腹黒公爵の狩りの時間

編端みどり

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夜会【マチルダ視点】

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ほらぁ、やっぱり勘違いされてるじゃないですか!
婚約発表はまだ? とか聞かれても知りませんわよ。なんだか泣きたくなってきましたわ。

それにしても、サイモン様は紳士ですわね。なんだかんだとずっとわたくしについていて下さいますわ。……まぁ、そのおかげで周りの皆様の勘違いも加速している気がしますけど。

「あら? わたくしへのエスコートは一度もしてくれませんのに、どうしてそんな小娘のエスコートはなさるの?」

堂々と喧嘩売られてますわよね?! なんで隣国の公爵家から目をつけられなきゃいけないのですか?!

「貴方をエスコートする事はできませんよ。素敵な婚約者がいらっしゃるでしょう?」

婚約者、いらっしゃるのね……。それでサイモン様にエスコートを強請るって失礼にも程がございませんか。公爵家ならそのような無礼が許されるのかしら? でも、エミリー様もサイモン様も、そのような事なさいませんわよね……。やはり本人の資質の問題かしら?

「カテリーナ、僕を放って置くなんて酷いじゃないか。サイモン、僕の婚約者が失礼したね」

ほらあ! お怒りの婚約者様がいらしたじゃないですか! って…… ライディ王子?!
カテリーナ様のご婚約者は、ライディ王子なんですの? 王子が婚約者なのにこの態度、お怒りを買わないのかしら。

「サイモンにも想い人ができたようで安心したよ。是非式には参列してくれたまえ。それから、また情報を貰えるかい?」

「……もちろん差し上げますよ。私の狩りの邪魔さえしなければね」

狩りとは何かしら? サイモン様は狩猟も嗜まれるのね。邪魔をするなと王子に言うくらいなんて、どんな素晴らしい腕なのかしら?
それにしても、まさか王子にまでサイモン様のお相手と勘違いされるなんて思いませんでしたわ! 困ったわ。帰ったらお兄様にご相談しましょう。

結局、カテリーナ様は王子が来た途端大人しくなられた。それなら、最初から変なこと言わないでくださればよろしいのに。
明らかにジョセフ王子は、カテリーナ様にぞっこんですわよねぇ。かなり独占欲強そうじゃありませんか? というか、とてつもなく危険な目をなさってますけど……。カテリーナ様は、ジョセフ王子をお好きなように見えますし、これでよろしいのかしらね。

「さて、マチルダ嬢、私とファーストダンスを踊って頂けますか?」

わざわざ勘違いを加速するような事を言われて、戸惑ってしまったが、サイモン様の笑顔に陥落してしまったわ!

「ええ、喜んで」
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