も……」

「マイスさん、道具をレンタルされていたでしょう?」

ああ、そうだった。ダン親方ところを辞めた時に、一旦全て返却したけど、次働くならまた道具借りなきゃと思ってたもんね。レンタル料、高かったなぁ。

「そうですね」

「だから、それをヒントに魔道具のレンタルを提案したんです」

「魔道具のレンタルですか?!」

聞いたことないよ!

「マイスさんのナビは、居場所が分かりますから、持ち逃げ出来ないでしょう?」

「ああ、なるほど。確かにひとつをギルドに置いておけば居場所は分かるから、持ち逃げ出来ませんね。それなら通信の魔道具によくついてる、無くしても見つかる回帰機能つけたらどうですか?」

「回帰機能?」

「ええ、一定の期間が経つと登録している持ち主の所に転移するんです。結婚指輪とかでよく望まれる機能ですね。回帰のタイミングは調整出来たはずだから、持ち主をギルドにして、期間はギルドが指定すれば良いんじゃないでしょうか? 通信も出来るから、希望があれば後から期間延長できるようにすれば冒険者も安心ですし、期間が過ぎれば自動でギルドに戻るから、返却の手間もありません」

「そんな事出来るの?!」

「ちょっと時間を貰えたら、できますよ」

もともとある機能を組み合わせて、ナビにつけるだけだからね。

「じゃあ、それつけて貰える?」

「わかりました」

「今日の納品は中止ね! もともと一ヶ月の期間を取ってあるけど、もっと要りそうなら交渉してくるよ。カナが」

「それだけ凄い機能がつくなら、待って下さるでしょうね」

「マイス凄いね。あたしたち回帰機能なんて知らなかったよ!」

「マイナーな機能ですからね。僕もダン親方から教わるまで知りませんでした。便利な機能なんですが、売る事が出来なくなるから滅多につけないんですよ。売っても元の持ち主に戻ってしまうからトラブルになりますし。魔道具を中古で買う場合は、回帰機能がないかは絶対チェックして下さいね。調べるのは簡単なので後で調べ方お教えしますから。今回みたいにレンタル専用にするなら、便利な機能なんで良いと思いますけど」

「あ、そっか! なら気に入ったらそのまま購入とかは無理になるんだ!」

「そうですね。あくまでレンタル専用です。そうなると困るならつけませんよ?」

「うーん……10個だけつけて、後から足すとかも出来る?」

「それは簡単ですよ。増やせないとレンタルを事業にするなら困るでしょう」

「そうだね。いっぱい借りる人いたら困るもんね。レンタル専用は、もっと値上げしよう。金貨10枚くらいでどうかな?」

「安くないですか? 確実に回収できるなんて、金貨20枚の価値がありますよ!」

「カナさん?! もともとある機能くっつけただけで値上がり過ぎては?」

「ふふっ、値段は最初に言ったもん勝ちですわ! それに、回収の手間もないならギルドの規模ならすぐに収益になりますから、30枚でも食いついて来ると思いますわよ。本当は30枚欲しいけど、20枚にしてやったんだって態度でいきますわ。まずは普通のナビを多めに渡して、不便を感じたらレンタル専用にするのも良いですわね! マイスさんのナビは便利ですもの。こんな良い商品、売れないわけありませんわ」

カナさんは、やり手の商売人の顔をして笑顔で笑った。
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